iDeCo(イデコ)は、2002年1月からスタートした「個人型確定拠出年金」の愛称である。iDeCo(イデコ)は2017年1月から加入対象者が拡大され、2018年8月には加入者が100万人を突破した。こうした中、2018年5月からiDeCo+(イデコプラス)がスタートした。iDeCo+(イデコプラス)は、正式名称を「中小事業主掛金納付制度」という。では、iDeCo(イデコ)とiDeCo+(イデコプラス)、両者でいったい何が違うのだろうか。

iDeCo(イデコ)とiDeCo+(イデコプラス)の違い

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(写真=Antonio Guillem/Shutterstock.com)

iDeCo(イデコ)は、個人が積極的に老後の資産形成を図ろうとする制度である。金融機関(運営管理機関)を個人で選択して、掛金限度額の範囲内で掛金額を決めて定期的に積み立てを行う。一方のiDeCo+(イデコプラス)は、iDeCo(イデコ)の加入者に対して、会社が掛金(中小事業主掛金)を上乗せし、従業員の老後の資産形成を支援する制度である。

iDeCo+(イデコプラス)利用で変わること

勤務先にiDeCo+(イデコプラス)が導入された場合、iDeCo(イデコ)の加入者は、希望すれば会社からの掛金(中小事業主掛金)を上乗せしてもらえるようになる。ただし、会社からの掛金が加わるため、自ら設定した加入者掛金と会社からの中小事業主掛金の合計額で拠出限度額を管理しなければならない。

また、今までは多くの人が、iDeCo(イデコ)の掛金を加入者本人の口座から口座振替(個人払込)で納付してきた。iDeCo+(イデコプラス)では、加入者掛金は給与天引き(事業主払込)となり、会社が加入者掛金と中小事業主掛金をまとめて国民年金基金連合会に納付することになる。

さらに、iDeCo(イデコ)の掛金を個人払込で納付していた会社員の場合、今までは「給与所得者の保険料控除申告書」に「小規模企業共済等掛金払込証明書」を添えて会社に提出する「年末調整」を行う必要があった。iDeCo+(イデコプラス)を利用すると、加入者掛金は給与天引き(事業主払込)になるため、会社側で源泉徴収税額の算出を行うことになる。そのため、個人払込の時のように「小規模企業共済等掛金払込証明書」は発行されず、年末調整の手続きは不要となる。

掛金のルール

iDeCo+(イデコプラス)を利用するにあたり、特に知っておいて欲しいのは掛金のルールだ。iDeCo(イデコ)では、掛金は最低月額5,000円だったが、iDeCo+(イデコプラス)では、加入者掛金と中小事業主掛金の合計額が、月額5,000円以上2万3,000円以下の範囲で、加入者と事業主がそれぞれ1,000円単位で決められる。

加入者掛金と中小事業主掛金の合計額は拠出限度額を超えてはならないが、もしも限度額を超えてしまう場合は、国民年金基金連合会が加入者掛金を自動的に引き下げる。

また、加入者掛金と事業主掛金はどちらが多くても構わないが、合計額が最低掛金月額の5,000円を下回った場合は5,000円以上となるように、加入者掛金を上げるための変更手続きが必要となる。手続きをしないと中小事業主掛金を含めた掛金の引落しが停止されるため、この点には注意が必要だ。

さらに、加入者掛金を拠出しない場合は、中小事業主掛金も拠出されない。iDeCo(イデコ)に加入していない従業員に対して、中小事業主掛金だけが拠出されることもない。iDeCo+(イデコプラス)が会社に導入された場合は、なるべく加入することをおすすめする。

iDeCo+(イデコプラス)の利用で変わらないこと

iDeCo(イデコ)加入者がiDeCo+(イデコプラス)を利用して変わらないことは、まず、金融機関(運営管理機関)を変える必要がない点である。また、口座管理や運用商品に係る手数料も引き続き個人負担のままである点も挙げられる。

以上がiDeCo(イデコ)とiDeCo+(イデコプラス)の主な違いである。iDeCo+(イデコプラス)は、会社が従業員に強制することはできないが、従業員の立場からすると利用して特にデメリットが発生するわけではない。主な違いを押さえた上で、ぜひ活用したい制度である。(提供:確定拠出年金スタートクラブ


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