最近、テレビCMでも話題になっている個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」ですが、企業が掛金を従業員の年金として積み立てる「企業型確定拠出年金(企業型DC)」という制度もあり、導入企業も年々増えています。

確定拠出年金は、積み立てた年金資産を持ち運べるシステムになっているものの、転職先の会社に企業型DCが無くどうしたらよいのかわからなかったり、手続きが面倒だったりして「放置」している人もいるようです。

今回はそのような人のために、放置している年金資産をどうしたらよいのかを説明します。

働き方が多様化しているからこそ、確定拠出年金の状況確認は必要?

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(写真=prasit2512/Shutterstock.com)

長く1 つの会社で勤めている人は、会社で手続きを聞けば自分の確定拠出年金の状況確認方法を教えてもらえますが、会社を退職・転職した人は要注意です。過去に在籍していた会社で企業型確定拠出年金(企業型DC)に加入していた場合、必要な手続きをとっていなければ、運用資産がほったらかしになっているおそれもあるのです。

働き方が多様化し、正社員で働いた後にフリーランスになった・主婦になった・公務員に転身したなど、終身雇用ではなく自分の生き方を大切にする世の中に変わっています。結婚・出産後も働く選択肢を持つ女性が増えています。ご自身がこれまで在籍した会社で確定拠出年金がどのような状況だったのかを確認しておかなければ、気づいた時には、どの会社にいた時にどうしていたのかが分からなくなり、手続きがより煩雑になるおそれもあるのです。

会社で確定拠出年金を拠出していた可能性がある人は、早めに確認を行い、必要な手続きをとることが肝心です。

手続きを怠れば自動移換 デメリットはある?

企業型DCに加入していた人が転職や退職で企業型DCの加入資格を失った場合、年金資産を移管する、または脱退一時金を受け取るといった手続きが必要です。しかし、必要な手続きを取らないまま6ヵ月を過ぎると、国民年金基金連合会に年金資産が移し換えられることになります。これを自動移換といいます。

年金資産が自動移換されると、いくつかのデメリットがあります。まずは、移換の際、それまで投資信託や定期預金などで運用していた資産は自動的に売却、現金化されてしまいますので、利息や運用益を得ることができません。また、移換中は確定拠出年金の加入期間に算入されませんので、将来、老齢給付金を受け取る時期が遅くなる可能性もあります。

さらに、自動移換される際は数千円の事務手数料がかかる他、毎月51円ずつの手数料が資産から差し引かれます。この毎月の手数料は、年金資産の残高が無くなるまで、または給付金を受け取るまでずっとかかり続けますし、移管されたままだと老齢給付金や障害給付金を受け取ることもできませんので、早めに必要な手続きを取る方が良いでしょう。

自動移換された確定拠出年金はどういう手続きが必要なの?

自動移換されて放置されていた年金資産は、転職先の企業型DCに移す他、iDeCo(イデコ)に移す、脱退するという方法もあります。それぞれどのような手続きが必要かを見ていきましょう。

● 転職先の企業型確定拠出年金に移す

転職先の会社が企業型DCを行っていれば、自動移換された資産を企業型DCに移すことができます。必要な手続きは、転職先に問い合わせてみましょう。また、転職先の企業型確定拠出年金規約によっては、同時にiDeCoにも加入できる場合もありますので、年金資産を増やしたい場合にはiDeCoへの加入も検討しましょう。

● iDeCo(イデコ)に移す

転職先の会社に企業年金制度がない場合や、企業年金があっても会社の規約によりiDeCoにも加入できる場合があります。まずは、転職先の会社にiDeCoへ加入が可能か確認してみましょう。また、現在は働いていない方や、配偶者等の扶養対象になっている方もiDeCoに加入できます。身近な金融機関で、iDeCoに加入したいと相談すれば手続き方法を案内してくれるでしょう。

iDeCoに資産を移す場合、所定の手数料がかかることがあります。また、新たに掛金を拠出する「加入者」となる他、移管された資産の運用だけを行う「運用指図者」となる方法もあります。

● 脱退要件を満たす場合は脱退もできる

確定拠出年金は、基本的に60歳まで中途脱退することができません。よって、脱退一時金を受け取って脱退することができるのは、法令で定める要件を満たす場合に限られます。要件は退職(加入資格喪失)した時期によって異なり、自動移換された年金資産を管理している特定運営管理機関のホームページ等で確認できます。

● 放置する

脱退要件を満たすことができず、企業型DCに加入することもできない場合はiDeCoに加入、資産を移すことになりますが、iDeCoに加入しても最低でも年額6万円の掛金を拠出することができなければ、運用指図者となります。この場合、運用益を上げなければ、手数料が差し引かれ資産が目減りしてしまうため、掛金を拠出できるまで放置するという選択もあります。しかし、放置しておくと前述のようなデメリットがありますので、なるべく早く手続きをしておくことが賢明です。

確定拠出年金は老後のことを考えて手続き・運用を

もしも転職や退職を機に過去の確定拠出年金の手続きをほったらかしにしていた人がいたら、まずは自分の確定拠出年金の状況をよく確認しておきましょう。特に女性の場合は、結婚を機に名前や住所が変わる人が多いので注意が必要です。

若い時には確定拠出年金にあまり興味がない、分からないから放置しておこうと思っていたとしても、歳を重ねるごとにその重要性に気づき、後から「やっぱりあの時に手続きをしておけばよかった」と思うかもしれません。後で後悔することのないように、早め早めの手続きを心掛けるのが肝心だといえます。(提供:iDeCo online

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