不動産投資に取り組む人なら一度は大規模経営に憧れたことがあるのではないでしょうか。「総資産10億円」「年間家賃収入1億円」など億単位の資産を扱うようになるのは簡単ではありません。しかし、なかには数年でメガ大家の域に達する人もいるようです。今回は、規模拡大を可能にする手法やリスク、デメリットについて解説します。

規模拡大のメリット

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(写真=Khakimullin Aleksandr/Shutterstock.com)

何億円分もの不動産を持つことのメリットとは何でしょうか?10億円規模のマンションを持っていたら、固定資産税だけでも相当な額になります。他の維持費とローンの返済を合わせたら数千万、数億円単位になるでしょう。規模拡大のメリットはシンプルかつ、キャッシュフローが増えることです。

不動産投資の規模を急激に拡大する方法

通常は不動産投資をはじめた当初から数十億円単位の融資を組めることはあまりありません。長い年月をかけて経営者としての実力を評価されるようになってから、借入額を増やしていくことになります。しかし、2~3年でこのレベルに達する人がいないわけではありません。彼らの中には、「1法人1物件スキーム」という「反則技」といっても良いような方法を使う人もいるのです。

このスキームは、文字どおり物件をひとつ取得するごとに法人を設立するものです。例えば、10棟のマンションをすべてこの方法で買うと、10社のオーナー社長となります。なぜこの手法で急速に規模をできるかというと、「法人の信用情報は残らない」からです。個人でローンを組むと信用情報機関に借入額や返済の履歴、延滞があればその情報などが記録されます。

金融機関は新規ローンの審査の際、この信用情報を紹介し、その人に貸せる上限額を見極めようとするのです。(いわゆる与信枠)信用情報の記録は個人にのみ課されていることであり、他の法人名義で組んでいるローンを金融機関は知ることができません。

個人が10物件10億円の連帯保証人になっていたとしても、「他に借金はありません」とウソをついてしまえば、信じるしかないのです。こうして与信枠を超えてローンを組みまくり、あっという間に総資産を拡大するのが1法人1物件スキームになります。

急拡大することのリスク

1法人1物件スキームは、確かに存在する負債をいわば隠しているわけなので、信義に反する行為です。金融機関にバレるとローンは白紙撤回される可能性もあります。すでに融資が実行されている場合、一括返済を迫られても文句はいえません。このスキームで資産規模を急拡大することのリスクはこれだけではありません。

そもそも金融機関がOKとしないレベルの借金に「もしものこと」があったら、一気に債務超過の状態に転落する恐れがあります。数十億円のローンともなれば、毎月の返済も相当な額になるでしょう。当初は満室に近い経営ができていたとしても、ふとしたきっかけで市場に変化があれば、返済額が家賃収入を上回る「逆ざや」になりかねません。そうなったとき、致命的な金額のキャッシュが手元から消えていくことになります。レバレッジは諸刃の剣なのです。

規模にとらわれない堅実な不動産投資を

違法スレスレのグレーな手法を使えば、短期間で資産規模を拡大し、大きなキャッシュフローを得ることも不可能ではありません。しかし、そのようなハイレバレッジの状態で失敗した場合、取り返しのつかないことになります。資産と収入の規模だけにとらわれるのではなく、堅実でクリーンな不動産投資を目指していきましょう。(提供:Nowstate

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