空室リスクはマンション経営における最大のリスクの一つです。入居者がいなければ、その部屋からキャッシュフローは1円も入らず、維持費と減価償却費でマイナスになるでしょう。一日でも早く部屋を埋めることは、マンション経営を行う人が持つ共通の願いです。ここでは、空室を埋めるためにすぐ使える基本的な手法を3つ紹介します。

家具家電付き物件

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(写真=Artazum/Shutterstock.com)

引越しの多い転勤族や、身軽な独身者にとって、生活に必要な家具家電が無料でついてくる物件は付加価値が高く、入居動機となる可能性が高いものです。

エアコンや洗濯機、冷蔵庫など生活必需品である白物家電を買わなくていいのは、引越し代を支払う入居希望者にとって大きなメリットです。また、カーテンや寝具、ソファーなどの家具もプラスすれば、ほとんど何も買わなくても生活が始められるわけです。さらに、センスの良いものを設置すれば、部屋の好感度はさらに高くなるでしょう。

入居希望者からすれば、これらの家具家電を買うことは大きな負担となりますが、大家としては空室期間の賃料を回収できると思えば、10~20万円の出費は高くないはずです。比較的規模の大きなマンションであれば、たくさん買うことで価格を下げる、スケールメリットを出すこともできるでしょう。

敷金・礼金・仲介手数料無料

入居者の初期費用を下げることによる効果は大きいものです。引越しにかかる費用は家賃や荷物の量によって変わりますが、2~3人の世帯の場合で50~100万円ほどではないでしょうか。ここを大幅に下げることができれば、住まい探しをしている人の注目を集めることは難しくありません。

仮に家賃が毎月10万円の場合の引越し費用を次のように考えてみましょう。

前家賃(2ヶ月分):20万円
敷金(1ヶ月分):10万円
礼金(1ヶ月分):10万円
仲介手数料:5万円
保証料や保険料など:5万円
運送費用:10万円
家具・家電など更新:10万円

計70万円

このうち、敷金・礼金・仲介手数料の30万円を減らすことができれば、入居者のメリットは大きいはずです。

敷金については最終的に返還するものなので、無料とすることに抵抗感のない大家は多いでしょう。礼金はもったいないという気がするかもしれませんが、早く空室を埋められれば、収益機会の損失は回避できます。

仲介手数料は不動産会社に払うものなのに、無料にすることなんてできるのか?と思う人もいるかもしれません。実は何ら難しいことではなく、本来入居者が払う分を、大家が負担すればよいだけです。仲介手数料は大家と入居者がそれぞれ0.5ヶ月分負担することがよくありますが、宅建業法にもとづく国土交通省告示では、双方から受け取る手数料合計の上限が賃料の1ヶ月までと決められており、等しく負担しなければならないという決まりはありません。大家のほうで1ヶ月分払えば、客付け会社に文句を言われることはないでしょう。

フリーレント

さらに、入居当初の1ヶ月~数カ月分の家賃を無料にすれば、入居希望者は喜ぶでしょう。いわゆるフリーレントです。

上記の例で、3つのすべてを実施すると、入居者としては70万円かかると思っていた引越し費用が15万円で済むわけです。

このうち敷金を除く45万円は大家が負担しているわけですが、これだけの費用を支払うかどうかは、空室がどれだけ続いているか、他に有効な施策はあるのかなどの条件にもよります。客付け会社に広告を出すなど、別のアプローチもありますので、業者と相談しつつ、さまざまな対応策を検討するとよいでしょう。

入居者のためになることを考える

空室対策として、入居者の初期費用を下げるということは、引越しの心理的障壁を下げるのに大きな役割を果たします。家具や家電を備え付けることで入居後の生活イメージを持ってもらえるかもしれません。また敷金や礼金、当初の家賃を無料にし、仲介手数料を負担することでさらに初期費用を下げることができます。全てをやる必要はありませんが、他にできることや空室との状況も踏まえて、適切な対応策を検討してください。(提供:Nowstate

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