住宅ローンは大きく分けると、「固定金利」、「変動金利」、「固定金利期間選択型」の3つの種類があるが、その選び方によってはトータルの返済額が大きく変わってくる。しかし、住宅ローンの仕組みは非常に複雑であるがゆえにどれが自分に合った返済方法かよく理解しないまま契約をしている人も少なくはない。

「全期間固定金利」 金利が変わらないの計画は立てやすい

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(画像=PIXTA)

固定金利は借入当初から完済までの金利が変わらないことが特徴である。

メリットは、第一に金利が変わらないので返済計画が立てやすいことが挙げられる。次に金利が上昇する局面でも金利動向に不安にならなくてすむ。さらに将来の繰上返済の計画や教育資金、老後資金などの住宅ローン以外の資金計画も立てやすい。

逆にデメリットは他の金利タイプ比べて金利が高いことが多く、市場金利が下がっても変動金利のように金利が下がらないことである。

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「変動金利」 固定より金利が抑えられる可能性がある一方、急に高くなることも

変動金利の特徴は半年ごとに金利が見直され、毎月の返済額の元金と利息の内訳も半年ごとに変わる。また返済額は5年に1回見直されるが、その変動幅は従前の返済額の1.25倍までとなっている。

メリットとして考えられるのは、全期間固定金利、固定金利期間選択型に比べて金利が低めのことが多い点だろう。全期間固定金利タイプより低金利で借りることができることが多い。また、金利が下降する局面においては住宅ローンの金利も下がることもメリットである。

デメリットとしては、変動金利は半年ごとに金利が見直され、毎月の返済額は5年に1回見直される性質のため、返済の計画が立てにくい。また、金利が上昇すると毎月の返済額の利息部分が増え、元金がなかなか減らないことも起こりうる。急激な金利上昇の局面においては先に述べた1.25倍ルールがあるため、返済額よりも利息が上回るという「未払利息」が発生することも理解しておかなければならない。

「固定金利期間選択型」 全期間固定より金利低め だが固定期間後は高くなるかも

固定金利期間選択型の借入当初の金利が一定期間固定されることが特徴である。固定金利の期間は2年、3年、5年、10年などがあり、その期間の終了時にはその時点での金利で変動金利か固定金利期間選択型を選択する仕組みである。固定金利期間が短いほど金利が低く、長いと金利が高いことが特徴である。

メリットは、固定金利期間中の金利は全期間固定金利よりも低いこと。そのため子どもの教育費がかかる時期などは返済額を抑えるといった対応ができる。

デメリットは固定金利期間が終了し金利が見直された時に、その時の金利によっては返済額が大きく増えてしまう可能性もあることである。変動金利のように1.25倍のルールがないため、その時の金利次第では大幅に返済額が増えてしまうのだ。

「固定金利」が向いているのはこんな人 「金利動向に一喜一憂したくない」

住宅ローンを選ぶポイントだが、自分自身の性格や今後の収入、子どもの教育費などの必要な時期を考慮するといい。

金利の動向に一喜一憂したくない人、将来金利が上がることに不安を感じる人。 返済期間が長期にわたる人は全期間固定金利が向いている。

「変動金利」が向いている人 「低金利のうちに繰り上げ返済したい」

金利の動向を常にチェックできる人、借入期間が10年以下と短く、低金利のうちに繰り上げ返済をしていきたい人。また収入に余裕があり、金利が上昇して返済額が増えても大丈夫な人などだろう。

ただし、今は変動金利を選んで金利が上昇したら固定金利に借り換えようとかんがえている人は、固定金利は変動金利よりも先に上昇していくので、変動金利が上がったころには固定金利はすでに上がってしまっているので注意が必要だ。

「固定金利期間選択型」はこんな人に向いている 「当初返済額を抑えたい」

子どもの教育費がかかるなど、借入当初の返済をなるべく抑えたい人や、将来返済額が増えても返せるゆとりがある人だろう。

金利の選び方はすべての借入額を固定金利、変動金利で選ばないといけないわけではない。ローンのうちの半分を固定金利、半分を変動金利と組み合わせることもできるので、詳しいことは金融機関に相談してみるといい。

固定金利の住宅ローン どこで選べばいいのか?

まず全期間固定金利の代表、「フラット35」について検証してみよう。まず同じフラット35でも、金融機関によって違いがあるのだろうか?

