亡くなった人の財産は、法定相続人や遺贈者に相続されます。それでは、財産の相続方法が決まるまではいったいだれが管理するのでしょうか。もし、財産の管理ができていなければ、不当に財産を使われてしまう可能性があります。相続人が見つからない場合は国のものとなってしまうかもしれません。

この記事では相続財産の管理について、家族がいる場合とそうでない場合に分けて解説します。生前からの相続対策を考えるなら、民事信託をおすすめする理由にも触れます。

相続財産は分割まで誰が管理するのか

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(写真=beeboys/Shutterstock.com)

財産を相続する根拠となる遺言書の検認や遺産分割協議が終わるまでは、相続人のうち誰の所有物であるかは決まっていません。民法第898条によると、被相続人が亡くなった後の相続財産は相続人が共有するものです。遺産分割協議が終了するまでは共有状態が続くのです。管理を任された人は勝手に処分しないように注意してください。

相続人は法律によって定められています。法定相続人となるのは原則的に配偶者と子ですが、子がいない場合は孫、さらにその直系卑属です。直系卑属がいない場合は逆に被相続人の親に変わることもあります。親が亡くなっている場合は被相続人の兄弟となっており、相続人の決定方法は複雑であることが分かるでしょう。

共有状態の財産は一人の意思で動かすことはできません。例えば凍結された口座の引き出しや不動産の登記変更は共有者全員の同意が求められるので、法定相続人を定めなければスムーズに事を進めることはできません。

相続財産管理人はどのように申し立てるのか

法定相続人がいる場合はそのうちの誰かが財産を管理することになりますが、法定相続人が明らかにならない場合はどうなるのでしょうか。このような時は家庭裁判所が相続財産管理人を選任します。相続財産管理人が、本来法定相続人がするべき財産の精算や遺言の執行、被相続人と特別に縁故があった人(特別縁故者)への財産分与などを進めることができます。最終的に残った財産は国のものになります。

相続財産管理人選任を申し立てられるのは、利害関係のある被相続人の債権者や特定遺贈を受けた人、特別縁故者です。誰も申し立てない場合は検察官が申し立てます。申立先は被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。

相続財産管理人を申し立てるためには専用の申立書の他に被相続人の戸籍謄本、法定相続人が出生してから死亡するまでの戸籍謄本などが必要になります。相続財産管理人は適任であれば弁護士や司法書士の資格を持たない人でも選ばれることがあり、親族を選ぶことあり得ます。

争続を避けるための民事信託を知る

相続財産を家族が共有管理する場合に気を付けたいのが遺産分割時の争いや財産の不正使用です。遺産分割の方法は法律で決まっているものの、遺言で具体的な分割方法が指定されていない場合は相続人の合意で決められます。遺産分割協議が長引けば、親族内の関係性が損なわれることもあるでしょう。

このようなトラブルを見越して財産を金融機関やその他の業者、家族に信託する方法があります。営利を問わないものを一般的に民事信託と呼びます。信託とは自分の大切な財産を管理・運用してもらうことで、大病や認知症を患い自分で財産管理ができなくなった時や、遺産分割が終わるまでの遺産の管理者を決めておきたいとき、遺言では決められない財産を承継したいときに便利です。

相続財産の管理は生前から話し合っておこう

相続財産の管理を誰かに任せるときは、財産を悪用されるリスクを考えて行動しましょう。家族に管理してもらう場合も金融機関をはじめ業者に管理してもらう場合も、生前から相続人と話し合っておくことが大切です。相続人がいない場合は、相続財産管理人の制度を覚えておきましょう。(提供:プレミアサロン

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