個人で行っていたマンション経営は、ある一定規模以上になると主に節税のため不動産管理法人を立ち上げた方が有利になります。しかし、税金のルールは厳しく一歩間違えると脱税とみなされてしまう場合もあるため注意が必要です。そこで、今回は法人化する際に検討したい給料関係で重要な3つの項目について紹介します。

自分への給与はいくら?

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(写真=Tashatuvango/Shutterstock.com)

個人名義の家賃収入は、すべて直接的に自分のものになります。家賃収入を再投資や趣味に費やすなど使途は自由です。法人名義でマンション経営をした場合、自身はその法人の役員となり、法人から給料をもらうという立場になります。もちろん、給料の金額を決定するのはオーナーである自分ですが、法人として経費にできる給料(役員報酬)の額には一定のルールがあるため注意しましょう。

一定のルールを超えて支払った役員報酬は法人として損金に算入できないため、税金がかかってしまいます。損金算入できるパターンにはいくつかありますが、まず知っておくべきは定期同額給与です。法人の利益計算は基本的に1年単位(期)で行いますが、その期の給与を一定額にすることで損金算入できるというものです。給与の額は期の最初の3ヵ月までに決める必要があります。

会社経営では個人に充分な額を支払いつつ、赤字にならないような給与を設定することが必要です。この点、マンション経営におけるビジネスモデルの特徴は安定継続した収入ですから、比較的設定しやすいでしょう。

家族に給料を払える?

不動産管理法人を利用した節税スキームのひとつに、家族を役員にして給料を支払うというものがあります。例えば、マンション経営をしている人の奥さんが専業主婦だった場合、奥さんに給料を払うことで、給与所得控除が利用可能です。給与所得控除は所得が少なければ少ないほど多くなり、所得税率は逆に低くなります。

そのため、自分ひとりに集中して給与を支払うよりも、なるべく多くの家族に分散して支払ったほうが、総合的に所得税の節税になるのです。ただし、「給与だけ払って勤務の実態がない」と判断されると租税回避とみなされ、損金算入が認められなくなる可能性があるため注意しましょう。悪質と判断された場合は追徴課税もありえます。家族に給与を払うなら、それに見合うようマンション経営の仕事を手伝ってもらわなければなりません。

サブリースはどこまで?

所得を分散させるために、サブリースを使う人もいます。何かと制約が多い給与よりも使い勝手が良いということなのでしょう。また、一度個人名義で取得した不動産も、所有権移転のコストをかけることなく、法人化の節税メリットを得ることができます。

例えば、個人名義で年間の家賃収入が1,000万円あった人が、自分の不動産管理法人とサブリース契約を結び、サブリース家賃として800万円を受け取るとします。法人の収益は転貸料の1,000万円から800万円を引いた200万円のサブリース管理料です。ここから自分や家族に役員報酬を支払うことで、前述の所得を分散する効果が出ます。

しかし、このサブリース管理料は相場から不当に離れた額だと租税回避とみなされる可能性があります。契約内容や相場を考慮し、客観的に妥当な料率にしなければなりません。

節度をもった節税対策を

不動産管理法人を設立することのメリットはいくつかありますが、その中で特に効果が大きいのは所得を分散させて所得控除を上手に利用することです。方法としては「家族を役員にする」「個人所有物件についてサブリース契約を交わし管理料を支払う」などがあります。いずれの場合も、客観的に適切な業務の報酬を設定しなければなりません。実態とかけ離れた租税回避行為は基本的に認められないのです。(提供:Nowstate

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