定年退職後の主な収入が年金になる人は多いでしょう。年金は65歳から受給開始になるのが一般的ですが、実は繰り上げ受給や繰り下げ受給ができることをご存じでしょうか。特に、もうすぐ定年退職を迎える人たちにとっては、65歳から年金受給を開始する、繰り上げ受給する、繰り下げ受給するなど、どれが自分の今後の生活設計にとってよいのか迷うところではないでしょうか。

年金の受け取り開始時期について考えてみましょう。

実は選べる!年金の受給開始時期

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2018年1月、年金受給開始を選択すれば70歳超に先送りすることができる制度を政府が検討、という報道がありました。現在、老齢基礎年金は原則65歳から受給、それ以前に早く繰り上げて受け取ることも、66歳以降に繰り下げて受け取ることも可能です。老齢厚生年金(報酬比例部分)も同様に繰り上げ、繰り下げ請求をすることができます。

年金は65歳を起点として、月単位で繰り上げることができますが、1ヵ月繰り上げるごとに0.5%ずつ年金が減額されます。年金を60歳からもらいたい人であれば、本来の年金額77万9,300円の70%に当たる54万5,510円(月額約4万5,000円)に減額された年金額が将来続くことになります。

反対に、受給開始を繰り下げると月額0.7%ずつ増えます。70歳まで繰り下げると110万6,606円(月額約9万2,000円)です。繰り下げは66歳からで、2018年3月現在65歳6ヵ月から受給することはできません。2016年度のデータでは繰り上げ受給をしている人の割合が34.1%なのに対し、繰り下げ受給者は1.4%にという現状です。

年金を繰り上げ受給するメリットとデメリット

人生100年時代だと言われている今、定年後も働けるだけ働き、年金の繰り下げ受給をする方が1ヵ月に受け取る額が多いため、のちのちの生活にとってよいと考える人もいるかもしれません。そうなると、年金を繰り上げ受給するメリットがなさそうに感じますが、実は、年金受給を早めるメリットもあります。

まず、すぐに年金が受給できる点があげられます。もし、ねんきん特別便に記載されている受給額を実際に受け取ることができないのではないかと不安に思う人は、万一の場合に備えて受け取れる時に受け取れるだけ受給しておくのは一つの手かもしれません。

一方で、繰り上げ受給をすると、年金がずっと減額されます。それに加えて、障害基礎年金の請求ができなかったり、寡婦年金を受け取ることができない、寡婦年金を受給中の場合は受け取る権利がなくなる、遺族厚生年金や遺族共済年金が65歳まで受け取れないなどのデメリットもあります。そのため、年金を繰り上げ受給しようと思ったら、メリットとデメリットをよく検討することが大切です。

生活の足しにしたいと思う前に貯蓄ができないかを考えよう

現在の厚生年金の平均受給額は月額約14万5,000円、国民年金は約5万5,000円です。年金を繰り上げ受給する場合、この金額から減額されることになります。。

60歳から繰り上げ受給する金額を54万5,510円とすると、5年間の累計で272万7,550円になります。検討する時期にもよりますが、頑張れば今から272万7,550円分の貯蓄を検討することもできるかもしれません。

老後の資産形成をするための手段はいくつかありますが、生活費の足しにしたいと思うのであれば、コツコツと預貯金で積み立てていくのがよいでしょう。普通預金で貯めるのもよいですが、積み立て定期預金やお誕生日定期など、利率が比較的に高く設定される預金もあります。生活費の一部にするため、減らさない運用を検討するなら、「定期預金でふやす」を検討しましょう。

繰り上げでも繰り下げでも

年金の繰り下げ受給を選んだ人の中には、65歳以降も収入があり、「自分が長生きするかどうかは問題ではない、生きている間の年金が少しでも多い方を選んだ」という人もいます。仮に、夫婦で67歳までアルバイトやパートなどで収入があり、67歳から繰り下げ受給を選ぶと年金額は65歳時受給額の16.8%増での受給が可能になります。

繰り上げ受給を選ぶか、繰り下げにするか、または65歳から受給するのか。いずれの場合でも、年金開始までの働き方、老後のライフプランと自身の生き方が基本であり、重要なポイントとなるのは金融資産です。老後を見据えた資金計画を早くから立て実行するだけではなく、高齢期以後も運用を続け、いかに年金の補完として生かせるかが、人生100歳時代を生き抜くカギとなります。その一助に、定期預金も選択肢に選んでみるのはいかがでしょうか。(提供:Renosy Journal