「いかにお金を残すか」は会社経営者の悩みのひとつだ。売掛金の回収と買掛金の支払いサイクルの間の資金繰り、家賃や従業員の給料など黙っていても出ていくお金が発生する。会社には「お金を枯渇させるわけにはいかない」場面が常にある。事業に熱中する一方、お金のやりくりに四苦八苦するなんてことにならないようにお金を残す技術を紹介する。

(1)「税金のかからない給料」の作りかた

経営者,お金の残し方
(画像=Pop Paul-Catalin / Shutterstock)

会社を経営していれば、研修や協業などで出張という場面が出てくる。社長や役員、従業員の出張が頻繁である場合、出張旅費規程を作成し、出張した本人と会社との間で出張費の精算を行うようにすることで節税をすることができる。出張旅費規程とは、出張に係る諸経費の取扱いを定める社内の規程だ。法律に「こうしなければいけない」という縛りがなく、会社の事情に応じて妥当額を設定することができる。

なぜ出張旅費規程が節税につながるのだろうか。理由は規程で設定する「手当」にある。出張する場合、出張したがための余分な経費(洗濯代や外食代など)が余計にかかってしまう。出張旅費規程は、こういった個人のこまごまとした経費の精算を簡便化するものであり、「日当」という形でラクに計算することができる。この「日当」には、所得税がかからない。見方を変えると、日当は「税金のかからない給料」となる。

ただし、法律による細かい縛りがないからといって、社長や会社の都合のいいように金額を決めていいわけではない。同業他社との比較やその時の社会事情などを考慮して妥当額を決める必要がある。

(2)会社の節税につながり、社長のキャッシュも残せる方法

働く人間の健康管理は会社経営の基本だ。法律上でも、会社には従業員の定期的な健康診断が義務付けられている。加えて、労働衛生法第66条では、その健康診断にかかる費用は会社が負担すべきという旨が定められている。しかし、それでも会社の中には、健康診断費用を従業員個人に負担させているところもある。資金繰りの事情から、やむを得ない場合もあるだろう。けれど「社長にも会社にもお金を残す」という視点で考えるなら、必ずしもいい方法とは言い切れない。社員の定着率という点からも問題が残りやすい。

健康診断の費用を会社が負担すれば、「福利厚生費」として法人税法上の損金とし、節税することができる。しかも、社長個人の健康診断費用も会社負担とすることができるのだ。社長のキャッシュを残しておくことができる。

この場合、福利厚生費として損金計上するには次の要件を満たさなくてはならない。

①健康診断の対象者が全社員(役員・従業員を含む)となっていること。
②診断内容が健康管理を目的としたものであり、常識的な範囲内のものであること。
③健康診断の費用が会社から診療機関(医療機関)に直接支払われていること。

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