「五反田バレー」と聞くと「どこのバレー部?」と勘違いされそうですが、そうではありません。2018年7月、東京・五反田に本社を置くIT関連のベンチャー企業6社が「一般社団法人五反田バレー」を設立しました。資金調達や人材確保など、創業時の企業に重くのしかかる課題に対して相互に支援し合い、アメリカのシリコンバレーのようなベンチャー企業の集積を目指しています。一昔前は渋谷が「ビットバレー」と呼ばれて注目されていましたが、それがいま五反田へと移りつつあり、今回の五反田バレーの発足はその象徴的な出来事といっていいでしょう。

五反田が注目されている理由とは

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(写真=WHYFRAME/Shutterstock.com)

なぜ、いま五反田なのか、それにはいくつかの理由が挙げられます。主なものは――。

・オフィスの賃料が安い
山手線で渋谷から3駅、品川駅からも2駅で、都営地下鉄浅草線、東急池上線も利用できアクセスに恵まれています。それでいて渋谷に比べるとオフィス賃料が安く、IT関連のスタートアップ企業が創業しやすくなっています。

・賃貸住宅の賃料も安い
五反田は都心にありながら、池田山、御殿山など古くから知られる住宅地があり、周辺には賃貸住宅もあります。賃料が比較的安く、スタートアップ企業で働く若い社員でも住みやすく、企業側からすれば人材確保が容易になるというメリットがあります。

・今後再開発が本格化
五反田駅の西にはビジネス街が広がっており、現在「ゆうぽうと」「TOCビル」など1970年代から80年代にかけて建設された大型ビルの大規模な再開発が進められています。大手企業の進出などが想定され、ビジネス街としてのイメージアップも期待されます。

渋谷のオフィスの半分以下の賃料で入居できる

山手線のオフィス賃料をみると、渋谷駅は大規模ビルだと坪(3.3平方メートル)当たり3万円を超えますが、五反田駅なら2万円台前半が中心です。スタートアップ企業のニーズに合う30坪前後のオフィスだと渋谷駅は坪2万円台後半から3万円近くに達するのに対して、五反田駅なら1万2,000円前後とほぼ半分の負担ですみます。

加えて渋谷駅では各所で再開発が進んでビルの大型化が加速され、スタートアップ企業が求める中小規模のオフィスが減少しつつあるといった事情もあります。

賃貸住宅の賃料についても同じことが言えます。比較的若い世代のニーズに合う1LDK~2DKの賃貸マンション相場をみると、渋谷駅の相場が17.8万円に対して、五反田駅は14.8万円です。これなら、多少の家賃補助などがあれば会社から徒歩圏内に住むことも可能になるでしょう。実際、IT関連の若いエンジニアなどは五反田生活を満喫しています。もともと飲食街も充実していて、千代田区や港区、渋谷区などの繁華街と違ってリーズナブルな価格帯の店が多く、若い世代を中心にコストパフォーマンスの高いエリアとして人気を集めています。

職住近接の活気あふれるエリアに変貌

山手線では隣接する大崎駅で一足早く大規模な再開発が進んでいますが、五反田駅でも品川区が中心になって新たな街づくりが進められています。五反田駅周辺を「にぎわい拠点①」として五反田駅の表玄関と位置づけ、山手通りと国道1号線が交差する北側のTOC周辺では商業施設の集積を進めます。国道1号線南側のゆうぽうと周辺では文化施設や街に開かれた広場などを整備して、回遊性のある街づくりを目指しています。
山手線と山手通りとの間には目黒川が流れ、桜並木などの自然にも恵まれています。IT関連の活気あふれる企業が集積、そこで働く人たちが職住近接の住まいを得て、地元での文化やグルメなどを満喫する――五反田はそんな活気あふれるエリアに変貌しようとしています。5年後、10年後への期待が高まります。 (提供:Wealth Window


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