住宅を取得するための資金を子どもや孫などに贈与した場合、一定額まで非課税になる「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置」という制度があります。その非課税枠は2018年11月現在では最大1,200万円ですが、2019年4月から最大で3,000万円まで拡充される予定です。子どもや孫に住まいを持たせるための絶好のチャンスといっていいでしょう。

3,000万円の非課税枠は1年間の時限措置

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(写真=Syda Productions/Shutterstock.com)

たとえ、親子の間であっても年間110万円を超える贈与に関しては贈与税の対象になります。しかし、子どもや孫などが両親や祖父母などから住宅取得のための資金贈与を受けるときには、特例として非課税枠が設けられています。これが「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置」と呼ばれるもので、2018年12月現在、その非課税枠は省エネ性能などを備えた質の高い住宅については1,200万円までとなっています。

これが、2019年4月から3,000万円に拡充される予定です。年間の基礎控除と合わせて3,110万円まで贈与税ゼロで贈与できるようになります。ただし、3,000万円の非課税枠は2020年3月末までの1年間限定の時限措置です。2020年4月からは1,500万円に縮小される予定なので、贈与するならこの限られた期間をしっかりと活用したいところです。

545万円の贈与税が非課税枠を活用すればゼロに

3,110万円贈与した場合、現行の非課税枠1,200万円であれば、基礎控除の110万円と非課税枠1,200万円を引いて1,800万円が贈与税の課税対象になります。直系尊属からの贈与だと、課税価格が1,800万円の場合、税率は45%で、控除額が265万円ですから、税額を計算すると、1,800万円×0.45-265万円の計算式で545万円になります。

3,110万円を贈与されても、実際に住宅資金に充てられるのは2,565万円に目減りしてしまいます。それが非課税枠3,000万円になれば、贈与税はゼロで全額住宅取得資金にできるのですから、メリットははかりしれません。しかも、この非課税枠は贈与を受ける人ひとり当たりの枠ですから、親や祖父母からすれば子どもや孫の数だけ贈与が可能です。

1人に3,110万円、対象が4人なら1億2,440万円までOKです。この非課税枠は将来相続が発生しても、生前贈与分まで巻き戻して課税されることはありません。あげっぱなしですむので安心して贈与でき、究極の相続税対策になります。

制度の利用条件

この制度の利用には、いくつか条件があります。まず、贈与を受ける受贈者については、下記のようになっています。

・贈与時に日本国内に住所を有していること
・贈与時の贈与者の直系卑属(子ども孫など)であること
・贈与年の1月1日において満20歳以上であること
・贈与年の合計所得金額が2,000万円以下であること
・贈与年の翌年の3月15日までに、住宅取得等資金の全額を充てて住宅用の家屋の新築・取得・増改築などをすること
・贈与年の翌年3月15日までに、その家屋に居住すること
・同日後に遅滞なくその家屋に居住することが確実であると見込まれること

質の高い住宅は省エネ性、耐震性、バリアフリー性が条件

また、取得する家屋についても条件があります。概要は以下の通りです。

・住宅の床面積が50平方メートル以上であること
・居住用部分が2分の1以上であること
・建築後使用されたことのない新築住宅であること
・建築後使用されたことのある住宅は築20年以内(耐火建築物は25年)であること
・現在の耐震基準を満たす住宅であること

なお、非課税枠が最大3,000万円になる質の高い住宅というのは、下記のような物件です。

・断熱等性能等級4、または一次エネルギー消費量等級4以上の住宅
・耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上、または免震建築物
・高齢者等配慮対策等級(専用部分)3以上の住宅

制度の要件を把握し、賢く活用しましょう。 (提供:Wealth Window


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