当然、商品内容はどの金融機関でも同じだが、適用金利と融資手数料は異なる。

融資手数料には定額型と定率型とがある。例えば3000万円を35年の期間で借りた場合の総支払額を比較してみる。

比較項目……金融機関A/金融機関B/金融機関C/金融機関D
金利……2.050%/1.550%/1.400%/1.400%
融資手数料方式……3万2400円/11万8800円/融資額×2.16%/融資額×0.8%
毎月返済額……10万0150円/9万2591円 9万0392円/9万0392円
総返済額……4206万3000円/3888万8220円/3796万4640円/3796万4640円
融資手数料……3万2400円/11万8800円/64万8000円/24万円
総支払額……4209万5400円/3900万7020円/3861万2640円/3820万4640円

借入額、返済期間が同じでも金融機関によって金利と融資手数料次第ではトータルの支払額が大きく変わるので金融機関選びは重要だ。詳しい情報は住宅金融支援機構のWebサイトで確認できる。

【参考】住宅金融支援機構

「フラット35S」が利用できる条件とは?

フラット35Sは、質の高い住宅取得者向けにフラット35の金利を一定期間引き下げる制度である。以下の4つのうち1つを満たしていることが条件だ。

(1) 省エネルギー性に優れた住宅
(2) 耐久性・可変性に優れた住宅
(3) 耐震性に優れた住宅
(4) バリアフリー性に優れた住宅

また引き下げの期間は「金利Aプラン」は当初10年間、「金利Bプラン」は当初5年間で、金利の引き下げ幅は0.25%である(2018年3月31日までの引き下げ幅)。フラット35Sは予算金額があるため、予算金額に達すると受付終了する。その点にも注意が必要だ。

2018年10月から変わった「機構団体信用生命保険」

2018年10月に機構団体信用生命保険が新しくなった。従来の機構団信は別途加入であったが、改定後はローン金利に含まれることになった。もし健康上の理由などで機構団信を利用しない場合、金利は0.2%(ポイント)マイナスとなる。

また従来、保障の対象は死亡と高度障害状態であったが、死亡と身体障害を保障するようになった。さら、3大疾病付機構団信の保障内容も、従来の保障内容に介護保障も追加された。住宅ローンの返済期間は長い。契約時の健康状態がずっと続くとは限らないので検討してみるのもいいだろう。ただし、金利が上乗せになるので総返済額の比較は必要だ。

銀行の固定金利はどうなっているのか?

金融機関は長期固定の低金利で貸し出しをする場合、将来金利が上がるときのリスクを背負う。そのため銀行の固定金利はフラット35よりも金利を高く設定している。3年、5年、10年などの「期間固定金利」が主流となっている。

金利固定期間が過ぎると、その時の金利で変動金利か固定金利期間選択型を選ぶが、金利タイプを変更する際、手数料がかかる金融機関もある。また契約の際、固定金利期間終了後の金利の割引もどのくらいあるのか調べておく必要がある。

団体信用生命保険の仕組み、適用される条件について

銀行で住宅ローンを借りる際、団信の保険料は金利に含まれているが、がんになった場合や8疾病になった場合の保障を金利に0.1%~0.3%上乗せで付けることができる。その内容にもきちんと調べておく必要がある。

がんと診断されたら

生まれて初めてがんと診断された場合住宅ローンを返済しなくてもよくなるが、上皮内新生物および皮膚の悪性黒色腫以外の皮膚がんは保障の対象外となる。

脳卒中、急性心筋梗塞の場合

脳卒中の場合、60日以上の言語障害、運動失調、麻痺等の多角的な神経的後遺症が継続した場合、急性心筋梗塞は60日以上の労働の制限を必要とする状態が継続した場合に住宅ローンの返済が免除となる。

高血圧症・糖尿病・慢性腎不全・肝硬変・慢性膵炎の場合

高血圧症・糖尿病・慢性腎不全・肝硬変・慢性膵炎で就業不能状態が継続した場合12か月間のローンの保障があり、就業不能状態が12か月間継続した場合は住宅ローンの返済が免除となる。

以上の8疾病になったからといってすぐにローンの返済が免除になるのではない。認められるには厳しい条件がある。またローン実行日から90日間は免責期間もあるので注意が必要だ。ローン免除には魅力があるかもしれないが、その分、治療などにはお金がかかるし、金利も上乗せになる。総返済額の試算をすべきだろう。

住宅ローンを選ぶポイントは「金利」だけではない

金利以外の、たとえば融資手数料や団体信用生命保険の比較も重要だ。団体信用生命保険の保障の範囲が広ければ、その分金利も高くなり総返済額も変わる団信の特約は返済期間中、一般の生命保険の特約のように解約できないことが多いので、金利の上乗せ部分が保障の内容に見合っているか十分に検討すべきだろう。

ローンの返済計画がライフステージの変化に合っているどうかも考えたい。例えば子どもの進学は私立校に行かせるか、大学では一人暮らしをさせるか。まだ子どもがいない共働き夫婦が、子どもができた後はどうするのか、遠くに住む親の介護が必要になったらどうするのか……。ライフステージは変化する。予期せぬ変化もあろうが、可能なかぎり環境の変化を見越して返済計画をたてる必要があるだろう。(ZUU online編集部)

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