どれだけ実力主義の会社であっても、組織で出世していくためには、単なる業績だけでは結果は得られません。社内の人間、とくに直近の上司から評価を得る必要があります。たとえそれがイマイチ気の合わない上司だとしても……です。そこで、出世のためのカギともいえる上司とのコミュニケーションを今より円滑にするための5つのコツを紹介します。

1.お世辞でもいいので徹底的に褒めちぎるべし

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(写真= Pressmaster/Shutterstock.com)

米ノース・カロライナ大学のデビッド・ドラックマンは、124名の男子学生を対象にした実験で、「人間はたとえ嘘でも褒めちぎられると気分が良くなる」という結果を報告しています。

日本人はお世辞を言われると「自分なんて大したことよ」などと言いがちですが、これは「お世辞を言われて嬉しくない」という意味ではなく、「本当に?本当なら嬉しいけどね」という意味です。にもかかわらず、ここで「そうなんですか(大したことないんですか)?」などとお世辞を取り下げるようなニュアンスを出してしまうと、「なんだ、やっぱりお世辞か」と思われてしまい、悪い印象を与えてしまいます。

「本当なら嬉しい」と言っているのですから、「本当ですよ!」と思い切り誉めちぎればいいのです。部下のミスを上手にカバーしたとか、取引先とのトラブルをスムーズに処理したなど、何か具体的なエピソードを混ぜればさらに説得力もアップ。あなたの評価につながります。

この「褒めちぎり」を通して上司にこちらを好きになってもらえば、それだけでかなり仕事がやりやすくなるはずです。

2.相手が得意な分野については「相談」「質問」すべし

「お世辞を言うのはどうにも苦手だ」という人は、「相談」「質問」によって上司に自分を好きになってもらいましょう。

人の上に立つ人というのは、得てして「誰かの面倒をみて感謝されたい」と思っているものです。特に現場から退いた管理職の人は、仕事で接する人間の多くが部下になるので、その気持ちが強くなりがちです。

そんなところに「○○さんに相談があるのですが、話を聞いてもらっていいですか」「○○さん、これについて教えてくれませんか」と自分を頼ってくる部下がいたら、「可愛いやつだ。しょうがないなあ」と世話を焼きたくなって当然です。

この上司は部下の相談や質問に対応しているうちに、不思議とその部下のことを好きになっていきます。というのも心理学者ジェッカーとランディによる実験によれば、「人間は助けた相手のことを好きになる」ということがわかっているからです。相談や質問で助かっているのは部下なのに、助けている側の上司が相手を好きになってしまうのです。

ただし、このとき上司に「部下を助けた」という実感を持ってもらわなければなりません。そのためには単に相談や質問をするだけではなく、「アドバイス通りに実行したらうまくいった」というプラスのフィードバックをすることが大切です。これによって上司は「部下を助けた」という実感を持ち、「助けた相手を好きになる」心理を発動させてくれます。

逆に、相手の苦手な分野やそれほど得意ではない分野について、質問や相談をすると、最悪の場合「痛いところばかり突いてくる苦手な部下」という印象を与えかねません。質問や相談は、相手の得意な分野に限りましょう。

3.「情報屋」から上司の好きなもの・得意なものを引き出すべし

社内には必ず、社内の情報に精通した「情報屋」がいます。噂好きで話好きの人は、実に様々な社内の情報を持っています。つまり自分がコミュニケーションを深めたいと思っている上司の好きなものや得意なものについての情報も含まれている可能性が高いということです。

そのため「上司の得意な分野についての相談や質問をしようにも、何が得意かさえわからない」という人は、まず情報屋とのコミュニケーションを深めるようにしましょう。

ただし情報屋から欲しい情報を受け取るには、そのための対価が必要です。といっても難しく考える必要はありません。単純に相手に気持ちよくなってもらえばいいのです。例えば前述した「褒めちぎり」を実践したり、仕事を手伝ったり、出張帰りにその人だけに特別なお土産を渡したりといったことでかまいません。

「返報性の原理」といって、人には誰かに何かをされると相応のお返しをしなければならない心理が働きます。これを利用して情報屋と仲良くなっておけば、目的の情報を相手から簡単に引き出せるようになります。

4.「デキる」アピールより「デキない」アピールをすべし

上司から認められたくて、必死に「デキる」アピールをする人がいますが、これは大間違いです。前述したように上司には「誰かの面倒をみて感謝されたい」という心理があります。にもかかわらず「デキる」アピールをされると、「あなたに面倒を見てもらう必要はない」という拒絶に受け取られる危険があるのです。その結果、「あいつはハナにつくやつだ」などとマイナスのイメージが固定されてしまうと、評価にも悪影響が出るでしょう。

上司にアピールするべきは「デキる」ところではなく、「デキない」ところです。得てして人間は、自分一人で生きていける人よりも、多少頼りないくらいの人を好きになる習性があります。つまり「デキない」アピールは、「僕はあなたなしでは生きていけない」というアピールでもあるのです。

こうして相手の「助けてやりたい」「面倒を見てやりたい」という欲求を引き出して助けてもらえば、「助けた人を好きになる」心理が働き、さらに相手は自分のことを好きになっていきます。

5.苦手な相手は「人格」ではなく「機械」として見るべし

たとえ上司とイマイチ気が合わなくても、その上司に評価してもらうためにはコミュニケーションをとる必要があります。では、どうすれば気の合わない上司と交流を深める気持ちになれるのでしょうか。

それは、相手を「人格」ではなく、「機械」として見ることです。人格として見ると「なんでこの人はいつもこうなんだ」と否定したくなりますし、「もうやってられない!」と感情的にもなります。しかし「○○なタイプの機械」と考えれば、機械のタイプに応じた修正を加えればいいという思考になります。

例えば「こちらが何を言っても否定してくる上司」がいたとしましょう。この上司を人格として見てしまうと「どうしてあの人は否定しかできないんだ!」とイライラしてしまうはずです。しかしここで上司を「こちらが何を言っても否定してくる機械」として見ると、「機械だし、否定しか言えなくても仕方ないか」と考えられるのでイライラしません。

このような精神状態であれば、相手のリアクションは無視して、ここまで紹介した1?4までのコツを実践することもできるようになります。4つのコツを通じて上司がこちらを好きになってくれば否定する回数も減る可能性がありますし、否定しつつも何かと面倒を見てくれるようになるはずです。

その結果「なんだかんだでいい人かもしれない」とこちらが思えるようになれば、上司と部下としてのコミュニケーションはさらに深まっていくでしょう。

コミュニケーションを制するものは出世を制す!

どんなに仕事ができても、それを上司に認められなければ意味がありません。そのためには日頃から上司とコミュニケーションをとり、交流を深め、自分を好意的に見てもらう必要があります。ここに挙げた5つのコツは、今日から試せるものばかりです。ぜひとも実践して、出世のきっかけを作りましょう。(提供:あしたの履歴書online

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