個人型確定拠出年金(iDeCo・イデコ)は、原則として60歳まで中途引き出せしや解約できないことがデメリットとされている。しかし、極めて例外的ではあるが、条件を満たせば60歳未満でも一時金として受け取ることはできる。本コラムでは、iDeCoの資産を脱退一時金として受け取る条件、2016年12月31日以前に資格喪失した場合の経過措置、および上記以外にも一時金が支給されるケースについて紹介する。

脱退一時金を受け取る要件

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(写真=Alex_Po/Shutterstock.com)

iDeCoは「個人型確定拠出年金」の愛称だが、最後に「年金」とつくことからもわかるように、老後資産の形成を目的として設立された制度であり、原則として60歳まで資産を引き出すことができない。

しかし、一定の条件が揃えば、60歳未満の人でも脱退一時金として資産を受け取ることができる。一定の条件とは、これから述べる5つの要件をすべて満たすことである。

<要件1> 国民年金の第1号被保険者のうち、国民年金保険料の全額免除又は一部免除、もしくは執行猶予を受けている方

<要件2> 確定拠出年金の障害給付金の受給権者ではないこと

<要件3> 通算拠出期間が3年以下または個人別管理資産が25万円以下であること

<要件4> 最後に企業型確定拠出年金(企業型DC)またはiDeCoの加入者の資格を喪失した日から2年以下であること

<要件5> 企業型DCの資格喪失時に脱退一時金を受給していないこと

具体的には、会社員の時にiDeCoに加入していたが、3年以内に退職して自営業者になった方などが当てはまる。転職して他の会社に移った場合は、国民年金の第2号被保険者になり、要件1に当てはまらない。

2016年12月31日以前に資格喪失した場合は経過措置がある

脱退一時金を受け取る場合の要件は上で説明した通りだが、最後に確定拠出年金の資格を喪失した日が2016年12月31日以前の方には、経過措置が設けられている。

2016年12月31日以前に資格を喪失した方の場合、その時点でiDeCoに加入できたかどうかで脱退一時金を受給できる要件は異なる。2016年12月31日以前は、iDeCoの加入対象が限られていたため、加入できなかった人もいるのである。

まず、資格喪失時点でiDeCoに加入できなかった人が、脱退一時金を受け取るために満たすべき全ての要件は、次の6つである。

①60歳未満であること
②企業型DCの加入者でないこと
③確定拠出年金の障害給付金の受給権者ではないこと
④最後に企業型DCまたはiDeCoの資格を喪失した日から2年以内であること
⑤通算拠出期間が3年以下または個人別管理資産額が50万円以下であること
⑥企業型DCの加入者資格喪失時に脱退一時金を受給していないこと

次に、資格喪失時点でiDeCoに加入できた人が、脱退一時金を受け取るために満たすべき条件は、次の5つとなる。

①継続個人型年金運用指図者であること
②確定拠出年金の障害給付金の受給権者ではないこと
③通算拠出期間が3年以下または個人別管理資産額が25万円以下であること
④継続個人型年金運用指図者となった日から2年以内であること
⑤企業型DCの加入者資格喪失時に脱退一時金を受給していないこと

通常(現在)の要件に比べると、国民年金保険料の免除の要件がないことが、経過措置で大きく異なる点となっている。

死亡一時金を遺族が受け取る場合

じつは、脱退一時金以外にも、60歳前に一時金を受給できるケースがあるのをご存じだろうか。iDeCoの加入者(または運用指図者)の方が亡くなられた場合、その遺族に対して「死亡一時金」が支給されるのだ。

この場合、通算拠出期間や個人別管理資産額の条件は無いが、遺族が自ら受給の申請をする必要がある。加入者(または運用指図者)の方は、万が一に備え、自分がどの運営管理機関を選択しているかなどを、家族や周りの人に伝えたおいたほうがいいだろう。

まとめ

iDeCoは老後の資産形成を主な目的として設立された制度なので、転職・退職などによって加入状況が変わったとしても、原則60歳までは中途で引き出すことはできない。60歳未満で脱退一時金を受給するには、様々な要件を満たさなければならない。しかし、2016年12月31日以前に資格喪失された方へは経過措置が設けられているので、もし脱退一時金を受け取りたいと考えている人がいれば、自分が要件を満たしてないか調べてみてもいいだろう。(提供:確定拠出年金スタートクラブ


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