筑波大学の研究チームは8月下旬、飲み放題が大学生の飲酒行動に与える影響に関する調査結果を発表した。調査は、関東の31大学35学部の学生533人を対象に実施。95.8%と、ほぼ全ての学生が飲み放題の利用経験があった。

飲み放題経験者を対象に、飲み放題利用時と非利用時の飲酒量を調べたところ、飲み放題時の飲酒量は、男子学生で1.8倍、女性学生で1.7倍に上っていることが明らかになった。

男子の4割、女子の3割は飲み放題時に限り、適量の3倍アルコールを摂取

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(画像=キャリコネニュース)

また、男子の39.8%、女子の30.3%は、飲み放題時に限り「一時的多量飲酒」(HED)という危険な飲み方をしていることも判明した。

HEDとは、一回の飲酒機会で純アルコール60グラム以上を摂取した状態のことを指す。アルコール度数5%のビール500ミリリットル缶では3本分、度数15%の日本酒であれば3合程度で、純アルコール60グラムに達する。厚労省は1日のアルコール摂取量について、純アルコール20グラムを目安としているが、HEDはこの3倍にあたる。

これらの結果から研究チームは、

「日本人の4~5割はアルコールが飲めない、あるいはとても弱い体質であることが明らかにされています。これらの学生が飲み放題利用時に、通常の2倍近いアルコールを摂取している可能性があることは、きわめて危険だと考えられます」

と指摘している。

日本での飲み放題規制は積極的な検討がされていない「日本には日本の実情」

2010年にWHOが採択した「アルコールの有害な使用を減らす世界戦略」では、飲食店の飲み放題の制限についても言及している。多量飲酒、未成年者の飲酒防止が目的とされている。

ただ、日本では飲み放題の規制や制限について、検討される様子はない。厚労省は昨年4月、キャリコネニュースの取材に対し、

「WHOの採択に法的拘束力はありませんし、あれは各国の酒害対策の例をまとめたものに過ぎません。もし実施するとしたら、商業面の話ですから経済産業省なども関わってきます。日本には日本の実情がありますので」

と回答している。筑波大学の研究チームは、今後は更に調査を進め、「大学生に対し、飲み放題の利用が自分達の飲酒量に与える影響を知り、サービスを提供する側もそのあり方について議論していく必要があると考えます」ともコメントしていた。(提供=キャリコネニュース)

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