住宅ローンを利用した人の多くが利用する住宅ローン控除であるが、その適用を初めて受けるに場合には確定申告が必要となる。会社員ならば、住宅ローン控除の利用にあたって、初めて確定申告を行うという人も多く、戸惑うポイントであろう。今回は初めて住宅ローン控除を受けるにあたって必要となる書類について整理をしておこう。

住宅ローン控除とは?

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(画像=PIXTA)

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)とは、住宅購入を促す為の施策として定められた税制の特例制度である。

マイホームを購入した場合に利用した住宅ローンについて、その年末残高の一定割合に相当する金額を、所得税や住民税から控除するというものである。新たに適用を申請する場合、10年間、年末時点の住宅ローン残高の1%が控除される事となる。尚、各年の控除限度額は40万円(認定長期優良等の場合は50万円)となっている。

住宅ローン控除には、所得税等から最大で40万円も控除されるという大きなメリットがある。住宅ローン利用者は積極的に活用すべき制度であると言える。マイホームの購入に係る住宅ローンに限定される点や所得が3000万円以下である点、10年以上の住宅ローンのみに適用される点等の注意点はあるものの、対象となる場合には、積極的に活用したい制度であろう。

住宅ローン控除の適用申請には確定申告が必須

住宅ローン控除の適用を初めて受ける場合には、確定申告が必要となる。会社員の場合には、住宅ローン控除の適用を受けるにあたり、初めて確定申告を行うという人もいるだろう。住宅ローン控除において最も戸惑うポイントであるが、手続き自体はそう難しいものでは無い。

次に、初めて住宅ローン控除の適用を受ける為に必要となる書類をまとめるので、準備をしておきたい。尚、適用初年度と2年目以降で必要書類は異なる上、会社員の場合、2年目以降は年末調整で手続きを行う事が可能となる。

必要書類(1) 確定申告書

まず必要となる書類は、確定申告の基礎となる「確定申告書」である。「確定申告書」にはAとBの2種類があるが、どのように異なるのだろうか。

「確定申告書A」は基本的に会社員の確定申告に用いられる物である。申告する所得が給与所得、公的年金等の雑所得、配当所得、一時所得のみであり、予定納税も行っていない場合に利用可能である。「確定申告書B」と比較すると、簡易に申告を行う事が可能である。

「確定申告書B」は全ての所得に対して利用出来る確定申告書である。事業所得のある個人事業主や、不動産所得や譲渡所得がある場合には、こちらを利用する事となる。また、予定納税を行っている場合にも、こちらの申告書を利用する必要がある。

「確定申告書」であるが、一般的には最寄りの税務署で入手する事となる。税務署へ直接出向く以外にも、郵送や国税庁のホームページでからのダウンロードも可能である。また、国税庁の「e-Tax」を利用する事で、ネット上での作成を行う事も出来る。

必要書類(2) 源泉徴収票

会社員の場合には、申告する年の「源泉徴収票」も提出が必要だ。所得金額の証明に加え、源泉徴収された所得税額等を把握する上でも重要となる。

「源泉徴収票」は勤務先から12月末から翌年1月あたりで勤務先から発行される。確定申告を行うにあたって、非常に重要な書類となるので、大切に保管したい。万が一紛失してしまった場合には、勤務先に再発行を依頼する必要がある。

必要書類(3) マイナンバーが分かる書類のコピー

確定申告にあたっては、「マイナンバー書類のコピー」も必要となる。「個人番号カード(マイナンバーカード)」がある場合には、表裏両面のコピーを提出する。「通知カード」の場合には、「通知カード」のコピーに加え、運転免許証やパスポート等の本人確認書類のコピーも併せて提出する必要がある。

マイナンバー制度の導入により、2016年分の申告から「住民票の写し」の提出が原則不要となっている事も覚えておきたい。尚、「個人番号カード」や「通知カード」の代わりとして、マイナンバーの記載された住民票と運転免許証やパスポート等の本人確認書類のコピーを利用する事も可能である。

必要書類(4) (特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書

さて、ここまでの必要書類㈰〜㈫は確定申告において必要な基本的な書類である。ここからは、住宅ローン控除を受ける為に必要な書類となるので、確定申告に慣れた人であっても、住宅ローン控除の適用を初めて受ける場合には、確認しておきたい。

「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」は住宅ローンの適用を受ける為の申請書とも言える重要な書類である。売買契約書や登記事項証明書等を元に、必要事項を記入し、控除額を計算する必要がある。尚、住宅ローンが夫婦での連帯債務となっている場合等には、「連帯債務がある場合の住宅借入金等の年末残高の計算明細書」の提出も必要だ。

「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」や「連帯債務がある場合の住宅借入金等の年末残高の計算明細書」は、「確定申告書」と同様に、最寄りの税務署で入手する他、郵送や国税庁のホームページでからのダウンロードでも入手可能である。また、国税庁の「e-Tax」を利用して、ネット上での作成を行う事も出来る。

必要書類(5) 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書

「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」は住宅ローン控除における控除額の計算根拠となり、住宅ローン借入金融機関から発行される、年末時点での住宅ローン残高を証明する書類である。

一般的には、毎年11〜12月頃に、金融機関から送付される。年末時点でも手元に届いていない場合には、金融機関へ問い合わせし、発行を依頼する必要がある。尚、住宅ローンを2カ所以上の金融機関から借り入れている場合には、全ての証明書が必要となる。

