消費税増税が近づいています。そのため、マイホームは増税前に買っておいたほうがいいのではないかと考える人がいるかもしれませんが、そんなことはありません。増税時には各種の住宅取得支援策が実施され、増税による負担増加分は十分に相殺される仕組みになりそうです。その施策の柱とされているのが「ローン減税」の拡充案。

高額物件を多額のローンを組んで購入する富裕層ほどメリットが大きくなりそうなのです。「増税前に買ったほうがトク」という業者のあおりに焦らず、ジックリ腰を据えてほんとうに自分たちに合った物件を見つけるようにしたいところです。

現在の制度では最大500万円の税額控除に

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(写真=Africa Studio/Shutterstock.com)

自己居住用の住まいを、返済期間10年以上の住宅ローンを利用して買った場合には、「ローン減税」の対象になります。現在の制度では、年末ローン残高、上限4,000万円までの1.0%が所得税・住民税から控除されます。4,000万円の1.0%、40万円の控除額で、これが10年間続くので最大では400万円です。

会社員なら源泉徴収される所得税が還付され、翌年の住民税が軽減されます。自営業なら納税すべき所得税・住民税が減少したり、ゼロになったりするため押さえておきたいポイントです。これは一般の住宅ですが、長期優良住宅、低炭素住宅の認定を受けている住宅を取得すれば、年間50万円、10年間で最大500万円の控除額に増えます。

拡充されたら最大750万円に増える

このローン減税制度、2019年10月からの消費税増税に伴って、控除期間が15年に延長される見込みです。一般の住宅であれば、4,000万円の1.0%、年間40万円の控除額が15年で600万円に増えます。長期優良住宅、低炭素住宅の認定を受けていれば、年間50万円の15年間で750万円に増えることになります。現在の最大500万円より250万円もトクできるようなるわけです。

ただし、長期優良住宅で最大750万円の控除額になるためには、15年後のローン残高が5,000万円以上あることが条件になります。そのためには当初のローン借入額が8,000万円強必要。そうでないと、15年後には年末ローン残高が5,000万円を切って、その1.0%である控除額が50万円より少なくなってしまうのです。

逆に、当初の借入額が3,000万円であれば、控除期間が15年に延長されても、それまでの10年間で259万円が360万円に増えるだけにとどまります。つまり、ローン減税が拡充されても101万円しか控除額は増えません。先に触れたように借入額8,000万円強であれば、250万円も控除額が増えるのですから、多額のローンを組んで高額の住まいを買える人ほどトクするといっていいでしょう。

いまから準備を始めて増税後に買うのが得策

一定レベルの富裕層にとって、住宅取得に限れば消費増税は決して怖くありません。もちろん、生活費がさまざま面で2%上がるのですから、生活への影響は小さくないでしょう。しかし、住宅取得に関してはむしろ増税後に買ったほうがはるかに有利ということになります。それに増税後のほうが住宅市場も買い手に有利な環境になるかもしれません。

増税前には駆け込み需要が発生して価格が上がったり、選択肢が狭くなったりして売り主優位の売り手市場になりますが、増税後はそれが逆転、価格は下がり、選択肢が広がる買手市場に変化する可能性があります。買手市場のなかでより自分たちに合った物件を、より安い価格で手に入れ、しかも、ローン減税の控除額は格段に増える……そんなトリプルメリットを享受できる環境が期待できます。

2019年10月の消費増税に向けて、「増税前に買ったほうが得策」と不動産会社などのあおりが始まるでしょうが、それに乗せられてはいけません。じっくりと腰を据えて物件選びを始め、増税後に環境が整ったときに買えばいいぐらいの気持ちでちょうどいいのではないでしょうか。(提供:WEALTH WINDOW


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