高齢化が急速に進むなか、公的年金だけに頼るのではなく、自分でも老後のためのお金を準備して将来に備える時代が訪れています。昨今、個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」が、老後資産を準備する手段として注目を集めています。

しかし、iDeCoは年金なので、積み立てたお金を受け取れるのは原則60歳以降からというルールがあります。そうなると、加入後、万一60歳になる前に死亡してしまった場合はどうなるのでしょうか。そこで今回は、iDeCoに加入・運用中に死亡してしまったらどうなるのか、整理して紹介していきます。

iDeCo(イデコ)加入者が死亡した場合の積立金のゆくえは?

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(写真=Iakov Filimonov/Shutterstock.com)

そもそもiDeCoは私的年金ですから、60歳以降での受け取りが基本で、それまで運用してきたお金を「老齢給付金」として受け取ることになります。しかし60歳になる前にiDeCoの加入者が死亡した場合には、それまで積み立てたお金は「死亡一時金」となり、加入者の遺族にお金が支払われます。

死亡一時金を受け取れる遺族は配偶者、子ども、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹など、死亡した人の収入で生計を維持していた人で、相続順位が定められています。加入者があらかじめ死亡一時金の受取人を金融機関(運営管理機関)に指定しておくこともできます。

受け取れる死亡一時金は、それまで積み立て・運用してきたお金の相当額(個人別管理資産額)となります。ただし自動的に支払われるわけではなく、遺族による裁定請求が必要となります。

請求は加入者の状況によっても違いますが、基本的には金融機関(運営管理機関)へ「加入者死亡届」を提出。また死亡した加入者の年金資産を管理する、記録関連運営機関に対して「死亡一時金裁定請求書」を提出するといった手順を踏みます。

さらに死亡一時金は「みなし相続財産」として相続税の課税対象となり、非課税限度額は500万円×法定相続人の数となります。例えば子ども2人が法定相続人の場合は、500万円×2=1,000万円が非課税限度枠となります。ただし、裁定請求が死亡から5年を超えるとみなし相続財産ではなく、死亡した人の相続財産としての取扱となりますので注意が必要です。

60歳未満で積立金を受け取ることができる3つの条件

冒頭でiDeCoは60歳にならないと受け取ることができないとお伝えしましたが、例外が3つあります。そのうちの1つが、ここまで説明をしてきた「加入者が死亡したとき」です。2つ目は加入者が高度障害者となった場合。これは、法令で定められた高度障害となったときに、加入年数に関係なく障害給付金の支給が受けられるというものです。

そして3つ目は、脱退一時金として支払われるパターンです。しかし2017年1月に行われた法改正で、iDeCoに加入できる範囲が拡大した代わりに、脱退一時金がもらえる要件が厳しくなりました。生活保護受給中の法定免除者や学生納付特例適用者など、適用となる門戸は狭く、基本的に脱退一時金をもらえるのはレアケースと考えたほうがよいでしょう。

iDeCo(イデコ)は万一の時にも相続できる

iDeCoは本来の目的、つまり老後資産を作るという観点でいえば、60歳になって初めて積み立てたお金を受け取れるのはメリットでしょう。なぜなら、簡単に引き出せる仕組みだと、ついついお金を使ってしまい、結局老後のためのお金が貯まらなかった……ということになりかねません。iDeCoはそういった「ついつい使ってしまう」ということがないので、老後の資産形成に向けて一助になることは間違いありません。

また、加入者が死亡しても遺族がお金を受け取ることができるので、「死亡したら運用してきたお金がムダになる」という不安を持つ必要はありません。しかし遺族側での手続きが必要になるため、あらかじめ死亡一時金の受取人を指定しておく、またはiDeCoへの積み立て状況や自分が死亡したときにはどのようにしたらいいのかを説明しておくと、加入者もその家族も安心できるでしょう。(提供:iDeCo online


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