近年、“副業”に注目が集まっています。安倍政権が進める「働き方改革」をはじめ、生産性の向上や残業の削減など、さまざまな要因がサラリーマンの副業を後押ししていることがその要因とされています。今後はさらに、副業に対する意識が高まるかもしれません。

クラウドソーシング大手のランサーズが2018年に調査したところによると、副業フリーランスの人口は744万人(本業・副業を区別しない複業パラレルワーカーを含む)と推計されています。経済規模は7兆8,280億円と、ほぼ8兆円規模に成長しており、今後も副業人口および市場規模ともに増加すると予想されています。

「2018年度版フリーランス実態調査」ランサーズ

副業に興味はあるけれどなかなか踏み出せない理由として、「副業が会社にバレてしまうのでは?」といった心配があったり、確定申告をはじめとする税金関係の手続きを手間に感じたりするかもしれません。今回は副業にまつわる確定申告や税金に対する不安と、押さえておくべきポイントを見ていきます。

“副業”なのか“資産運用”なのか

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(写真=Boophuket/Shutterstock.com)

一口に副業と言っても、ITツールやWeb環境を駆使した在宅勤務、ダブルワークのアルバイト、すきま時間を活用したお小遣い稼ぎなど、その種類はさまざまです。また、株式投資や不動産投資を副業として始める方もいます。このような副業に対して「会社にバレて解雇されたくない」と心配する方もいるかと思います。そもそも、副業は勤務先に知られてしまうと、解雇など処分の対象となってしまうのでしょうか。

当然、勤務先の職務規定で禁止されていれば、副業をするのは良くないことです。一般に、副業禁止規定が設けられている理由は、副業を行うことで本業に支障をきたすおそれがあるからです。副業全般を禁止する場合もあれば、勤務先の事業と競合する副業のみ禁止する場合もあり、特に公務員は副業禁止規定が厳格に定められています。副業禁止規定に抵触する副業を行っていたことが判明した場合には、何らかの処分があるかもしれません。副業を始めるのであれば、まずは事前に職務規定を確認しておくことが大切です。

ただし、副業禁止の職務規定があっても、株式投資や不動産投資などは“資産運用”の一環として認められるケースが多いようです。そのため、仮に株式投資や不動産投資による収入が勤務先に知られてしまっても、処分を受けることはまず考えにくいでしょう。

確定申告の基本とポイント

副業をする際に問題になるのが“税金”です。副業をして稼いだお金(所得)については、確定申告を経て納税しなければなりません。確定申告をしなければ、税務署から申告漏れを指摘され、脱税とみなされてしまう可能性もあります。そこであらためて、確定申告の基本を押さえておきましょう。

そもそも確定申告とは、その年に得た自らの所得に対し、納税される金額(納税額)を確定するために行うものです。特に所得税はいわゆる「国税」に該当するため、納税先は国となります。より厳密に言うと、各地域の税務署に対して申告する形です。

具体的には、個人の場合であれば、前年の1月1日から12月31日までの1年間で得た所得から費用などを差し引き、所得税などを計算したうえで、税務署にその金額や控除額を申告します。提出期間は、毎年2月の中旬から3月の中旬となります。(平成29年分(2017年分)の確定申告期間は2018年2月16日~2018年3月15日でした)。

この確定申告を行うことによって、個人の課税所得や納税額が明確となります。あとは、納付期限までに税金を納めればいいだけです。もし税金を納めなかった場合には、延滞税が課せられてしまうため、十分注意してください。ちなみに無申告の場合には、無申告加算税という罰則が課せられる可能性もあります。

確定申告をすると会社にバレてしまうのか?

会社の副業禁止規定に抵触しなくても、可能ならば会社に副業収入を知られたくないと考える方もいることでしょう。また、副業をしているという噂が社内で広がるのを懸念する方もいるかもしれません。実際に、確定申告をすると会社に副業がバレてしまうのでしょうか。

・住民税の大きさを指摘される可能性がある

もし、副業をしていることが確定申告によってバレてしまうとすれば、それは“住民税の大きさ”に着目された場合です。会社の給料から天引きされる住民税を会社の人が見たときに、給与水準に見合わないと気づかれれば、バレてしまう可能性があるのです。

・住民税を自分で納付する「普通徴収」という方法も

そのように、住民税の額によって副業バレしてしまう事態を防ぐには、「普通徴収」という制度を活用するといいでしょう。

住民税(個人住民税)の納付方法には、「特別徴収」と「普通徴収」があります。特別徴収とは、事業主(給与支払者)が従業員(納税義務者)に代わり、毎月給与から住民税を差し引いて納付することです。一方、普通徴収とは、区市町村から送付される納付書によって住民税を自分で納付する方法です。

近年、東京都など多くの自治体で個人住民税の特別徴収を徹底する動きがみられ、給与所得に関する住民税は原則として特別徴収の方法で納付しなければなりませんが、給与所得でない副業収入に関しては普通徴収を選択することができます。申請手続きは確定申告書類において「自分で納付」をチェックする(または○をつける)だけです。その後、自宅に納付書が送られてきたら期限までに納付すればよいのです。

「住民税の徴収方法の選択」国税庁

脱税や申告漏れは絶対に回避するべし!

副業を行ううえで、確定申告をはじめ税金に関する手続きを避けては通れません。税金の知識を身につけつつ、少しずつ作業を進めていくことが求められます。特に、脱税や申告漏れといったことにならないよう、あらかじめ注意しておきましょう。

税金のことがわかるようになると、所得や経費のバランスについても考えられるようになります。そのような知識は、ビジネスシーンでも応用することが可能です。副業を通じて、確定申告の仕組みや税金の構造についても学んでいきましょう。

なお、不動産投資を検討している方のなかには、不動産投資は勤務先の副業禁止規定に抵触するか気になる方もいるかもしれません。一般的には、不動産投資は株式投資などと同様に資産運用の一環として副業には当たらないケースや、本業に支障をきたさない程度であれば認められるケースなどが多いようです。

実際に、会社員や公務員の方でも、副業禁止規定に抵触せず不動産投資を行っている方が多くいらっしゃいます。時間的な制約があって他の副業が難しくても、本業をおろそかにせず将来への備えを行うことができる点が、不動産投資が選ばれる理由の一つなのです。(提供:マンション経営online

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