個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」は、加入者が毎月積み立てをして、その資産を運用しながら老後のための「じぶん年金」を形成していく制度です。さまざまな節税メリットがある制度で、2017年より60歳未満であれば原則誰でも加入できるようなり、一気に知名度がアップしました。これを機にiDeCoを始めようかと検討している人も多いでしょう。しかし、最初は運用する商品選びに迷ってしまうのではないでしょうか。

iDeCoの運用商品は、定期預金や保険商品などの「元本確保型商品」と、投資信託(投信)などの「元本変動型商品」に分けられます。その中で商品の大半を占めるのが後者の投信となり、投信を選ぶ際に必ず読むことになるのが「投資信託説明書=目論見書(もくろみしょ)」です。今回は目論見書の見方を解説しましょう。

目論見書ってそもそも何?

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(写真=Wor Sang Jun/Shutterstock.com)

まず投信の仕組みについて簡単に説明します。投信は、投資家からお金を集めて、ファンドマネジャーと呼ばれる運用担当者が、投資方針に従って運用計画を立て、それを実行していく金融商品です。ファンドマネジャーが所属する投信のいわばメーカーを運用会社といいます。その運用会社が証券会社や銀行など販売会社に商品(投信)を卸して、投資家に販売してもらうわけです。

そして、この投信の説明書が「目論見書」というもので、投信を販売する際には必ず投資家に読んでもらう必要があります。目論見書には「交付目論見書」と「請求目論見書」の2種類があります。販売会社から購入時に手渡される、もしくはWeb上で閲覧することになるのが「交付目論見書」、投資家が自分で運用会社に請求すると初めて渡されるのが「請求目論見書」です。

実際に目論見書を見てみると、はじめはどこを読んだら良いのか分からないかもしれません。その投信がどんな商品特性なのかは、「投資信託の概要」という最初の部分に大まかに書いてあるので、まずはそこを読んでみましょう。

他にも「投信の目的・特色」の欄には「何に投資するのか」や「どのような方針で運用するのか」などが書かれています。そこを読めば、株式や債券など何を組み入れた投信なのかがわかります。

さらに読み進めると、「どのような方針で運用するのか」ということが書かれています。その投信が何をベンチマークとしているのかということが確認できる項目です。ベンチマークとは、投信の運用実績を評価する際の基準となるもので、それぞれの投信で何をベンチマークとするかは異なります。例えば、日本株式の場合、日経平均株価やTOPIXなどの株価指数がベンチマークとなることが多いです。

「投資リスク」の欄では、文字通りその投信で考えられるリスクが説明されています。基準価額の変動要因となるものにはどのような種類があるのか、そうしたリスクに対してどのような管理体制が敷かれているかといったことが記載されています。

「運用実績」の欄では、その投信の基準価額や純資産総額の推移や過去数年の分配状況、組み入れられている商品の種類や比率などを確認することができるので、期待できるリターンがどれぐらいになりそうかを考える材料になります。

「手続き・手数料」の欄では、運用管理費用などの信託報酬がいくらかなど、かかるコストについてや、そのファンドがいつから運用を開始したか等が説明されています。

どこをみればいい?見る時のポイント解説

目論見書のうち、特に見るべき項目が「投資リスク」と「運用実績」の2つです。それぞれのポイントをもう少し詳しく説明していきましょう。

まずは「投資リスク」についてですが、投信を選ぶ上で、やはりリスクは気になるところです。投信には、投資対象となる運用資産(株式、債券、REITなど)によって、基準価額に影響を与えるさまざまな要因があり、リスクの種類は大まかに2種類に分けられます。

1つ目は価格変動リスクや為替変動リスクなどの値動きに関わるものです。こちらのリスクの場合は単に「必ず損失になる」ということではなく、上下どちらにも価格が動く可能性があるということを示しています。

注意すべきは損失の可能性に関わるもう1つのリスクで、信用リスク(投資した証券の発行体の業績や財務状況が悪化することにより、経済的信用力が低下するリスク)やカントリーリスク(海外に投資を行なう場合に、その投資先の国の政治・経済・社会状況の不安定化や混乱などにより損失を被るリスク)です。

ただし、これらのリスクはその可能性がゼロではないということを示しているのであって、書かれているリスクの種類が多いからといって、必ずしもリスクが高いとは言えません。その投信の性質との兼ね合いで検討していく必要があるのです。

次に見るべきなのが「運用実績」です。ここでは基準価額や純資産総額の推移など、その投信のこれまでの運用状況を知ることができます。しかし半年に一度しか改定されない交付目論見書だけだと、最近の状況がどうなっているのかはわかりません。そこであわせて参照してほしいのが、毎月発行される月報(マンスリーレポート)です。月報には、ここ1ヵ月の運用状況が記載されているので、ごく最近の実績を見ることができます。

ポイントをマスターしてiDeCoをうまく活用していこう

ここまで見てきたとおり、目論見書では投信の重要な情報が提示されています。また、iDeCoの運営管理機関では目論見書をまとめた「商品説明資料」も提供されていますので、これから購入するという人はもちろん、すでに投信を持っているという人も、改めて目を通すことをおすすめします。目論見書は運用会社のサイトなどWEB上でも閲覧できるようになっているので、ここでお伝えしたポイントをしっかりとおさえて、自分にあった投信を選んでいきましょう。(提供:iDeCo online

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