「ビジネスに最適な国ランキング」 の2018年版をフォーブス誌が発表し、日本は153カ国・地域中21位になった。

首位には英国が5位から浮上。オランダ、カナダが大きく順位を上げる一方で、香港や北欧諸国が後退した。ニュージーランドは2位を維持。

最新版では「労働力」「インフラ」「市場規模」「生活の質」「政治的リスク」を評価基準に、「個人の自由」「財産権」「税負担」など10種類のカテゴリーに細分化。資本投資という観点から各国・地域の魅力を順位付けしている。

国際連合や世界銀行、世界経済フォーラムのほか、米NGOフリーダム・ハウス、米シンクタンクのヘリテージ財団などのデータが用いられた。

ビジネスに最適な30カ国・地域

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(画像=Zoltan Gabor/Shutterstock.com)

30位 リトアニア
29位 イタリア
28位 チェコ共和国
27位 エストニア
26位 アイスランド
25位 ルクセンブルグ
24位 ポルトガル
23位 イスラエル
22位 フランス
21位 日本

20位 スペイン
19位 韓国
18位 オーストリア
17位 ベルギー
16位 台湾
15位 ノルウェー 14位 フィンランド
13位 ドイツ
12位 米国
11位 オーストリア

10位 スイス
9位 シンガポール
8位 アイルランド
7位 デンマーク
6位 香港
5位 カナダ
4位 スウェーデン
3位 オランダ
2位 ニュージーランド
1位 英国

日本の「官僚主義」はビジネスの発展に不利?

日本は「個人の自由(1位)」「財産権(8位)」「イノベーション(8位)」が高評価を受けたが、「官僚主義(91位)」「貿易の自由(63位)」「税負担(61位)」「投資家保護(60位)」が、ビジネスにとって不利な環境を生みだしている。「金融の自由(43位)」もそれほど進んでおらず、「腐敗(20位)」「テクノロジー(15位)」の強みを生かし切れていない。

他のアジア国・地域と比べてみると、アジア圏トップの香港 は「個人の自由(1位)」だけではなく、「官僚主義(3位)」「税負担(3位)」「投資家保護(9位)」などでも、安心して投資が出来る環境作りに積極的だ。シンガポールも同様、「貿易の自由(1位)」投資家保護(4位)」「官僚主義(6位)」「税負担(7位)」「腐敗(7位)」「イノベーション(9位)と、投資家を魅了する環境が整っている。ただしシンガポールは「個人の自由(92位)」の評価が極めて低く、改善が必須となりそうだ。

台湾は日本、香港と同じく「個人の自由(1位)」は文句なしだが、「貿易の自由(45位)」「税負担(52位)」が足かせに。韓国の最大の強みは「官僚主義(9位)」は「テクノロジー(18位)」。「貿易の自由(79位)」「腐敗(45位)」はトップ20入りしたアジア国・地域の中でも最低水準だ。「個人の自由(43位)」も評価が低い。

予想外の1位?英国は不屈の金融セクターと法人税引き下げに期待

意外なことに、1位にはBrexitのネガティブな影響が懸念される英国が選ばれた。2018年3月19日、EU離脱後の移行期間中(2020年12月20日まで)の条件に関する合意が発表されたばかりだが、未解決の北アイルランド問題を含め不透明さは残る。英国側は最終的な離脱協定についても楽観的な見解を示しているが、EU側は「署名されるまでは確定していない」とくぎを刺している(ブルームバーグ2018年3月19日付記事 )。

これまでのところ、英国の経済は予想よりも好調だとされており、2016年GDP成長率は1.8%と日本より0.8ポイント、米国より0.3ポイント高い。しかしこのデータが国民投票の年のものだと考えると、このまま受け止めるのはどうかと思われる。

例えばこのデータではインフラが0.6%だが、Trading Economicsのデータ によると2017年11月には3.1%に達し、現在は3.0%前後を維持している。国際通貨基金は2018年1月の予想 で、英国のGDP成長率が2018、19年は1.5%に留まるとしている。

しかし英国には不屈の金融セクターに加え、法人税の引き下げが2020年に予定されている。2018年に入り、バンク・オブ・アメリカがロンドン本社の契約を2032年まで延長したほか、ウェルズ・ファーゴが4億ドルを投じてEU本社をロンドンに購入するなど、希望を持てる要素も少なくない。

ランキングで評価が高い項目は「個人の自由(1位)」「テクノロジー(4位)」「投資家保護(10位)」「腐敗(10位)」だ。

5項目でトップ10入りのオランダ、弱点は「投資家保護」

好調だった北欧諸国に代わり、5つランクアップで頭角を現したのはオランダだ 。オランダは「個人の自由(1位)」「テクノロジー(3位)」「イノベーション(6位)」「腐敗(8位)」「財産権(9位)と5項目でトップ10入りしている。「税負担(20位)」も軽いほうだが、唯一の難点は「投資家保護(60位)」のようだ。

カナダは「個人の自由(1位)」「官僚主義(2位)」「貿易の自由(7位)」「投資家保護(8位)」「腐敗(9位)」と、ゆったりとしたビジネス環境が魅力。

米国は2017 年の23位から大幅にランクアップしたものの、首位だった2006年の勢いはみられない。「個人の自由(1位)」「イノベーション(2位)」「テクノロジー(6位)」以外の評価は今ひとつ。「投資家保護(40位)」「金融の自由(60位)」も低い。

ワースト10はチャド、ガンビア、ハイチ、アフガニスタン、リビア、イエメン、ギニア、ブルンジ、ジンバブエ、ベネズエラという結果だ。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)