いわゆる「大企業」に勤めているものの、上司や組織の意向に沿った仕事しかできず、フラストレーションを溜めている人も少なからずいることでしょう。中には「息の詰まる大企業で働いているのはもういやだ。もっと自由に振る舞えるベンチャーに転職したい!」と思っている人もいるのではないでしょうか。

確かに、大企業の中には旧態依然として組織が凝り固まっているところも少なくありません。しかし、世の中は「大企業勤務」というだけで一つのステータスと見なしています。そのステータスを捨ててベンチャーを選ぶのは一つの冒険です。思い切った転職をする前に、まずは大企業とベンチャーそれぞれのメリット・デメリットを理解しておくべきでしょう。

ここでは、「仕事量」「成長速度」「社会的信用」「待遇」の4つの視点から、両者のメリット・デメリットを解説します。

4つの視点で考える大企業とベンチャーのメリット・デメリット

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(写真=aslysun/Shutterstock.com)

●「仕事量」は圧倒的にベンチャーが多い
まずは、「仕事量」の視点から両者を比較してみましょう。大企業は「大」がつくだけあって、仕事量に対する社員数が充実しています。労働組合が強い会社の場合は、残業管理まで含めて、徹底的な配慮をした人員配置や仕事の配分を行っているところもあります。

したがって、大企業の仕事量というのは比較的余裕を持って処理できるレベルに収まる傾向です。もちろん、会社や部署によって違いはありますが、「常に仕事に追われていて、自宅には寝るために帰るだけ」といった大企業は少数派と考えていいでしょう。

これに対してベンチャーは、多くが人員不足に悩まされています。そのため、仕事量に対する人手が少なくなり、ひとり当たりの仕事量が大きくなりがちです。メガベンチャーと呼ばれる大企業レベルの規模を持つベンチャーでも、さすがにエリアや業務内容での担当分けはされているものの、仕事量が多いという点は変わらないようです。

●大企業最大の弱点が「成長速度」
次に「成長速度」の視点から両者を比較してみましょう。前述したように大企業のメリットは仕事量に余裕があり、私生活を充実させる時間も確保しやすくなるという点ですが、これはつまり「仕事にかける時間が短くなる」ということです。一方でベンチャーは、ひとり当たりの仕事量が多いので、私生活は犠牲になりがちです。しかし、裏を返せば「仕事にかける時間が長くなる」ということです。

例えば、同じ1ヵ月の期間でも、大企業では3回しか新しい仕事に挑戦できないところを、ベンチャーでは10回も挑戦できるといった状況が生まれるのです。1ヵ月で7回の差が生まれれば、1年では84回もの成長のチャンスに遭遇できます。このように考えると大企業の「仕事量に余裕がある」というメリットは、「成長速度が遅くなる」というデメリットと背中合わせだということがわかります。

同時にベンチャーの「仕事量が多くて忙しい」というデメリットは、「成長速度が速くなる」というメリットでもあるのです。もちろん、ベンチャーで働いていても、何も考えずに当たって砕けるようなことを繰り返しているのであれば、成長には程遠いのは言うまでもありません。しかし、その都度、自分の頭で考えて工夫できていれば、大企業で安寧の日々を送るよりも、ビジネスパーソンとしての経験値には大きな差が生まれているはずです。

●例外を除いてベンチャーの「社会的信用」は低い
続いて「社会的信用」の視点から両者を比較してみましょう。家族がいる人や、車や不動産といった高額な出費の予定がある人が大企業からベンチャーへの転職を考える際は、より慎重に準備と検討を重ねる必要があります。なぜなら、大企業に勤めていれば家族も安心でき、かつ銀行などからの借り入れも簡単になりますが、ベンチャーともなればそうはいかないからです。

詳しいことがわからない家族からすれば「そんなところに転職するの?」「もし会社がなくなったらどうするの?」と不安になるでしょう。また、銀行などもリスクを考慮して借り入れの上限額を低く設定する傾向にあります。もちろん、世間に名の知れたメガベンチャーなら話は別です。家族も安心し、銀行などもできるだけ大きな借入上限額を提示してくるでしょう。

しかし、そうしたケースはあくまでも例外。基本的にベンチャーの社会的信用は低いと考えておくべきです。もし、「それでも転職したい」という場合は、家族へ事前に説明が必要といえます。「なぜ転職したいのか?」「転職するリスクはどれくらいあるのか?」「万が一、仕事がなくなった場合はどうするのか?」を話すことで、安心してもらうことができるでしょう。

●「待遇」は大企業の圧勝
最後に比較するのは「待遇」ですが、これについては大企業で勤めている方が圧倒的に大きなメリットを得られます。大企業の待遇といえば、基本的な各種保険への加入はもちろん、出産・産後・育児・介護などに伴う休暇が比較的簡単に取得しやすいことです。また、さまざまな手当が充実していたり、中には従業員専用の療養施設を利用できたりするところもあります。

これに対してベンチャーの場合、各種手当や療養施設がないところがほとんどで、中には「試用期間中は社会保険適用なし」などと違法な条件で雇用をしているところもあるほどです。メガベンチャーや有名なベンチャーになるほどそうした問題は少なくなるでしょう。しかし、ほとんどの人が知らないようなベンチャーに転職する場合は、少なくとも各種保険が完備されているかだけでも確認しておくことが必要です。

「覚悟」があるならベンチャーは最高の舞台

「仕事量」「成長速度」「社会的信用」「待遇」の4つの視点から考えれば、ベンチャー企業が優れているのは「成長速度」だけということになります。そのため、「自由にのびのび働きたい」「今より楽しく仕事がしたい」程度でベンチャーに転職すると、十中八九後悔してしまいます。しかし、逆に「死に物狂いで働いて急速に成長したい」という人にとっては、理想的な職場になるはずです。これらを踏まえたうえで、大企業とベンチャー、どちらを選ぶべきかを検討してみてはいかがでしょうか。(提供:あしたの履歴書online


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