2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックを前に、観光で日本を訪れる外国人の数は年々増加し続けています。訪日外国人が増えるにつれて、ホテル不足の問題が顕在化してきました。その解決方法の一つとして注目を集めているのが「民泊」です。2018年6月、住宅宿泊事業法(民泊新法)が施行されます。法律が整備されるとどのように変化するのか。民泊の詳細を説明するとともに、空き家や空き部屋の活用における民泊ビジネスの可能性を探ります。

民泊とは

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(写真=LI CHAOSHU/Shutterstock.com)

民泊を明確に定義した法令はありませんが、一般的には、「住宅の全部または一部を利用して、旅行者等に宿泊施設を提供すること」を民泊と呼びます。使用していない部屋を短期間だけ貸したい人と旅行者をインターネット上でマッチングするサービスAirbnbの登場により、民泊がより身近なものになりました。

民泊新法における2つの特徴

多様化する外国人観光客の宿泊ニーズや空き家の増加を受け、日本でも民泊ビジネスに対するニーズが高まっています。これまでは、特区以外の地域では旅館業法の営業許可が必要であるため、参入には高いハードルがあり、そのため無許可の民泊営業が蔓延していました。

なかには安全面や衛生面の管理、宿泊者のマナーに関する対策が施されていない物件もあり、トラブルの原因になっていました。そこで、健全な民泊サービスの普及を目指すためのルール作りが始められることになります。その結果、制定されたのが住宅宿泊事業法(民泊新法)という法律です。

民泊新法には主に次の2つの特徴があります。

・ 建物の使用用途の緩和
お金を取って他人を宿泊させるのは、旅館業法に照らし合わせると「ホテル又は旅館等」である必要がありますが、民泊新法では「住宅」も対象となります。民泊新法が施行されると、ホテルや旅館の営業が認められていない住居専用地域でも正式に民泊営業ができるようになります。

・ 年間営業日数の上限
ただし、年間営業日数の上限は180日とされています。厳しい規制の適用を受ける旅館業とのバランスを保とうとしていると考えられます。

民泊ビジネスのメリットとデメリット

法律の整備によって規制が緩和される民泊ですが、どのようなメリット・デメリットがあるのか考えてみましょう。同時に、空き家や住宅の空き部屋を民泊ビジネスに活用する可能性を見ていきます。

● メリット

  1. 空き家・空き部屋の有効活用
    独立した子どもがかつて使っていた部屋や、親から相続した空き家を民泊としてリニューアルして観光客を泊めれば、新たな収入を得る手段になります。転勤など期間限定で家に住まなくなる人にとっても適した活用法です。民泊を利用することで、短期的かつ効率的な空き部屋・空き家の有効活用につながります。

  2. 少ない投資で始められる
    民泊営業する部屋さえあれば、ゲスト用のベッドや布団、机などを準備するだけで、手軽に始めることができます。持て余している空き家や空き部屋を、民泊により低コストで収益化できるのも魅力のひとつです。

  3. 利用者との交流が図れる
    外国人の宿泊にも適した部屋を用意すれば、さまざまな国から訪れる宿泊者との交流を楽しめるのもメリットのひとつでしょう。空き家の解消と収益化だけでなく、異文化コミュニケーションの促進も図れるのは民泊ビジネスならではといえます。

● デメリット

  1. 備品・家具の紛失及び破損
    民泊利用者の中には、残念ながらマナーが悪い人もいます。宿泊者みんなが部屋をきれいに使ってくれるとは限りません。また、備品の持ち出しや破損などの被害も想定しておく必要があります。Airbnbはレビュー欄で宿泊者のマナーを評価する欄がありますが、レビューだけで宿泊者の人となりが完璧に理解できるわけではありません。

  2. 近隣からのクレーム
    マンションなどの集合住宅の一室で民泊の営業をする場合、宿泊者がルールを守らず近隣住民に迷惑をかけ、トラブルに発展することも想定されます。そもそも、規約で民泊営業を禁止しているマンションも多いので、民泊を始める前には規約を確認し、マンションの管理者に許可を取ることが大切です。

もしかすると、宝の持ち腐れ?

皆さんも持て余している空き家や自宅で使っていない部屋を民泊として活用し、収入を得てみてはいかがでしょう。民泊を始めるのに難しい手続きは必要ありません。通知書を入手して消防法令に適合しているか確かめてから、所在地の都道府県知事に住宅宿泊事業者としての届け出をすれば完了します。民泊新法の施行を契機に、民泊ビジネスへの参入を考えてみてはいかがでしょうか。(提供:プレミアサロン


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