日本人の自己努力による資産形成を促すため、2014年にNISA、2017年にiDeCo(イデコ)、そして2018年にはつみたてNISAと、ここ5年の間に税制優遇を受けられる制度が立て続けに開始されている。これらの制度は似た性質も持つため混同されることも多いが、それぞれにメリット・デメリットがあり、うまく使い分けることが大切である。

本コラムでは、これらの制度の違いと、おすすめの利用法について紹介する。

3つの制度の違い

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(写真=Merkushev Vasiliy/Shutterstock.com)

iDeCo、NISA、つみたてNISAの大まかな特徴を把握しておこう。

まず、iDeCoと2種のNISA(NISAとつみたてNISA)の違いだが、その1つに、税制優遇を受けられる範囲が異なるという点が挙げられる。どの制度も、運用によって生じた利益にかかる運用益が非課税になるということは共通だが、iDeCoはそれに加え、掛金として拠出した金額に対する所得税も免除される。

2つ目の違いは、資産を引き出せるタイミングだ。2種のNISAがいつでも資産を引き出せるのに対し、iDeCoの場合、原則として60歳からでなければ引き出すことができない。

次に、NISAとつみたてNISAの違いを見てみよう。最も大きな違いは、1年間の非課税投資枠と非課税期間である。NISAは年間非課税投資枠が120万円、非課税期間が5年間、非課税投資枠が最大600万円であるのに対し、つみたてNISAは非課税投資枠が40万円、非課税期間が20年間、非課税投資枠が最大800万円となる。

もう1つの違いは、購入できる金融商品だ。NISAでは、個別株や投資信託、上場株式投資信託(ETF)、REITなど比較的幅広い商品が購入できるが、つみたてNISAで購入できる商品は積立投資に適した投資信託とETFに限られている。実際、2018年1月に金融庁が発表した対象商品によれば、つみたてNISAで扱う金融商品は、投資信託が135本、上場株式投資信託(ETF)は3本のみとなっている。

どれを利用したら良いのか?

前章で紹介したように、iDeCoとNISA、つみたてNISAは、税制優遇が受けられる制度という点では同じだが異なる点も多い。そのため、人によっておすすめできる制度は変わってくる。

重要になるのが、制度を利用し始める年齢である。

人生にはさまざまな費用がかかる。子供の教育費、住宅購入費、老後の生活費といった人生の3大費用である。それに加えて、結婚費用、保険、車の購入、リフォームなど、人生のステージごとに必要なお金がある。

これらの費用を一度にすべて用意するのは不可能だろう。時期が早く訪れるライフイベントを考え、順にクリアしていくという心構えが大切だ。たとえば、老後資金と子供の教育費の2つを比べてみるとわかりやすいだろう。自分たちの老後が心配なので、子供に充分な教育を受けさせられないと考える方はほとんどいないのではないだろうか。

年齢が若いほど、iDeCoよりもNISA、NISAよりもつみたてNISAの利用をおすすめしたい。

iDeCoは60歳まで原則として引き出せないため、用途としては老後資金と、せいぜいリフォーム代ぐらいとなる。あまりiDeCoに資金を回しすぎると、老後は豊かだが、それまでは苦しい生活という人生になりかねない。

また、つみたてNISAの最大非課税枠は800万円だが、NISAの最大600万を超えるには最低15年はかかる。15年投資する時間がない人は、NISAを利用した方が結果として非課税枠を多く利用できるだろう。

うまく併用することも考えよう

今回取り上げている3つの制度のうち、NISAとつみたてNISAはどちらか一方を選ばなければならないが、iDeCoはどちらとも併用できるため、うまく併用していくとさらに税制上の優遇が受けられる。

おすすめしたいのは、20代30代ではまずNISAかつみたてNISAを利用し、徐々にiDeCoの割合を増やしていくという利用の仕方である。

前述したように、2種類のNISAの最大の特徴は、いつでも引き出しが可能なため、あらゆる用途の資金として利用できる点である。その後、教育資金や住宅資金の目処がつき、老後資金の必要性が高まってくる時期に合わせ、iDeCoの利用割合を増やしてみよう。収入が上がっていれば、iDeCoの掛金が非課税になるメリットも大きく享受することができるだろう。

NISA、つみたてNISAに比べ、iDeCoは60歳までは引き出せないことから、用途が限定される。しかし、用途が限定されるからこそ、ほかの制度より大きな優遇を受けられるという言い方もできる。自分が人生のどのステージにいるかを考え、ステージにあった制度と割合を考えてみよう。(提供:確定拠出年金スタートクラブ


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