必要書類(6) 家屋・敷地の登記事項証明書

住宅ローン控除の適用を受けるにあたっては、その土地や建物の登記情報を証明する「登記事項証明書」も必要となる。借入金の使途が建物の取得のみである場合には、「家屋の登記事項証明書」、土地の取得も含んでいる場合には、「敷地も含めた登記事項証明書」が必要だ。

「登記事項証明書」は居住地を管轄する各地の法務局で入手する事となる。直接出向いて発行を依頼する他、郵送やインターネットでの交付請求を行う事も出来る。

必要書類(7) 家屋・敷地の売買契約書、請負契約書の写し

土地や住宅の取得について、その契約内容を確認する為に、「売買契約書」や「請負契約書」の写しも必要となる。土地の売買や建売住宅の購入を行った場合には、「売買契約書」、注文住宅の建設を行った場合には、「請負契約書」の写しを提出する必要がある。取得価格やその事実の確認の確認に用いられる。

各契約書は契約者自身が保有している為、所在を確認しておきたい。万が一、紛失した場合には、契約の相手方となる不動産会社等に依頼をし、コピーを取らせてもらう必要がある。

必要書類(8) 特例要件を証明する為の書類

必要書類(1)〜(3)は確定申告における基本的な必要書類であり、必要書類(4)〜(7)は住宅ローン控除の適用を受ける為の一般的な必要書類である。住宅ローン控除では、他に特例要件に基づく申請を行う事で、控除額の増額や、築年数の古い中古住宅の認定が行われるケースもある。これら特例要件に基づく申請の際に必要な書類を簡単にまとめてみよう。

まずは、認定長期優良住宅や低炭素建築物としての特例を受けるケースである。これらの場合では、認定長期優良住宅や低炭素建築物としての「認定通知書」、「住宅用家屋証明書」、「建築証明書」のいずれかを提出する必要がある。「認定通知書」や「住宅用家屋証明書」は引渡し時に交付される他、「住宅用家屋証明書」については、市区町村役場での再交付も可能である。「建築証明書」については、建築士や国土交通省の指定検査機関等が発行を行う。

次に、中古住宅の取得に伴い、築20年以上の非耐火建築物や築25年以上の耐火建築物を住宅ローン控除の対象として申請する場合である。このケースでは、「耐震基準適合証明書」、「建築住宅性能評価書の写し」、「既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約に係る付保証明書」のいずれかの提出が必要だ。それぞれ、国土交通省の指定機関による作成が必要である上、引渡日の前2年以内の日付の物のみ有効となる為、売買前に確認しておきたい。また、それぞれの発行には費用が掛かる点にも注意が必要だ。

また、2014年4月以降に購入した中古住宅において、居住日までに耐震改修を行った場合にも、住宅ローン控除の対象となる。その場合においては、「建築物の耐震改修計画の認定申請書の写し」、「耐震基準適合証明書」、「建設住宅性能評価申請書の写し」、「既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約の申込書の写し」、「請負契約書の写し」等の書類が必要となる。

2年目以降の必要書類は?(会社員の場合)

さて、これまでは初めて住宅ローン控除の適用を申請する場合の必要書類について説明を行ってきた。2年目以降の申請手続きには何が必要となるのだろうか。住宅ローン控除は2年目以降の申告は初年度と比べ、非常に簡単になる。会社員であれば、年末調整を行うだけで良い。

必要書類は、税務署から送付される「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」・「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」と住宅ローン借入金融機関から送付される「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」である。

「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」・「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」であるが、確定申告を行った年の10月頃に税務署から送られてくる事となる。この書類は、以後9年分がまとめて送られてくる為、毎年この書類を提出していく事となる。万が一、紛失してしまった場合には、税務署へ再発行を依頼する必要がある。

「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」については、初年度にも提出しているが、申告対象年の年末残高が記載された書類を提出しなければならない。

これらの書類を年末調整の段階で勤務先へ提出すれば、手続きは完了となる。初年度と比べ、必要書類が格段と少なくなる。

2年目以降の必要書類は?(個人事業主などの場合)

さて、個人事業主等、年末調整が行われない場合には、2年目以降の手続きにおいても確定申告が必要となる。但し、会社員の場合と同様、必要書類は大幅に少なくなる。

そもそもの確定申告に必要な書類以外に、「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」と申告対象年の年末残高が記載された「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」の2点が必要となる。共に、初年度も提出した資料であり、入手方法等は割愛する。こちらも初年度と比べれば、必要書類の数は少なくて済む事となる。

余裕を持って書類の準備を

初めての住宅ローン控除には確定申告が必要となり、わずらわしさを感じる人も多いだろう。ただ、住宅ローン控除は控除額も大きく、積極的に活用したい制度である。初年度は必要書類が多いものの、2年目以降は手続きも簡素化される為、多少のわずらわしさには目を瞑って、手続きを行っておきたい。

住宅ローン控除の必要書類の入手先はそれぞれ異なる上、発行手続きに時間を要する可能性もある。確定申告には期限が設けられている上、申告に慣れていない場合には、税務署等への確認を行う時間も見込んでおきたい。自身の必要書類を把握した上で、余裕を持った準備を心掛けたい。(ZUU online編集部)