老後の資産形成の一助として、確定拠出年金に注目が集まっています。確定拠出年金は企業型確定拠出年金(DC)と個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」に分かれます。

企業型確定拠出年金の場合、企業が拠出する掛金にプラスして自分でも掛金を拠出できる制度があるのをご存知でしょうか。今回は、その制度について詳しく見ていきましょう。

企業型確定拠出年金のマッチング拠出ってどんなもの?

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(写真=Gorodenkoff/Shutterstock.com)

企業型確定拠出年金(DC)では、企業が掛金を支払ってくれます。これに加えて従業員が自分で掛金を上乗せして支払うことができる制度をマッチング拠出といいます。2012年から始まったこの制度では、企業の掛金と従業員が上乗せする掛金の合計額分を、自分で商品を選択して運用することができます。ただし、従業員が拠出できる掛金は拠出限度額の範囲内であることや、企業の掛金額を超えないなどのルールが設けられています。また、マッチング拠出は企業が導入している場合のみ活用することができます。

なお、従業員が上乗せして支払う掛金は個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」と同じように全額所得控除の対象となりますし、運用益は非課税です。加えて、60歳以降の受け取りも年金形式か一時金形式、年金と一時金併用の3種類から選ぶことができます。

マッチング拠出を活用する、掛金はいくらでも支払える?

それでは実際にマッチング拠出をする場合、掛金がどのようになるのかを確認します。マッチング拠出をする際の掛金の上限は厚生年金基金や確定給付企業年金などの他の企業年金があるかないかで上限金額が異なります。

月額 年額
他の企業年金がある場合 2万7,500円 33万円
他の企業年金がない場合 5万5,000円 66万円

また、上述したとおり、マッチング拠出の上限額については「企業の掛金と同額まで」「企業の掛金と加入者自身の掛金の合計が元の上限限度額を超えていないこと」の2つをクリアしている必要があります。

企業年金がある会社のケースで考えてみましょう。

  • 企業の掛金が1万円の場合 従業員の掛金は企業の掛金を上回ってはいけないため従業員の掛金上限額は1万円となる
  • 企業の掛金が1万5,000円の場合、従業員の掛金は企業の掛金との合算で月額上限額を上回ってはいけないため、従業員の掛金上限額は1万2,500円となる

いくら企業が拠出してくれているからとはいえ、自分の退職後の老後資産の積み立てです。マッチング拠出を活用するほうがよいのか、活用する場合は毎月いくら積み上げるのがよいのか、ライフプランを見据えてよく考えるようにしましょう。

会社を転職・退職する時の取り扱い

もし、マッチング拠出をして企業型確定拠出年金を積み立てるとしても、キャリアチェンジや結婚・出産により退職することもあるかもしれません。その時、これまで積み立てた企業型確定拠出年金はどのようになるのでしょうか。

転職や退職をする場合、ポータビリティ(これまで拠出した年金資産を持ち運ぶこと)を活用し、「移換」することができます。企業型確定拠出年金未採用の会社への転職や自営業者、公務員、専業主婦(夫)になる場合はiDeCoを活用することになります。

具体的には以下のとおりになります。

企業型確定拠出年金を採用している会社への転職 転職先の企業型確定拠出年金へ移して運用する
企業型確定拠出年金未採用の会社への転職 iDeCoに移して運用する
自営業、公務員、専業主婦(夫)になる場合 iDeCoに移して運用する

ただし、転職するにしろ、自営業、公務員、専業主婦(夫)になる場合にしろ、転職前の企業の拠出額上限額とは異なる場合があります。もしも転職後の企業での拠出上限額が転職前の企業のそれを下回る場合は、預貯金や少額投資非課税制度「NISA(ニーサ)」、積立投資信託、個人型年金保険などを活用しながら、不足分を老後に向けて備える必要があることを忘れないようにしましょう。

マッチング拠出は効果的に活用を

企業型確定拠出年金のマッチング拠出は、効果的に活用するのがよいでしょう。人生100年時代と言われる今、確定拠出年金のような自分で積み立てる年金制度をどのように活用し老後に向けて備えるのかを考えることは大切なことです。まずは自分の会社の制度の状況を確認し、自分の資産形成方法を考えることが肝心だといえます。(提供:iDeCo online


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