企業が永続的に存続・成長していくために、後継者は既存の事業をそのまま受け継ぐだけでなく、積極的に事業転換や新事業に取り組むことが重要です。そのためには、資金の確保が必要となります。

事業承継の準備や設備投資の資金確保の手段として、国の補助金は常に確認しておく必要があります。今回は、事業承継で使える補助金の内容や、補助金を活用する際のメリット・デメリットについて説明します。

事業承継で活用できる補助金とは

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(写真=Minerva Studio/Shutterstock.com)

2018(平成30)年、2017年度補正予算「事業承継補助金」の公募が予定されています。2018年3月26日に事務局機能を担う団体が決まり、近いうちに事業者に向けた公募が開始されることになります。

参考として、2017年(平成29年)の「事業承継補助金」の内容を抜粋し、ポイントを紹介します。

<平成29年度 事業承継補助金>

事業者の
要件
1. ①会社:代表者の交代など、後継者が事業を承継した、もしくは承継すること
  ②個人事業者:先代経営者の廃業や後継者の開業で後継者が事業を承継した、もしくは承継すること
2. ①事業者が地域に貢献する者、地域に貢献する事業であること
  ②事業が承継後の新たな取り組みであること(経営革新や事業転換など) 
後継者の
要件
1.次のいずれかに該当する後継者
  ①経営に関する職務経験がある者(他の企業を含め役員・経営経験が3年以上)
  ②同業種での実績がある者(勤務6年以上)
  ③後継者としての必要な知識がある者
2.創業・承継に資する下記の研修等を受講した者 
  ①産業競争力強化法に規定される認定特定創業支援事業
  ②地域創業促進支援事業
  ③中小企業大学校の経営者・後継者向け研修
募集期間 2017(平成29)年5月8日~6月2日(郵送、電子申請は3日)
事業概要 事業承継(事業再生を伴う事業承継を含む)を契機に、経営革新や事業転換に取り組む中小企業が要する経費の一部を助成する
事業目的 新たな需要や雇用の創出を促し、国内経済を活性化させる
補助率 3分の2以内
補助金額
の範囲
①事業所の廃止・既存事業の廃止・集約を伴わない場合 100万円以上200万円以内
②事業所の廃止・既存事業の廃止・集約を伴う場合   100万円以上500万円以内
 (経営革新等に要する費用として上限200万円、事業所の廃止等に要する費用として上限300万円)
補助対象
経費
【事業所の廃止、既存事業の廃業・集約を伴わない場合】
設備費、原材料費、外注費、委託費、広報費、知的財産権等関連経費、謝金、旅費、人件費、店舗等借入費、会場借料、マーケティング調査費、事業申請に必要な書類作成などに係る経費
【事業所の廃止、既存事業の廃業・集約を伴う場合】
在庫処分費、解体費・処分費、原状回復費
事業期間 採択発表から2017年12月31日まで(その後、確定検査を実施し補助金を交付する)

事業承継で補助金を活用するメリットとデメリット・留意点

上記の内容から、補助金を活用するメリットには次のようなものがあります。

・事業承継や第二創業に必要な設立費、設備費、広告費、他経費に充当する資金を確保できる
・後継者にとって、自分が社長に就任してからの事業計画を作成する訓練になる
・経営革新計画などの申請書類を一緒に作成することで、金融機関等からの融資を受けやすくなる

一方、デメリットや留意点には次のようなものがあります。

・経営革新で事業継承補助金を活用する場合は、認定経営革新等支援機関から内容を認めてもらう必要がある
・審査があるので、申請書類を作成しても採択されるとは限らない
 (2017年度は、応募総数517件、採択総数65件、採択率12.6%)
・補助金の入金まで経費は前払いのため、運転資金の確保が必要である

2018年度の事業承継補助金の公募が開始されたら、すぐに募集要領を確認しましょう。補助率や補助金額がどうなるかは分かりません。2017年度のように、公募期間が1ヵ月程度と短いことも十分にありえます。採択されるには、加点要素を盛り込んだ事業計画書を作成し、必要書類は抜け漏れがないように揃えて提出することが大切です。(提供:プレミアサロン


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