「従業員が選ぶ働きやすい企業ランキング」の2018年版が発表され、Facebook、Bain&Company、Boston Consulting Groupがトップ3に選ばれた。首位が入れ替わった他、lululemonやKeller Williams、E.&J.Gallo Winerが大きくランクアップした。その一方で、GoogleやNestle Purina、Fast Enterprises、Intuitなどが順位を落とした。

ランキングは米キャリア情報サイト、Glassdoorが2016年11月1日~2017年10月22日の期間、同サイトの登録者から寄せられた評価を基に、米国を拠点とする従業員数1000人以上の企業を順位付けしたもの。従業員の目から見た各企業の長所・短所や、CEOに対する評価の他、キャリアの展望、報酬、福利厚生、企業文化、企業価値、経営陣の指導力、ワークライフ・バランスといった、働く上で重要な要素を評価している。

働きやすい労働環境を提供している30社

企業,職場,キャリア
(画像=Ivanko80/shutterstock.com)

30位(2017年20位)Intuit
29位(14位) Paylocity
28位(初登場)Blizzard Entertainment
27位(13位) Nestle Purina
26位(初登場)AvalonBay Communities
25位(6位)  Fast Enterprises
24位(30位) NVIDIA
23位(28位) Southwest Airlines
22位(23位) DocuSign
21位(8位)  LinkedIn

20位(27位) HEB
19位(19位) The Church of Jesus Christ of Latter-day Saints
18位(初登場)Academy Mortgage
17位(21位) Delta Air Lines
16位(10位) Power Home Remodeling
15位(17位) Salesforce
14位(47位) E. & J. Gallo Winery
13位(31位) Keller Williams
12位(11位) McKinsey & Company
11位(15位) SAP

10位(初登場)Ultimate Software
9位(初登場) St. Jude Children's Research Hospital
8位(5位)  World Wide Technology
7位(前回圏外)HubSpot
6位(38位) lululemon
5位(4位) Google
4位(7位) In-N-Out Burger
3位(3位) Boston Consulting Group
2位(1位) Bain & Company
1位(2位) Facebook

FacebookがBain&Companyから首位略奪 利益追求に対する非難の声も

5年ぶりの1位に輝いたのはFacebook。2015年は13位、2016年は5位、2017年は2位と、着実に順位を上げた。2011年にも首位に選ばれたことがある。

世界中で1万人を超える従業員を雇っているが、エンジニア陣の技術の高さが評価されているだけではなく、ワークライフ・バランス、社内での食べ物・飲み物の無料提供、さらには住居地区「Willow Campus」の開発まで、従業員が喜ぶ労働環境作りに熱心だ。

「Willow Campus」はカリフォルニアの本社を拡大し、食料品店や小売店、薬局、オフィス施設、住宅1500戸を含む「複合村」を建設するというプロジェクトで、従業員を含む全ての入居希望者に開放される予定だ(フォーチュン2017年7月7日付記事) 。

マーク・ザッカーバーグCEOは、同じくGlassdoorの「従業員が選ぶCEOランキング2017」 でも98%の従業員から支持を受け、10位に選ばれている。

しかし一部ではワークライフ・バランスの悪さに対する不満の声が挙がっている他、「利益と名声だけが全てではない」という、従業員からマネージメントへの手厳しい指摘もある。

カナダ発のアパレルメーカーlululemonなどが大幅ランクアップ

大幅にランクアップしたのはカナダ発のアパレルメーカーlululemon、大手不動産企業Keller Williams、ワイン業者E.& J.Gallo Winer など。lululemonは32、Keller Williamsは18、E.& J.Gallo Winerは33も順位を上げた。

lululemonはカナダ、米国、オーストラリア、香港などにも進出しており、「沢山の人々に出会えるリラックスした職場環境」だが、「昇進の機会がない」のが欠点。Keller Williamsは「業績次第で高所得が狙えるが、業績が悪ければ最初の年は経済的に苦しむ」。E.&J. Gallo Winerは「無料の昼食や旅行の機会が沢山ある」が、「長期勤務者の方が昇進しやすい」「成長するためのサポートが少なく、有意義な目標が見えない」という。

3社いずれも総合評価が5ポイント満点中4ポイントを上回っており、各企業を評価した従業員の80%以上 が「(働きやすい職場として)友人に薦める」と答えている。

「労働時間が長い職場」では働きたくないのが従業員の本音?

Bain&CompanyやGoogleは1ランクダウン。Bain&Companyは「リサーチの機会に恵まれている」が「労働時間が長く、疲れる」、Googleは「給与が高く、従業員の健康を気遣ってくれる」反面、「仕事の進行が遅く、退屈なプロジェクトもある」など、長所も短所もある。Googleは2015年、Bain&Companyは2012年、2014年、2017年と過去3回首位を獲得したことがある。

Nestle Purinaは14 、Fast Enterprisesは19、Intuitは10も順位を落としている。Nestle Purinaは「向上意欲溢れる職場環境」ではあるが「優先事項が多く、市場で出遅れている感が否めない」、Fast Enterprisesは「福利厚生は素晴らしいが、労働時間が長い」、Intuitは「配属される部門次第で、ワークライフ・バランスがとりにくい」との指摘もある。

2018年、新たにトップ30入りした4社

2017年はトップ50入りしていないかった企業で、今回トップ30入りを果たしたのはマーケティング及びセールス用統合ソフトウェア企業HubSpot、人事関連ソフトウェア企業Ultimate Software、住宅ローンサービスのAcademy Mortgage、Blizzard Entertainment。

HubSpotのブライアン・ハリガンCEOは「従業員が選ぶCEOランキング2017」で9位に選ばれており、「透明性が高く、成長に情熱的な企業」と高評価を受けている。Ultimate Softwareは「素晴らしい職場仲間がサポートしてくれるが、仕事は厳しい」、Academy Mortgageは「上層部が下の者の意見にしっかり耳を傾けてくれる」、Blizzard Entertainmentは「仕事がとても楽しい環境」だが、「給与がもう少し高ければ言うことなし」との評価だ。

各評価は個人的見解に基づくものだが、総体的にワークライフ・バランスがとりやすく、組織のサポート体制が整っている企業が高評価を受けている。ワークライフ・バランスがとりにくく労働時間が長い、職場環境が良くない企業への評価が低い。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)