東京都中央区の南西部に位置する「銀座」は、名実ともに日本を代表する繁華街です。その名を冠した東京メトロ銀座線銀座駅だけでなく、JR有楽町駅や新橋駅なども近く、また首都高速都心環状線にも囲まれたアクセスの良い商業地域として人気を博しています。

銀座は日本一地価の高い場所として知られていますが、2018年3月時点においてもなお、銀座の公示地価は大きく上昇しています。国土交通省の公表結果によると、全国の最高価格地である中央区銀座4丁目の「山野楽器銀座本店」は、2018年3月時点で1平方メートルあたり5,550万円。前年より9.9%上昇し、過去最高額を更新しました。

(参考)公示価格高順位表(全国)

銀座は、もともと徳川家康が江戸入城後に、埋め立てによって商業地となったとされています。地名の由来は、駿府の銀座(銀貨鋳造所)をこの地へ移したことから名付けられたとのこと。明治以後、浅草と並んで東京の繁華街として発展してきました。

現在では、都心の中でも特にステイタスが高く、ブランドエリアの代表格とされています。加えて、歴史と風格のある老舗が名を連ねる一方、最先端の流行発信源です。近年のインバウンド需要を受け、平日でも、海外からの観光客でにぎわいをみせています。2020年のオリンピック開催、さらにはオリンピック後の継続的な発展を目指し、銀座を中心とするエリアでは再開発が相次いで行われています。今回は、銀座、日比谷、新橋エリアの再開発について詳しく見ていきましょう。

銀座エリア:「GINZA SIX」など完成済みの再開発

Ginza
(写真=NA image/Shutterstock.com)

銀座では、2016~2017年にかけて注目すべき再開発が複数行われ、「GINZA SIX」「東急プラザ銀座」「GINZA PLACE」といった大型複合商業施設が誕生しました。

・「GINZA SIX」

2017年に最も注目を集めた商業施設といえば、2017年4月20日に誕生した「GINZA SIX」です。店内には、ワールドクラスクオリティを誇る241のブランドが集結しています。その特徴は、日本の良き伝統や歴史を継承しつつ、世界の最先端を取り込んでいることです。

GINZA SIX は、「松坂屋銀座店」跡地を含む街区(銀座6丁目 10 番)と隣接する街区(銀座6丁目 11 番)の2つの街区約1.4ヘクタールを、一体的に整備する市街地再開発事業でした。延床面積は約14万8,700平方メートルで商業施設面積は、銀座エリアでも最大級となる約4万7,000平方メートルを誇ります。GINZA SIXは、日本を代表する商業地の真ん中にそびえる、まさにシンボルのような存在であるといえるでしょう。

来場者は、4月の開業後からわずか18日で150万人を突破しました。その後も目標を上回るペースで来館者は増加しています。来館者は老若男女、国籍を問わず、幅広い年齢層なのが特徴です。日本初・銀座初のお店が多いことから、独自商品を求める顧客も少なくありません。

・「GINZA PLACE」

2016年9月24日に開業した「GINZA PLACE」は、銀座4丁目交差点の一角という“超一等地”にあり、サッポロ不動産開発と株式会社つゞれやとの共同再開発事業として、旧サッポロ銀座ビルの建て替えにより誕生しました。外観デザインは伝統工芸である「FRETWORK(透かし彫り)」をモチーフに、「発展する銀座を象徴するような上昇感・高揚感のあるエレガントで個性のあるデザイン」に仕上げられ、銀座のランドマークとしてふさわしい姿を見せています。

GINZA PLACEには、ショップやレストラン、カフェといった店舗が充実していて、明治時代より銀座を拠点としてきたサッポログループの飲食店「銀座ライオン」や、建て替え前の日産自動車ショールームをリニューアルした「NISSAN CROSSING」が入居しています。さらには数寄屋橋交差点の一角で進むソニービルの建て替えに伴い、「ソニーストア銀座」などソニーグループが入居しています。

・「東急プラザ銀座」

2016 年3 月31 日開業したのが「東急プラザ銀座」です。銀座・数寄屋橋の新たなランドマークとして、125 店舗が出店する大型複合商業施設です。こちらも、銀座エリア最大級の商業施設として注目を浴びています。「Creative Japan~世界は、ここから、おもしろくなる。~」を開発コンセプトとし、伝統工芸である江戸切子をモチーフにした外観デザインや、格式の高い最新トレンドを取り入れた出店店舗など、伝統と革新が共存しているのが最大の魅力です。

また、商業施設だけでなく、6階および屋上部分には来場者がパブリックに使用できるスペースを設置しています。そのため、銀座における新たな“都市の広場=プラザ”という意味合いも含んでいるのです。まさに、次世代型の新たなライフスタイル・プレイスといえるでしょう。

銀座エリア:現在進行中の再開発

さらに現在も、銀座エリアでは次のような再開発が進行しています。

・「銀座ソニーパークプロジェクト」

「東急プラザ銀座」の向かい、数寄屋橋交差点の一角を占めていた「ソニービル」。1966年から銀座を象徴する建物の一つでしたが、2017年3月に営業を終了し、建て替え事業「銀座ソニーパークプロジェクト」が進められています。このプロジェクトでは、銀座の街を散策する人にもオープンな場所や空間を目指し、2020年の東京オリンピック、さらにはオリンピック後を見据えた2段階の開発を計画しています。

