投資信託は、少ない金額から購入でき、専門家が様々な資産に分散投資を行うことでリスクを減らすことができるのが魅力の金融商品だ。しかし株式よりも長期保有することが多いと考えられ、いざ解約(売却)となるとその手続きに戸惑う場合があるのではないだろうか。投資信託を解約するにはどのような手続きが必要なのか。今回はネット証券大手の楽天証券とSBI証券の投資信託を解約する場合の手続きについて紹介していこう。

投資信託の解約は可能?

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(画像=PIXTA)

株式投資では、自分のタイミングで売買を行うことができる。では投資信託は売ることはできるのだろうか?投資信託の場合、それぞれの投資家から集めた資金をまとめて資産を購入しているため、自分だけのタイミングでその資産を売るということはできない。代わりに行うことができるのが解約だ。解約を行い、その時点での運用成績に応じて換金することが可能だ。投資信託は、基本的にいつでも換金解約を行うことができる。

ただし、商品の中には一定期間換金できない期間が定められているものがある。これは投資信託が立ち上がったばかりの期間に大量の換金が行われてしまうと運用に障害が出てしまうおそれがある。それを防ぐために定められているのが「クローズド期間」だ。このクローズド期間には、換金解約をすることはできない。特に投資信託が立ち上がる期間にのみ購入できる、単位型の株式投資信託はクローズド期間が定められていることが多い。クローズド期間については、投資信託説明書(交付目論見書)に記載されているので、購入するまえにあらかじめ確認しておこう。

注意が必要なのが、「全期間クローズド」と記載されている投資信託だ。これは、原則として投資信託を購入してから償還されるまで解約はできないというもの。ただし、商品によっては全期間クローズドであっても一定の条件のもと、解約が可能なものもある。決算期ごとや3カ月ごとなど一定の期間であれば解約できる、または投資信託の投資対象の価格が一定水準を下回った場合など、条件に付いても記載されているので合わせて確認しておこう。

また、クローズド期間内であっても、投資信託を持っている人が死亡したり、破産したりといった特別な場合は換金することができる。こちらは全期間クローズとの商品であっても同様だ。それらの事態が起こった場合は、なるべく早めに販売会社に問い合わせると良い。

投資信託を解約するときに必要な費用とは

投資信託を解約する場合かかる費用には、「解約手数料」と「信託財産留保額」の2種類がある。それぞれの金額については、投資信託説明書(交付目論見書)に記載されているので、まずは確認してみること。解約手数料はほとんどの商品の場合、徴収されることはない。

ただし、一部かかる投資信託の銘柄があるため、できれば購入前にチェックしておきたい。信託財産留保額は、投資信託を途中で売る際に課せられるペナルティのようなものだ。投資信託で保有している資産は、その人だけでなく同じ投資信託を購入した他の投資家と共有しているもの。投資信託を解約する際には、保有している資産を売って換金するという手間がかかる。

しかし、株式や債券を売るのには、手数料がかかったり、売るタイミングによっては損をしたりすることもある。これらの費用を補うため、信託財産留保額が徴収される。信託財産留保額は、頻繁な解約を防いで投資信託の運用を安定させるという目的も持つ。信託財産留保額は、あらかじめ一定の割合が定められている。換金解約する場合は、基準価額からこの割合の金額を差し引いた価額が換金されることになる。この割合も投資信託説明書(交付目論見書)に必ず記載されているので確認しておいたほうがいいだろう。

解約請求と買取請求の違いとは

投資信託を手放して換金したい場合、解約請求ではなく買取請求を行うこともできる。解約請求は、投資信託の資産を取り崩し、換金して代金を支払う方法。買い取り請求は、その人が保有していた投資信託を証券会社に譲渡する形となる。換金する方法は違うが、どちらの場合でも同様に信託財産留保額などはかかり、投資家側にはあまり違いはない。2009年の税制改正によって、課税方法も同じとなったため、どちらを選択しても違いはなくなった。投資信託を手放す際はどちらかを選ぶ必要があるが、どちらの場合でも手続き、費用、税金などは同じということを頭に入れておこう。

