日本経済のけん引役とも言える中堅上場企業の中には、2017年後半に急上昇した日経平均株価と呼応するように業績を伸ばし、その成長ぶりに目を見張る会社がいくつもあります。彼らはビジネスの舞台を海外へ広げ、収益を伸ばすことに成功している様子です。その成功の裏側にあるものはどのようなことなのでしょうか?

世界へ進出して売上を伸ばしている企業

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(画像=Zynatis/Shutterstock.com)

売上高が伸びている期待の中堅上場企業1,000社「NEXT1000」のうち、5年前と比較して海外売上高を伸ばしている企業はどれくらいあるのでしょうか。日本経済新聞社(2017年11月21日)によれば、その上位5社は、以下の通りです。

1位 ダブル・スコープ(6619)<電気機器>
2位 ペプチドリーム(4587)<医薬品>
3位 ケル(6919)<電気機器>
4位 ウルトラファブリックス・ホールディングス(4235)<化学>
5位 メック(4971)<化学>

1位になったダブル・スコープ(6619)は、5年前と比べて海外売上高が53億4,600万円も増加。続く2位のペプチドリーム(4587)は27億2,500万円、3位のケル(6919)は25億3,100万円、4位のウルトラファブリック・ホールディングス(4235)は21億1,300万円、5位のメック(4971)も20億9,500万円と、増加額が20億円以上を超える企業がずらりと並びます。

これらの企業に共通する、海外で売上を伸ばすことができる成功の秘訣を探るため、各社のビジネス展開について少し詳しく調べてみましょう。

海外売上高が増加した5社にフォーカス

・1位 ダブル・スコープ
5年前から50億円以上もの成長を遂げて1位に輝いたダブル・スコープは、リチウムイオン電池のセパレーター専業メーカーです。リチウムイオン電池は、その用途をスマホやPC、ドローンなど幅広い電子機器だけでなく、電気自動車(EV)へも広げています。本社は日本に置きつつ、生産は韓国で行い、日本・中国・韓国へ販売。今後はEV市場の拡大とともに、ヨーロッパやアメリカへもビジネスチャンスが広がる可能性を秘めています。

・2位 ペプチドリーム
東京大学のバイオベンチャーであるペプチドリームは、「特殊ペプチド」をスピーディに生産する自社の技術「PDPS」を使った医薬品の開発以外に、製薬会社への技術ライセンスを提供しています。アメリカやイギリスの名だたる大手製薬会社と相次いで契約を結んだことで、海外売上高の大幅アップを実現させました。「PDPS」は、ガンやインフルエンザなどの新薬開発への寄与も期待されています。

・3位 ケル
産業用コネクタ専業メーカーのケルは、電子機器や車などのコネクタやソケット、ハーネスやシステムラックなどを手がけています。2017年3月にドイツ現地法人を設立し、そのほかアメリカ、台湾、中国に海外オフィスを展開。

・4位 ウルトラファブリックス・ホールディングス
ウルトラファブリックス・ホールディングスが手掛ける家具などの合成皮革は、名の知られた高級車やビジネスジェット機にも採用されています。国内市場では合皮は本革の次といったイメージが強いのですが、海外では動物愛護団体からの反発リスクがないという点で受け入れられやすく、ビジネスチャンスの広がりが期待できます。

・5位 メック
メックが手がける化学薬品は、PCやスマホ、タブレットなどの電子基板のほか、車の電装品の製造工程に使われています。その開発力と技術力は、ニッチな部分ながら世界シェアをほぼ独占するほど。本社は兵庫県尼崎市に置き、海外へは台湾、香港、中国、ベルギーへ事業展開しています。

海外売上を伸ばしている企業は「技術力」「素材力」がポイント

いずれの企業も、これから成長が見込まれる分野で提供するための高い「技術力」、あるいはニッチな業界であっても世界トップシェアを狙える「素材力」を持ち合わせているのが共通点のようです。

残念ながら「ものづくり大国ニッポン」の名は、中国や韓国をはじめアジア諸国の経済発展とともに、名を潜めていると言えるかもしれません。そうはいうものの、こうした「技術力」「素材力」を武器に海外で売上高を伸ばしている元気な中堅企業の存在が、「ものづくり大国ニッポン」の再来を現実のものにしてくれるかもしれません。(提供:IFAオンライン


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