世界最大のビジネスSNS「LinkedIn」が「働きたい企業ランキング」を発表し、Amazon、Alphabet、Facebookがトップ3に輝いた。Oracleが15ランクアップでトップ10入りを果たしたほか、AdobeやDeloitteが大きく順位を上げた。またSamsung、EY、LVMH、Spotifyなど9社が初登場。

米企業はトップ10を独占しただけではなく、トップ30に16社がランクイン。英国からプライスウォーターハウスクーパース(PwC)、韓国からSamsung、フランスからLVMH、スウェーデンからSpotifyが選ばれた。

ランキングはLinkedInのユーザー5450万人(うち1450万人が米国在住)が就職・転職を目的にとった活動から、「従業員への関心(外部ユーザーによる従業員へのコンタクト件数)」「企業との関わり合い(専門家による新規フォロー数やアクセス数)」「従業員の定着数(少なくとも1年勤務を継続しているか)」「仕事の需要」という4つの指標に基づいて評価したもの。

LinkedInユーザーが働きたい30社

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(画像=bleakstar/Shutterstock)

30位(2017年順位23位 ) Stryker(米国) 3.3万件
29位(初登場) EY(米国) 25万件
28位(33位) Morgan Stanley米国) 5.8万件
27位(初登場) Live Nation(米国)
26位(初登場) Boston Consulting Group(米国)
25位(初登場) PwC(英国)
24位(初登場) Goldman Sachs(米国)
23位(29位) Verizon Communications(米国)
22位(36位) Deloitte(米国)
21位(初登場) Samsung(韓国)

20位(初登場) IBM(米国)
19位(初登場) LVMH Moet Hennessy Louis Vuitton(フランス)
18位(20位) JP Morgan Chase(米国)
17位(14位) Dell Technologies(米国)
16位(8位) Time Warner(米国)
15位(11位) Airbnb(米国)
14位(24位) Adobe(米国)
13位(13位) McKinsey and Company(米国)
12位(5位) Uber(米国)
11位(初登場) Spotify(スウェーデン)

10位(12位) Netflix(米国)
9位(26位) Oracle(米国)
8位(9位) Walt Disney Company(米国)
7位(10位) Comcast NBC Universal(米国)
6位(7位) Apple(米国)
5位(6位) Tesla(米国)
4位(4位) Salesforce(米国)
3位(3位) Facebook(米国)
2位(1位) Alphabet(米国)
1位(2位) Amazon(米国)

事業多角化で雇用希望者を魅了するAmazon、Oracleは「自律型データベース」に期待?

首位はAlpahbetに代わりAmazonが獲得。Tesla、Apple、Comcast NBC Universal、Walt Disney Company、JP Morgan Chase、Verizon Communicationsなどが少し順位を上げた一方で、UberやAirbnb、Time Warner 、Dell Technologies、Strykerなどは順位を下げた。

トップ30で目立って順位を上げたのはOracleで、AdobeやDeloitteへの関心も高まっている。またSpotifyは初登場にも関わらず11位。LVMHやIBMがそれを追うという結果になった。

Amazonの強みは何と言っても精力的な事業の多角化にあるだろう。オンラインでありとあらゆる商品を販売し、動画配信やクラウドサービス、果ては2017年のWhole Foods買収まで、今後のさらなる成長を期待させる要素に溢れている。雇用希望者が急増しても不思議ではない。

Oracleも第2四半期の決算報告では、クラウドサービスの売上高が15.2億ドル(前年同期比44%増)。アナリストの予想を3000万ドル下回る結果ではあったものの、2017年10月の年次カンファレンスで発表した「自律型データベース」への期待が高まっている。(ブルームバーグ2017年12月14日付記事) 。

8割以上の就職・転職希望者「所得・福利厚生・報酬」を求めている?

LinkedInいわく、就職・転職希望者が企業に求めるものは、「社会に与える影響力」と「成長」の機会だという。上位の企業はそうした需要を満たしているということになる。

また多様化への積極性も重視されている。例えばOracleは科学・技術・工学・数学分野を中心とするSTEM教育の施設を無料で提供しているほか、44位の米インターネット企業Boxは、学歴よりも技術を優先させる採用方針を導入している。

従業員向けの福利厚生サービスを立ち上げたバークシャー・ハサウェイ、Amazon、JPモルガンが示すように、医療・保険制度の充実も、優秀な人材を魅了する材料となる。

所得も企業を選ぶ重要な指標となる。米統計サイト「statista」 の調査によると、就職・転職希望者は仕事を選ぶ理由として「所得・福利厚生・報酬(84%)」「ワーク・ライフ・バランス(64%)」「昇進の機会(62%)」「訓練・開発プログラム(58%)」「知識の豊富な職場仲間と働く機会(46%)」「労働条件で融通がきく(42%)」などを挙げている。「社風・評判・職場環境(各34%)」は、二の次三の次—ということだろうか。

注目集めるIT、医療分野 ほかのランキングでも上位独占

ランキング上位にはIT企業や医療関連企業が多数選ばれている。今後さらなる成長が期待されている上に、所得面や仕事のやり甲斐でも満足度が高い。

企業評価サイト「Glassdoor」が所得・雇用件数・仕事のやり甲斐に基づいて作成した「ベストジョブ・ランキング」 でも、データ科学者、開発エンジニア、マーケテイング・マネージャー、作業療法士、電気技師、モバイル開発者など、トップ50のうち20社がIT関連だった(Time誌2018年1月24日付記事)。

またUSNEWSが2018年1月に発表した同様のランキングでは、歯科医、医師助手、実地看護士、歯列矯正医、小児科医など医療分野の職業が肩を並べた。デジタル社会、高齢化社会の需要に見合った風潮といえる。

2017年にトップ30入りしていた米スポーツ用品メーカーUnder Armour、米人事・財務クラウドソリューションのWorkday、Twitterなどは圏外となった。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)