2018年1月から新たな少額投資非課税制度として始まった「つみたてNISA」だが、現行のNISAとの併用はできない。そのため、現在NISAの口座を利用している人で、つみたてNISAを利用したい場合は口座を切り替える必要がある。本コラムでは、この切り替えの方法と、現在NISAで保有している財産はどのような扱いになるのかを解説する。

切り替えに必要な手続き

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(写真=suksom/Shutterstock.com)

現在一般のNISA口座を保有している人が、同じ金融機関で新たにつみたてNISAを始めたい場合、その年にすでに一般のNISA口座で買付けを行ったかどうかで手続きが異なる。

すでにNISA口座で買付けを行なっている場合、その年の内につみたてNISAを利用することはできない。これは、NISAとつみたてNISAは併用できず、切り替えが1年に1回しかできないことによるためだ。翌年からつみたてNISA口座の利用を希望する場合は、現在の金融機関に「非課税口座異動届出書」を提出しなければならない。

また、一般NISAの口座は持っているが、その年の1月1日以降まだ買付けを行なっていない場合は、その年の内につみたてNISAの利用を開始することができる。手続きとしては、「金融商品取引業者等変更届出書(勘定変更用)」を、現在NISAを利用している金融機関に提出すれば良い。

なお、上記の手続きは、つみたてNISAからNISAに切り替える場合も同様である。

元のNISA口座の資産は?

NISAからつみたてNISAに切り替えするにあたって、最も気になるのが、元のNISA口座の資産がどうなるのかということだろう。結論からいえば、元のNISA口座の資産は、①売却する、②課税口座に移す、③5年間非課税で運用する、の3パターンから選ぶことになる。

まず、売却する方法だが、これは今のNISA口座にある資産を売却して利益を確定させる方法である。100万円を投資して、現在NISA口座にある資産が150万円になっているとしよう。この場合、利益は50万円であり、本来ならその20%の10万円の税金がかかるが、NISA口座で売却した場合は税金がかからず、50万円の利益をそのまま受け取ることができる。

次に、一般口座や特定口座などの課税口座に移す方法がある。NISA口座で投資した100万円が150万円になり、そのお金を課税口座に移した場合、課税口座の運用は150万円から始まる。その後、150万円が200万円に増えた場合、その増えた50万円に20%の税金がかかるということになる。

ここで注意したいのが、NISA口座で損失が出ていても、課税口座に移した場合は損益通算できないことだ。NISA口座で投資した100万円が80万円まで減っていたとしよう。そのタイミングで課税口座に移した場合、課税口座の資産運用は80万円から始まる。たとえば、80万円から元の100万円まで価値が戻った場合は、初めの100万円から利益は出ていないが、課税口座に移した時点からは20万円の利益が出ているため、20万円の20%である4万円の税金がかかることになる。

NISAの非課税期間を利用する

一般のNISAからつみたてNISAに切り替える場合のNISA内の資産の扱いとしてはもう一つ、非課税のまま運用するという方法がある。つまり、つみたてNISAを利用するからといって、現在利用しているNISAの資産を慌てて処分する必要はないということだ。

この非課税で運用できる期間というのは、通常のNISAと同様、購入した年の1月1日から5年間となる。つまり、2017年は一般のNISAで金融商品を買付け、2018年はつみたてNISAで積立を行う場合、2017年にNISAで買付けた金融商品については、2021年12月末までは、その配当金や売買益は非課税となる。

もう一つ、NISAの特徴に、ロールオーバーという制度がある。これは、資産の移管といわれるもので、最大5年間非課税期間を延長できるというものだが、このロールオーバーの条件が、同じ金融機関のNISA口座となっている。

今回紹介したように、NISAからつみたてNISAに切り替えを行う場合、手続きの問題もあるが、現在の資産をどう扱うかということにも注意を払う必要がある。もし、資産を売却や課税口座に移す場合は、その移す時点の価格で非課税期間を終了しなければならない。また、NISAの年間非課税枠の大きさや、後々のロールオーバーのことを考えた場合、つみたてNISAに慌てて切り替えない方が良いということもありうる。自分の投資スタイルにあわせて、うまく2つのNISAを使い分けてほしい。(提供:確定拠出年金スタートクラブ


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