資産3000万ドル以上のお金もち(UHNW=一般的な定義は資産3000万ドル以上を保有する富裕層)の興味、情熱、趣味を、資産家動向調査企業ウェルスXが調べた結果 、「大金もちの趣味トップ3」は仕事、慈善活動、スポーツであることが分かった。

大金持ちは常に仕事をしているというイメージが強いが、これは多くの大金持ちが「仕事を趣味に、趣味を仕事にしてお金をもうけている」からだ。つまり「自由時間でも仕事をしている、仕事中でも趣味を楽しんでいる」ということになる。

しかしウクレレを楽しむウォーレン・バフェット氏やブリッジ(カードゲームの一種)が大好きなビル・ゲイツ氏など、純粋に自分の時間を楽しんでいるお金もちもいる。こうした時間をもつことも、リフレッシュして仕事に打ち込む上で重要なプロセスなのだ。

大金もちの趣味トップ15、「家族」も13位にランクイン

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(画像=Kent Sievers/Shutterstock.com)

15位 音楽 8.9%
14位 芸術 9.2%
13位 家族 13.2%
12位 旅行 13.8%
11位 政治 13.9%

10位 不動産 14.4%
9位 飛行機 14.5%
8位 テクノロジー 14.6%
7位 演説 15.2%
6位 野外活動 17.3%
5位 教育 17.8%
4位 金融 28.3%
3位 スポーツ 33.0%
2位 慈善活動 38.6%
1位 ビジネス 56.9%

直接的・間接的に利益を生みだす趣味が人気?

富裕層を対象にした動向調査会社企業ウェルスXが2017年6月に発表した調査報告書によると、世界のUHNWの人口は2.2万人(前年比3.5%増)を突破。資産総額は27兆ドル(1.5%増)に達した。

今回の調査では、これらの大金持ちの6割が「趣味は仕事」と回答。寄付を含む慈善活動やスポーツ、金融、教育がトップ5だ。ランクインした「趣味」は分野が不ぞろいのような印象を受けるが、実はその多くが直接的・間接的な利益を生みだすという点で共通している。

仕事をしていればお金が入ってくるのは当たり前だが、スポーツや金融、教育などでも利益が生まれる。また慈善活動がお金持ちにとって、資産を守るための重要な手段のひとつであることは周知の事実だ。

「お金持ちの考え方」の著者スティーブ・シーボルト氏 は、お金持ちはお金もうけ自体には執着せず、「自らが楽しめるお金がもうかる活動」に精をだすと指摘している。例えば不動産投機が楽しいと感じるから不動産に投資する、テクノロジーに興味があるからIT株に投資する、サッカーが好きだからお気に入りのチームを買収する、公共の場での演説が好きだから講演会に出席して報酬を受けとる、絵画に魅了されるから芸術品を収集する—といった具合だ。

シーボルト氏の説では、最もかしこいお金持ちになる方法は「好きなことをしながらお金を生みだす」ということになる(CNBC2018年2月7日付記事)。

アジアのお金もちには特定の趣味がない?

お金持ちの趣味は地域によって異なり、それぞれの特色が色濃く反映されている。 北米のお金持ちは慈善活動、野外活動、演説、執筆、法律に最も強い関心を示しており、中近東のお金持ちはビジネス、ファイナンス、教育、テクノロジー、不動産、医療と、かなり直接的に利益創出につながっている。

南米は飛行機、家族、エンジニアリング、環境、経済、アフリカは政治、乗り物、読書、宗教、オセアニアはスポーツ、ボート、動物。欧州は旅行、芸術、乗り物、食べ物、科学、収集、語学と、一般人の趣味とそれほど差はない。

どういうわけか、アジアのお金もちには特定の趣味がないとのことだ。

チェス、テニス、ウクレレなど「普通の趣味」をもつ著名人たち

しかしすべてのお金もちが、四六時中お金もうけのことを考えているわけではない。自由時間を純粋に楽しみのために使っているお金もちも多い。

例えばビル・ゲイツ氏はブリッジやテニスなどというし、ウォーレン・バフェット氏はウクレレの演奏 に何十年も前から凝っており、地元の子ども会でウクレレを教えたり、チャリティーで演奏したりしているそうだ 。

Googleの創設者セルゲイ・ブリン氏 はスカイダイビングや空中ブランコなど、肉体の極限状態に挑戦することに快感を見いだすタイプ。ラリー・エリソン 氏はヨット好きが高じて、国際ヨットレース「アメリカズ・カップ」に出場している。 Twitterの設立者ジャック・ドーシー氏はハイキング、ヴァージン・グループ会長リチャード・ブランソン氏はチェス、俳優のトム・ハンクス氏はヴィンテージのタイプライター収集、メリル・ストリープ氏は編み物と、案外普通の趣味に時間を費やしている(ビジネスインサイダー2016年7月10日付記事)。

Facebookの面接は「仕事以外で何を成し遂げたか」で合否が決まる?

Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOなど、相手の「趣味」を人材の判断材料にする著名人もいる。ザッカーバーグCEOはCNBCの取材で「面接の際、応募者に仕事以外で何を成し遂げたか聞く」と語っている。ここで応募者の情熱や潜在的なリーダーシップが、ある程度推測できるという。

現時点の趣味は「全米を回って色んな人々と会い、話すこと」で、社内にこもって自分の時間の大半を過ごすよりも、外の世界から様々なことを吸収したいとしている(CNBC2017年3月13日付記事 )。

こうして色々な例を見る限り、同じ資産3000万ドル以上のお金もちでも、経験や人柄、周囲の環境によって自由時間の使い方が大きく異なることが分かる。しかし基本的にこれらの層が「時間を無駄にはしない」点は共通している。純粋に趣味を楽しむ時間は家族との絆を強めたり、ストレス発散や精神的にリラックスするために使い、新鮮な気持ちで再び仕事に取り組むための重要なプロセスなのだろう。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)