資産10億ドルを超えるビリオネア全員が、裕福な家庭に生まれたわけではない。例え経済的に不自由のない家庭で育ったビル・ゲイツ氏のような人物でも、下積み時代を通して巨額の富を築いている。

6歳から商売を営んでいたウォーレン・バフェット氏、12歳でHP(ヒューレット・パッカード・エンタープライズ)の共同設立者に直接アプローチして職を得たスティーブ・ジョブズ氏、学生時代はマクドナルドでハンバーグを焼いていたAmazonのベゾスCEOなど、世界の大富豪8人の初仕事を紹介しよう。

1.ジェフ・ベゾス——マクドナルドの調理係(1980年代)

純資産1120億ドル、「世界一裕福な人物」のベソス氏が学生時代に初めて挑戦したバイトは、マクドナルドの調理係だった。ハンバーグをひたすら焼く係で、レジは担当したことがなかったそうだ。

バイトを始めた週に、壁に設置された20リットル入りのケチャップ・ディスペンサーから莫大な量のケチャップが漏れ出し、新人だったベゾス氏が掃除を押し付けられたというエピソードがある。しかもただ漏れただけではなく、「ケチャップは想像し得る、あらゆる掃除しにくい場所に流れ出していた」とうから、かなりの苦い思い出になったようだ(ビジネス・インサイダー2012年6月23日付記事 )。

求人サイトIndeedのデータによると、ニューヨークのマクドナルドの調理係の現在(2018年3月9日)の時給は8.47ドルだ。

2.ビル・ゲイツ——コンピューター・プログラマー(17歳)

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(画像= lev radin/shutterstock.com)

裕福な家庭に生まれ、私立学校に通っていたゲイツ氏。13歳の時、母校にテレタイプ端末が導入されたのを機に、コンピューターへの関心を強めていった。高校時代(17歳)の時にすでにコンピューター・プログラマーとして、ミシガン州の自動車部品企業TRWオートモーティブ・ホールディングス(現在のZF TRW)で仕事をしていたというから驚きだ。

3.ウォーレン・バフェット——ガムとコカ・コーラの販売(6歳)

バフェット氏というと、「13歳の時に新聞配達をしていた」というエピソードが有名だが、実はわずか6歳でガムとコカ・コーラを近所の人々に売って小遣いを稼いだのが、世界で3番目に裕福な大富豪のキャリアの始まりだった。

スペアミント味、フルーツ味、ダブルミント味を5個1セットで販売し、夏の間は粗利益がもっと高いコカ・コーラを「家族との休暇旅行中でも売っていた」(CNBC2017年1月31日付記事)。

15歳になる頃には新聞配達だけで2000ドルを貯蓄し、そのうちの1200ドルで投資を始めた。

4.スティーブ・ジョブズ——HPの周波数カウンター組み立て(12歳)

12歳の時、周波数カウンターを組み立てようと思い立ったジョブズ氏だが、必要な部品がないことに気付いた。そこでHPの共同設立者ウィリアム・ヒューレット氏の電話番号を電話帳で調べ出し、部品を分けてもらえないかと電話で依頼した。

ヒューレット氏はジョブズ氏を気に入り、部品を無料でくれただけではなく、夏休み中に周波数カウンターを組み立てるバイトの職をあたえてくれた(NextShark2015年7月15日付記事) 。

5.マーク・キューバン——ゴミ袋の訪問販売(12歳)

後にYahooに売却されたBroadcast.comの設立者、NBAのダラス・マーベリックスのオーナーとして知られるビリオネア実業家のキューバン氏。12歳の時にバスケット・シューズ代を貯めるために始めたバイトは、家から家へゴミ袋を売り歩く訪問販売だった。

キューバン氏いわく「12歳の子どもを、いらないよ、と追い払える人はいない」。大人の良心の呵責をついた、巧妙なビジネス戦略だったようだ(CNBC2017年7月24日付記事)。

6.ジョージ・ルーカス——米軍のカメラマン助手(大学時代)

元々はカーレーサーになるのが夢だったという映画界の巨匠ルーカス氏だが、高校卒業直前に自動車事故を起こし、恐怖心からレーサーになる夢をあきらめた。その後大学でカメラへの情熱が芽生え、米軍でカメラマン助手のバイトを始める。

友人のアドバイスで国内最古の映画学校、南カリフォルニア大学映画芸術学部に転入し、そこで初の自作短編映画「Electronic Labyrinth: THX 1138 4EB」を製作した。この作品がフランス・コッポラ監督の目に止まり、アプレンティス(徒弟訓練)に就くこととなった(Investopedia、 Biography.com より)。

7.マイケル・ブルームバーグ——駐車監視員(大学時代)

ハーバード、ジョンズ・ホプキンズと2校の大学に通ったブルームバーグ氏の学生時代の定番バイトは駐車監視員だった。「典型的な中流所得家庭で育ったため、学費を自分で払うため」にバイトしていたそうだ(ビジネス・インサイダー2013年12月17日付記事)。

Indeedのデータによると、現在の駐車監視員の時給はワシントンDCで12.50ドル。 勤務時間も1日数時間と短く、学生には割のいいバイトかも知れない。

8.チャールズ・シュワブ——自ら拾ったナッツの販売(推定〜12歳)

チャールズ・シュワブを時価総額752億ドル(ブルームバーグ2018年3月9日データ)の証券大手に成長させたシュワブ氏の初仕事は、ナッツの販売。森林からナッツ(木の実)を拾い、一袋(4.5キロ)5ドルで売っていた。この時学んだ「黒いナッツは3ドルでしか売れないので拾わない」という事実が、生涯の哲学になったという。

後に自分で育てたにわとりの卵を売るなど、身近なものから利益を生みだすビジネスセンスを習得する。ナッツ売りの年齢は不明だが、12歳の時に卵を売り、14歳でゴルフのキャディーのバイトをしていたそうなので、それ以前ということになる(The Bulletin1985年2月24日付記事 )。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)