投資信託を解約した時の税金とは

2009年1月の税制改正により、解約請求・買取請求ともにその損益は、譲渡所得として取り扱われるようになった。そのため、税制上の違いもなくなり、どちらを選んでも投資家側には変わりはなく、同様に税金を支払う必要がある。

投資信託を解約した際に得られる解約差益金は、全額が株式の譲渡所得税として譲渡益課税の対象となる。源泉徴収ありの特定口座を持っている場合は、他の株式投資などの譲渡損益と損益を通算できる。その場合は、一律20%の源泉徴収に、復興特別所得税が加わり、20.315%が課せられる。源泉徴収を行っていない場合は、確定申告を行い別途税金を支払う。

楽天証券で投資信託を解約する方法

楽天証券で保有している投資信託を解約する方法を紹介していこう。

まずは楽天証券のサイトにログインする。上部のメニューバーで、「投信」を選択する。次に「注文」、「投資信託」、「解約注文」の順に選択。現在自分が保有している投資信託の銘柄が表示されるはずだ。銘柄の横に「解約」のボタンが表示されるので、解約したい銘柄の「解約」ボタンを押す。

その銘柄の解約価額や信託財産留保額などの情報と、現在保有している口数などが表示される。複数の口数を保有している場合、全部解約するのか一部を解約するのかを選択できるので、どちらかを選ぼう。

一部解約する場合は、解約する口数も入力する。入力できたら「確認ボタン」を押す。確認画面で、ファンド名や解約口数、受取代金概算額などを確認し、問題なければ取引暗証番号を入力し、注文ボダンを押す。これで解約注文が終了する。

万が一、注文を取り消したい場合は、「注文紹介・取消」タブを選択し、表示された注文内容の「取消」ボタンを押せば取消しもできる。ただし、約定日を過ぎると取り消すことはできないので注意すること。楽天証券では、投資信託は解約請求のみ選択できる。

SBI証券で投資信託を解約するには

SBI証券で投資信託を解約するには、まずはSBI証券のサイトにログインする。「取引」「投資信託」「売却」の順に選択すると、保有投資信託一覧の画面が表示される。そこに、現在自分が保有している投資信託が、口数指定買付・金額指定買付別に表示される。売却したい投資信託の銘柄を選び、「売却」ボタンをクリックしよう。

そこで注文入力画面が表示されるはずだ。ここには、銘柄名、基準価額、売却単位、注文可能口数または注文可能額、締め切り時間、重要事項などが表示される。きちんと目を通したうえで、解約したい口数または金額を入力する。

その後、自分の取引パスワードを入力し「注文確認画面へ」ボタンを押すと確認画面に切り替わる。確認画面で問題がないか確認し、間違いなければ「注文発注」ボタンを押して確定しよう。SBI証券では、買取請求は個人では行うことができず、法人のみが選択可能だ。

SBI証券では定期的に売却するサービスも

SBI証券では、保有している投資信託を定期的に売却して、現金で受け取ることが可能なサービスもある。それが「投資信託定期売却サービス」だ。

このサービスでは、あらかじめ受け取りたい金額と受け取る日にちを設定する。決められたタイミングで定期的に保有する投資信託を売却し、証券口座へ厳禁として振り込みがされる。受け取る日時は、「毎月」の他「奇数月」「偶数月」のみを選ぶこともできる。

さらに、年2回までボーナス月も設定可能だ。定年退職後、それまで行ってきた投資信託の運用(保有)を継続しながら年金のように少しずつ売却し、現金化できる。売却の手間もかからず、手軽なのが魅力と言える。設定した金額や日時はいつでも変更が可能だ。

投資信託のポートフォリオも定期的に見直そう

投資信託は長期保有が勧められる投資ではあるが、定期的に見直すことは他の投資と同様にとても重要だ。定期的に運用状況を確認することで、運用成績の悪化や損失の気配をいち早くキャッチすることができる。

また、値上がりしてきたタイミングで利益を確定することも可能だ。ファンドが定めるベンチマークの値動きと成績を比較する、純資産残高をチェックするなどして自分が保有する投資信託の状況を確認しておき、タイミングをみて解約を行うことが大切だ。(ZUU online編集部)