株式や投資信託で得た譲渡益・配当金・分配金が非課税になるNISA。2018年からはコツコツ型の投資家に向いているといわれる「つみたてNISA」がスタートし脚光を浴びています。話題性が高いNISAですが、メディアで取り上げられるときはメリット先行で紹介されるケースが大半です。そこで、今回はNISAのデメリットにフォーカスして解説していきます。

今話題の「つみたてNISA」を牽引するのは20代〜30代

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(写真=KieferPix/Shutterstock.com)

NISAのデメリットの解説に入る前に、まずは直近の利用状況をざっと確認してみましょう。金融庁によれば、2018年6月末時点の一般NISA、つみたてNISAを合わせた累計口座数は1,197万1,125口座です。資産運用に興味のある層を中心に着実に利用者数を伸ばしています。世代別で見てみると、中高年世代がやや多いものの、幅広い世代に浸透している印象です。下記が2018年6月末時点における世代別の比率です。

・20代:4.8%
・30代:10.9%
・40代:15.6%
・50代:16.6%
・60代:22%
・70代:18.9%
・80代以上:8.9%
出所:金融庁「NISA口座の利用状況調査

「つみたてNISA」に限って見ると、2018年1月の開始直後はもちろん、2018年3月末~6月末の3ヵ月間も順調に口座数を伸ばし、36%の増加となりました。世代別では、20代が43%増、30代が36%増と若い世代が全体をけん引しています。

NISAのメリットは、譲渡益・配当金・分配金の非課税効果

NISAがここまで多くの支持を集める理由は、(一定限度内で)譲渡益・配当金・分配金が非課税になることが大きいです。具体的な期間や上限額は次の通りです。

・一般NISA……非課税期間5年間、年額120万円が上限
・ つみたてNISA……非課税期間20年間、年額40万円が上限

この節税メリットを武器に口座開設数を拡大しているNISAですが、デメリットである「損益通算できない」「損失を繰り越せない」について理解しないまま利用しているケースも見受けられます。

NISAのデメリット「損益通算できない」「損失を繰り越せない」

NISAの2つのデメリットをそれぞれ詳しく見ていきましょう。

・NISAのデメリット:損益通算できない
損益通算とは、ある事業で発生した利益・損失を、他の事業で得た収入と相殺できる仕組みです。株式投資、投資信託、債券は分離課税であり、他の所得との合算は出来ませんが、株式投資、投資信託、債券の損益を合算(相殺)し、利益が出た額が課税対象になります。さらに、相殺した額が0円以下であれば、課税されないことになります。なお、相殺の対象となる期間は毎年1月1日から12月31日です。

例えば、口座Aで損失が出た一方で、口座Bで利益が出たときは、利益と損失を合算(相殺)した額が課税対象になります。NISA口座で投資をすると一般口座や特定口座との損益通算が使えないため、NISA口座以外の株式投資、投資信託、債券などで損失を出しても損益通算ができません。

・NISAのデメリット:損失を繰り越せない
その年の利益と損失を相殺した結果、損失の方が大きい場合は、その損失を次年度以降に繰り越すこともできます。例えば、今年、損失が発生した場合、それを繰り越して来年の利益と相殺し、課税所得を圧縮できるのです。なお、損失を繰り越せる期間は翌年から3年間です。一方で、損益通算と同様、NISA口座で投資をしている場合は、損失の繰り越しはできないというデメリットがあります。

【例】
・1年目:株式投資の損失が100万円
 課税対象:0円
・2年目:株式投資の利益が50万円
 課税対象:0円(利益50万円-1年目の損失繰越額100万円=-50万円)
・3年目:株式投資の利益が70万円
 課税対象:20万円(利益70万円-1年目・2年目からの損失繰越額50万円=20万円)
損失を3年まで繰越し、利益と相殺できる

損失が出ることも想定した上でNISAを利用すべき

投資に絶対はなく、長い運用期間の中で損失が出ることもあるかもしれません。NISAがスタートした2014年以降、株式、投資信託の大半は安定または成長の局面にあります。ここで解説したデメリットもきちんと理解したうえで、賢く運用していきましょう。(提供=アセット online)