上司と部下の信頼関係といっても、結局は人間関係に尽きるでしょう。部下を信頼すれば、上司も信頼されます。大切なことは、上司として信頼されたいのであれば、部下への信頼を言動で示すことです。「言葉にしなくても理解してもらえる」ということは思い込みに過ぎません。夫婦や恋愛と同じで、信頼している気持ちを伝えることが、上司と部下の信頼を築き、持続させるのです。上司と部下の信頼関係は人間同士の力学ともいえます。この記事では、信頼が信頼を生む方法について考えていきましょう。

信頼が信頼を生む人間の力学

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(写真=fizkes/Shutterstock.com)

組織マネジメントで重要とされている従業員エンゲージメントを高めるには、部下は上司から信頼されていると実感できることが大切です。そうでないと部下の意欲や行動は低下し、企業の生産性や業績は悪化します。部下への信頼に上司が心を配り、一貫性のある言動で伝えることが必要です。「上司が部下を信頼すると、その対価として部下の信頼を得る」と言えるのです。

上司と部下の信頼感に溝があれば、悪い連鎖反応を起こします。信頼されていないと分かった部下ほど意欲は低迷し、離職する傾向も強いといわれています。一方、上司に信頼されていると感じる部下は意欲的に働き、期待以上の業績や貢献を成し遂げることがあります。会社や上司が自分を信じて、任せてくれていると実感できる部下は、上司や企業への信頼も厚く、より高い目標や成果を目指すことが期待できるのです。

結局、信頼が信頼を生むものなのです。人間関係では、信頼されたら相手を信頼するという傾向があります。その信頼に報いるには部下は信頼されていると実感できることが大切で、言動で伝える努力が大事だといえるでしょう。

上司が部下への信頼を示す4つの方法

それでは次に上司が部下への信頼を示す方法について説明をしましょう。それには4つの方法があります。

● 実態を把握
信頼の姿は、会社の方針や統制などを把握することでほぼ実態が見えてきます。「上司が部下の直面しているリスクや問題を把握しているかどうか」「上司が会社や自分の立場を守る姿勢かどうか」など部下は見抜いているでしょう。部下の能力を信じて権限を与え、健康に気を配るなど、日常的な言動に注意してこそ部下の信頼は得られるものです。

● 情報を共有
上司がリスクを背負う点で重要なことは、率直に部下とコミュニケーションすることです。情報の透明化が困難な状況でも可能な限り部下を信頼し、事実を明示することがメッセージとなります。意見の衝突や批判、事前の漏えいなどを恐れていても信頼は生まれません。

● 権限を付与
相互信頼には、上司側の言動にイニシアティブがあります。部下との信頼関係を築くには、厳しくも思いやりを持って伝えることが大事なのです。部下の業務に目を配り、徐々に権限も与えることで信頼を得ます。そこでは部下を非難するより、ミスを許して次へのステップとするべきです。

● 部下の能力を開発
部下が持つ能力やスキルを支え、開発する考えを伝えると、信頼感は伝わります。部下の目標を理解し、到達できるサポートが必要です。上司の成功は、部下たちを育成した成功ともいえるのです。

上司が部下の信頼を失う2つのケース

一方、上司が部下の信頼を失うケースも考えられます。ここでは2つのケースについて説明します。

● リスク回避
経営方針や組織の風土、構造などから、企業はリスクを最小限に抑え、生産性を向上させるシステムを重視する傾向です。情報の制限や規制だらけの企業風土は社員の自律を抑え込みます。リスクを恐れ嫌う組織は、部下を信頼していないという疑念を持たれてしまう可能性があるでしょう。構造的にリスクを回避する傾向が強い組織では、上司が部下の自主的な行動をサポートしても光が当たらないことも多く、部下に不信感が募る傾向です。たとえ最終決定が企業の方針であったとしても、部下の信頼の低下につながります。

● 利益至上主義
上司は目標の達成やコスト管理で経営上のプレッシャーを受けることも多々あります。そうなると、意図せずに部下の信頼を損なう可能性もあります。プレッシャーが大きいと上司の多くは自己保身に傾き、部下への締め付けを強化するものです。目標達成を重視すると、部下の自主的な判断や権限などを犠牲にして、より利益至上主義を優先し、部下の信頼を失います。

相互信頼はコミュニケーションから

上司は往々にして、自らの言動が部下の信頼を損ねていることを明確には認識していません。「自分は部下を信頼しているのだから、部下に伝わっている」と思い込んでいる傾向です。定期的な業務の進捗状況を確認したり、サポートしたりすることも、部下にとっては逆に不信感を抱くケースすらあります。部下が「自分の業務は達成できていない」と上司が受け取っているような勘違いをされるおそれさえあるのです。

上司と部下が強い相互信頼を構築するには、やはり日常的に地道なコミュニケーションが欠かせないでしょう。(提供:あしたの履歴書online


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