「新たな価値を生み出すマーケットプレイスの創造」を標ぼうして山田親太朗氏が株式会社メルカリを立ち上げたのが2013年です。あれからわずか5年でフリマアプリは主に若年層女性の支持を得てすっかり日常に浸透し、国内ユーザー数は1,000万人を超えています。そんな株式会社メルカリ<4385>が2018年6月19日に東証マザーズに上場し、個人投資家の話題をさらいました。

IPOで資産が1,170億円に

IPO
(写真=StockEU/Shutterstock.com)

株式会社メルカリのIPOにより創業者である山田氏が保有する株式の評価額は公開時点で1,170億円、ドル換算で10億ドルに達し、いわゆる「ビリオネア」に名を連ねました。山田氏だけではありません。創業時から3億円を出資していたユナイテッド株式会社<2497>(金子陽三社長)は、IPOにより128億円のリターンを確保しました。アドテクノロジー・コンテンツ・インベストメントを主力事業とするユナイテッド株式会社は、新たな再投資先を探しています。

株式会社メリカリの事例は、ユナイテッド株式会社のようなベンチャーキャピタルによるスタートアップ企業の育成と、株式上場によるリターンの再投資という「成功の循環モデル」が日本でも通用することを証明しました。株式会社メルカリ自身もIPOで調達した資金を元手に、事業拡大やM&A(企業買収)によるさらなる成長が期待されます。

絶好調が続くIPO市場

IPO(Initial Public Offering)とは新規株式公開の略です。創業者やベンチャー出資者が所有するまたは新規に発行する株式を公開価格で一般株式に売却、その後に上場され取引所での売買が可能になります。IPOの狙いは、株式発行による事業資金の調達と、未公開株式の売却による「創業者利益」です。 そんなIPOが、個人投資家の注目を一身に浴びています。

東証マザーズが2018年8月に年初来安値を記録するなど新興株市場全般が振るわない中で、IPOは依然、絶好調です。2018年8月22日に経費精算・勤怠管理の株式会社チームスピリット<4397>の初値は公開価格の2倍超を記録、これで2018年度にIPOを果たした32社の初値は全て公開価格を超えたことになります。うち14社は2倍を超えています。初値の公開価格超えは40社連続で、これは2013年の49社連続につぐ過熱ぶりです。

IPO投資は「狭き門」

ところが、「確実に儲かる」と評判のIPO株を入手するのは至難の業です。そもそもIPO幹事会社を務めることも多い大手証券会社の場合、割当株式のうち9割近くは裁量配分(営業が資産家などの優良顧客に回す分)に充当され、抽選に回る分は全体の1割程度に過ぎません。この結果、IPOの抽選倍率は、上述のメルカリIPOの場合で50倍を超えたといわれています。

ただし、IPO抽選への応募は手数料がかかるわけではありません。証券口座を複数開設し、ひたすら抽選に応募し続ければいつかは幸運に恵まれるかもしれません。IPO銘柄情報はブックビルディング(抽選募集)の1~2週間前には証券会社のHPに掲載されます。ちなみにブックビルディング応募に際しては、多くの証券会社が購入価格に相当する残高の入金を必須としています。手数料がかからないにせよ、一定の投資資金確保は欠かせません。

株式投資型クラウドファンディング-この夢に乗るか

それでは、IPO前のスタートアップ企業に個人で投資する方法はないのでしょうか。最近では、WEBを通じて個人投資家が小口の資金をスタートアップ企業に出資できるクラウドファンディングが浸透しつつあり、2018年度には出資額が1,000億円を超えると予測されています。3年前に株式型のクラウドも解禁され(出資上限は1億円)、個人は50万円まで出資できます。

失敗するリスクが高い反面、成功すれば大きなリターンが期待できます。ちなみにベンチャー投資に期待されるリターンは10年間で2倍程度とされています。ただし、未公開株売買の市場は上場株式とは違って未整備で、スタートアップ企業への出資は発行体がIPOする(または他企業に買収される)まで長期間待たなければなりません。

クラウド投資に当たっては、投資回収には時間がかかることを踏まえたうえで、「長い目で育てる」つもりで、ポリシーや理念に賛同できる企業や仲介会社を選ぶスタンスが望まれます。(提供:Wealth Window


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