目次

  1. 「外交エリアは半径500メートル、対象はオーナー社長のみ」が掟
  2. 胸ポケットに録音機 飛び込み時の掛け声と相手の反応を分析する
  3. 2年目と3年目の動き
  4. 「超・重点対象先10件」の選び方、見極め方とは?
  5. 超優良企業のオーナー社長への継続外交の手法とは?
  6. 月間コミッションの内訳
  7. 修練制度から帰国後、CEO表彰を取れた理由とは?
  8. 起業、IFA、今後のビジョンは
元野村證券CEO表彰者が語る「オーナー社長に特化した新規開拓」Japan Asset Management代表 堀江智生
(画像=ZUU)
堀江智生(ほりえ・ともお)
株式会社Japan Asset Management代表取締役。2010年、慶應義塾大学経済学部卒業。野村證券入社後、優績者のみが選抜される海外修練制度一期生としてサンフランシスコに派遣。シリコンバレーでスタートアップの立ち上げを経験し帰国。2015年度CEO表彰受賞。2016年、野村香港インターナショナルに出向し、機関投資家営業業務に従事。2018年、日本の金融業界を変革するため、株式会社Japan Asset Managementを創業。

聞き手:元野村證券のZUU online編集部 菅野陽平
インタビューは2018年10月2日に実施

「外交エリアは半径500メートル、対象はオーナー社長のみ」が掟

——堀江さんは野村證券内では有名なセールスで、私も以前から存じ上げておりました。改めて堀江さんの野村證券1年目を振り返って頂けますでしょうか?

初任地は大阪のなんば支店でした。インストラクターから「オーナーを対象に外交しろ。むしろオーナー外交しかやるな」と言われており、オーナー社長に絞って外交を始めました。もちろん預かり資産ゼロ、担当顧客ゼロからの出発です。徹底してましたね。オーナー社長以外の口座は担当させてもらえなかったんですよ。受付の女性が「頑張っているから口座あけてあげるよ」と言ってくれて、口座開設できても、なぜか担当が僕以外になるシステムだったんですよ(笑)

——どういった外交手法だったのですか?

これもインストラクターが結構変わっていまして「半径500メートルのエリアを1年間、飛び込みし続ける」という方法でした。1棟に数十社が入居しているビルが列なっているオフィス街でして、半径500メートルのなかに1000件くらいの法人があったと思います。優良な非上場企業がたくさん集まっているエリアで、そこをひたすら回るみたいな感じでしたね。

1日に100〜200件くらい飛び込み外交するので、1週間とか2週間で全部回り切っちゃうんですよ。でもインストラクターは他のエリアに行くことを許さない。だから、めちゃくちゃしんどかったですね。「また来たのか!」と怒られ続けるので。クレームもたくさんありましたし。でも証券営業って「クレームは悪いことじゃない」みたいな文化があるじゃないですか(笑)

——ありますね(笑)

イントラもクレームを受けたことは全然怒らず、むしろめちゃくちゃ怒っている人がいたら飛んできてくれたりしましたね。クレームを受けたけど、その後お客さんになったケースもありましたし。

——1年目終了時の開拓件数と預かり資産残高はどのくらいだったのでしょうか?

当時の野村證券の新人は「1年間で100件10億」が目標になっていましたが、最終的な口座開設件数は101件だったと思います。でも、それは件数にこだわった外交だったからで、預かりはそんなになかったんですよ。たぶん2億弱くらいですかね。同期1位が5億くらいだったと思います。

「この半径500メートルのエリアのなかで本当に起こしたい先10件のリストを作れ」「1件で1億円以上預けて頂ける先を、10件選定するのに1年間使え」という指示を受けていて、ヒアリングもしながら、そのリストを作るのに1年間かけました。生え抜き3年間(入社1〜3年目)のどこかで開拓できればいい、1年目は絶対に開拓できないからと言われていました。訪問し続けること、その10件のリストを作ることに価値があるという考え方の人だったので、インストラクターを信じてやっていましたね。

——1年目の開拓件数は比較的順調に推移したのですか?

初めての口座開設は早かったですね。外交を始めて3日目だったと思います。当時は入社2ヶ月くらい研修期間があったので、6月から外交デビューとして、月10件開拓したらちょうど100件開拓だったんですけど、どの月も7、8件くらいは開拓していましたね。1月が終わった時点で70件くらいでして、2月と3月に15件くらいずつ開拓してなんとか100件到達、といった推移だったと思います。

唯一1年目に取れた大きな契約は、50万ドルの外債でした。ずっと通い続けていたら社長が根負けして「200万ドルくらいドル預金があるから、付き合いで50万ドルくらいやってやるか」みたいな契約だったんですけど、それが一番の成功体験ですね。でも資金導入は同期でも下のほうでした。新規開拓件数は上位1~2割だったと思いますが。

胸ポケットに録音機 飛び込み時の掛け声と相手の反応を分析する

——電話外交はされていましたか?

1年目はほとんど電話外交してないですね。毎日150件くらい飛び込みする日々でした。そうは言っても1日中やっているので、いろいろ工夫はしていました。例えば飛び込みの際の声を常に録音していました。胸ポケットに録音機を忍ばせて。