まず、第一段階として、2018年夏から2020年までは、公共スペース「銀座ソニーパーク」として利用されます。2020年の東京オリンピックを目前に、公園の少ない銀座の街に生まれるスペースから、世の中を巻き込んで世界へ発信していくことを構想しています。また、地下部分は「ローワーパーク」として、実験的な施設やラボを入居させる計画です。

さらに第二段階として、オリンピック終了後の2020年秋以降からは、2022年の竣工を目指し、新しいソニービルが建設されます。新しい建物の建築概要は未定ですが、「パーク」というコンセプトを継承し、「これまでに例をみないパブリックな空間を表現できる建築物」の設計が進められています。

・「(仮称)銀座五丁目ホテル計画」

「(仮称)銀座五丁目ホテル計画」は、三井不動産によるホテル建設プロジェクトで、東京都内では10番目に開業する三井ガーデンホテルとなります。「東銀座」駅から徒歩1分、銀座のメインストリートはもちろん、歌舞伎座や新橋演舞場に近く、築地エリアにも徒歩圏内と、国内外を問わず観光客を集める好立地にあります。2017年12月に着工し、開業は2019年秋を予定しています。

・「(仮称)銀座六丁目計画」

「GINZA SIX」がある銀座6丁目では、「(仮称)銀座六丁目計画」が進められています。このプロジェクトでは、野村不動産グループのNREG東芝不動産が主体となり、外堀通り「銀座西5丁目」交差点の角地に位置する「銀座第二東芝ビル」を解体、今後の訪日外国人旅行者の増加を見込んで、商業を主用途としたビルを開発する予定です。2017年11月に着工し、2019年6月竣工予定、2019年秋オープン予定です。

日比谷エリアの再開発:2018年注目の「東京ミッドタウン日比谷」

銀座に隣接する日比谷エリアでは、2018年3月にオープンした「東京ミッドタウン日比谷」です。東京ミッドタウン日比谷は、さまざまな商業施設が誕生している中において、2018年に最も注目されている大規模複合施設といっても過言ではありません。

東京ミッドタウン日比谷は、日比谷エリアの「国際ビジネス/芸術文化都心の街づくり」の中核を担うプロジェクトとしてスタートしています。具体的には、新産業創出の支援や、日比谷公園をはじめとする周辺の劇場・映画館と連携した、芸術文化発信の実現を目指しています。

2018年5月からは、国際ビジネスの街づくりとして、BASE Q「(仮称)日比谷ビジネス連携拠点」も始動しています。新たな価値の創出と、社会課題の解決を目指す人々が集う交流拠点として展開されることが期待されています。

その他にも、三井不動産・電通・EY Japanが連携して行う「(仮称)オープンイノベーションプログラム」において、観劇の街・日比谷の魅力を発信する「Hibiya Festival」などの開催も決定しています。

新橋エリアの再開発:「SL広場」「ニュー新橋ビル」も再開発対象に

銀座エリアに隣接し、”サラリーマンの聖地”として有名な新橋エリアでは、2020年以降を見据えた再開発計画が動き出しています。特にこのエリアは、虎ノ門エリア湾岸エリアの間にあり、BRT(bus rapid transit)計画においてはJR山手線との乗り換え地点とされるなど、オリンピック以降の発展が期待されるエリアです。現段階で、次のような再開発計画・構想があります。

・新橋駅西口地区

新橋駅西口地区では、「SL広場」、「ニュー新橋ビル」および隣接する新橋三丁目・四丁目の一部エリアを含む、約2.8ヘクタールにわたる区域での再開発計画が練られています。2016年3月に「新橋駅西口地区市街地再開発準備組合」が設立し、事業協力者として野村不動産とNTT都市開発が選定されています。今後、具体的な建設計画が策定される見通しです。

特に「ニュー新橋ビル」については、耐震性の懸念が指摘されているため、早急な再開発計画の策定が望まれます。東京都が2018年3月に公表した「耐震診断が義務付けられている建築物の耐震診断結果」によると、ニュー新橋ビルの安全性評価は「大規模の地震(震度6強から7に達する程度)の震動及び衝撃に対して倒壊し、又は崩壊する危険性が高い」となっています。

(参考)要緊急安全確認大規模建築物の耐震診断結果

・新橋駅東口地区

新橋駅東口地区では、「新橋駅前ビル(1号館・2号館)」を中心に、国道15号線(第一京浜)、外堀通り、JRの線路に囲まれた区域で、オリンピック後を見据えた再開発が検討されています。2017年3月に「新橋駅東口地区再開発協議会」が設立され、2018年末の再開発準備組合組成向けて準備が進められています。

・新橋田村町地区

新橋田村町地区は、愛宕下通り、外堀通り、日比谷通りの三方に囲まれた約1.2ヘクタールの区域で、新橋駅や内幸町駅、霞ヶ関駅、虎ノ門駅に近接した交通利便性の高い立地にあります。

この地区は従来、老朽化した建築物が多く、狭い敷地や道路によって土地の有効利用や防災面に課題がありました。再開発により、地上27階、高さ138.4メートルの複合ビルが建設されるとともに、地区内の道路の拡幅や新設が行われることで防災面の向上が期待されます。着工は2018年度の予定、工事完了は2021年度の予定です。

まとめ

以上、銀座・日比谷・新橋エリアの再開発を見てきました。これらのエリアは、世界でも有数の商業地として他エリアの追随を許さない銀座エリアを中心に、再開発によって街としての価値がさらに増幅され、今後も発展し続けることが予想されます。特にオリンピック以降は、新橋エリアの再開発の動向次第で、東京都心全体の魅力がより一層引き出されていくことでしょう。(提供:マンション経営online

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