投資信託も他の金融商品と同様に、利益が出た場合、税金を支払う必要がある。その具体的なケースや確定申告を行う必要性について、順を追って見ていこう。

投資信託で税金が発生するタイミングは?

投資信託,税金,確定申告
(画像=PIXTA)

金融商品への投資において、税金が発生するのは、利益が確定したタイミングである。これは投資信託でも例外ではない。投資信託で利益が確定するのはどのような時だろう。

1つ目は分配金が支払われるタイミングである。投資信託の分配金は個別元本(投資信託購入金額)によって、利益となる普通分配金と元本の払い戻しとなる特別分配金に分けられる。税金は利益に対して発生するので、普通分配金のみ課税対象となる。

2つ目は実際に売却益が出たタイミングである。投資信託の売却時の価格が取得単価(個別元本+手数料)を上回っている場合、その差額は売却益として課税対象となる。

3つ目は投資信託が満期を迎える等で償還されるタイミングである。こちらも、売却益の場合と同様、償還時の単価が取得単価を上回っている場合、その差額(償還益)に課税されることとなる。

投資信託で利益が発生するのは、これら3つのタイミングである。それぞれどのように課税されるかを理解しておく必要があろう。

株式投資信託と公社債投資信託

税金の話を進める前に、投資信託には2つの種類があることを整理しておこう。株式投資信託と公社債投資信託である。

まずは株式投資信託であるが、約款上で株式を組み入れることができるようになっているものは全てこちらに分類される。株式を組み入れているものはもちろん、現状で株式を組み入れていなくても、約款上で株式の組み入れが認められているものは株式投資信託となる。債券を中心とした投資信託であっても、分類上、株式投資信託となる商品も多くある。

一方、公社債投資信託は、約款上で株式の組み入れが認められておらず、公社債やCP(コマーシャルペーパー)等で運用されるものを指す。

株式投資信託と公社債投資信託では、税金の取り扱いが異なるため、自身の保有する投資信託がどちらに分類されるのかを、約款等で確認しておく必要がある。

次に、それぞれの税金や確定申告の必要性について説明していこう。なお、今回は株式投資信託、公社債投資信託ともに、公募型のものについての説明となる。

株式投資信託の売却益、償還益への課税

株式投資信託の売却益や償還益の課税については、上場株式の譲渡益と同様の扱いとなる。所得税15%、住民税5%に、2037年末までは復興特別所得税の0.315%が加算され、合計で20.315%の申告分離課税が適用される。

株式投資信託の売却益や償還益は、原則として確定申告が必要である。ただし源泉徴収ありの特定口座で取引を行っている場合、特定口座内で課税手続きは終了するため、確定申告は不要となる。

株式投資信託の分配金への課税

株式投資信託の分配金への課税は、上場株式の配当金と同様の課税体系となっており、税率は売却益への課税と等しく、20.315%である。

分配金については、支払時に源泉徴収による課税が行われるため、確定申告は不要である、ただし、次のケースでは確定申告を行うことで有利となる場合もある。

1つ目は上場株式や投資信託等の譲渡損失等と損益通算を行うケースである。他の金融機関での取引分や、一般口座等との通算を行うことで、利益分に掛かる課税額を減らすことができる。この場合、確定申告で申告分離課税を選択する必要がある。

2つ目は配当控除を活用するケースである、株式投資信託の分配金への課税は、上場株式の配当金と同様に配当所得に分類されるため、確定申告時に総合課税を選択することで配当控除を活用することができる。

この2つのケースについては後述する。