毎年のように赤字を垂れ流しているのにも関わらず、それでも存続し続けている会社が日本にはたくさんあります。事実、国税庁が発表している「会社標本調査結果」によると、2015年度における「欠損法人(決算上赤字の会社)」は全体の64.3%。実に、日本企業の3分の2が赤字となっているのです。

会計や経理に詳しくない人からみれば、「なぜ、赤字なのに存続できるか?」と、首をかしげてしまうことでしょう。ただ、会計あるいは税務的に考えると、赤字はそれほど悪いことではありません。むしろ、戦略的に赤字状態を維持している企業も見受けられるほどです。では、そもそも赤字とはどのような性質をもつものなのでしょうか。マンション経営の利益という観点からその本質を探っていきましょう。

赤字が必ずしも悪いとは限らない

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(写真=1599686sv/Shutterstock.com)

赤字とは、収入よりも支出の方が多い状態のことを指します。家計の場合で考えると、赤字になってしまえば貯蓄を切り崩したり、不足分を他から調達したりしなければならないため、「できるだけ避けたい」と思うのも無理はありません。収入を増やすか、あるいは支出を減らさない限り、いつかは生活が立ち行かなくなってしまうでしょう。

企業においても、事業がうまくいっていないために毎年赤字を続けているようでは問題があります。この点は家計と一緒です。ただし企業の場合には、同じ赤字でも事情が異なる場合があります。そこに赤字企業が生き残っていける理由があるわけです。

そもそも会社の生命線は「資金繰り」、つまりキャッシュフローにあります。いくら売り上げが増加して、利益が出ている企業でも、仕入費用の増加や売掛金の増加などの要因で資金繰りが悪化してしまえば、倒産することもありえます。いわゆる「黒字倒産」というものです。一方で、資金繰りに問題がなくても、設備の減価償却などの要因で赤字申告となるケースもあります。

企業が赤字になった場合を考えてみましょう。企業(法人)が赤字(課税所得がマイナス)になると、法人税、住民税および事業税といった税金に関しては支払う必要がなくなります。これらの税金は企業の利益に加算されるものなので、結果的に、赤字であれば支払い義務がないのです。

そのため、内部留保が潤沢にある企業であれば、単年度の赤字が出ても資金繰りには困らず、大きな痛手とはなりません。それに加えて、税金の支払いがないことはメリットでもあります(ちなみに企業の場合は、赤字の繰り越し(繰越欠損金)を利用すれば、翌年黒字となった場合に法人税を軽減することが可能なケースがあります)。

マンション経営における「赤字」のメリット

マンション経営の場合も理屈は似ています。マンション経営がうまくいっていても、購入初年度の諸費用や減価償却費などの要因で、税務申告上赤字となるケースがあります。赤字の場合、利益がないために所得税や住民税といった税金の支払いは生じません。それどころか、サラリーマンの方などでマンション経営の他に収入がある場合、確定申告をすることによって、源泉徴収分の所得税が還付されることや、次年度の住民税が減額となることもあります。

このように、マンション経営で発生した赤字を他の収益から差し引くことを「損益通算」といいます。特にマンション経営以外の収入が多い方の場合、損益通算によって節税することが可能です。マンション経営が節税対策としても活用されている理由もそこにあるといえるでしょう。

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マンション経営を行うにあたっては、収益の部分だけでなく、税金についてもセットで考えなければなりません。黒字だからと喜んでいると、あとから税金の支払いに苦しんでしまう可能性もあります。他の収入状況を考慮して、税金という点から、黒字と赤字について理解しておきましょう。

税金の仕組みを知り、マンション経営の成功率を高めよう

他の収入も含めた全体の収益を考えたとき、トータルでマイナスになってしまうと生活していくことはできません。しかし、部分的に赤字になっているだけならば、税金の面からもプラスに働くことがあります。このことからも、税金の仕組みを知ることは大切です。

特に税制については、毎年のように見直されています。これからマンション経営をするのであれば、税制の変化をチェックしつつ、黒字と赤字のバランスについて意識しておくべきです。そうすることで、マンション経営の成功率を高めることができるでしょう。

赤字を「ただマイナスの状態」として考えるのではなく、マンション経営全体として、どのような影響をもたらすのか考えてみることが大切になります。そのような幅の広い視点をもてるようになると、マンション経営の舵取りが容易になるはずです。(提供:マンション経営online


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