世界的に成功しているグローバル企業が力を入れている取り組みの一つに、現地スタッフのエンゲージメント向上があります。今回は、グローバル企業が現地スタッフのエンゲージメント向上に取り組むにあたり、よくある3つの誤解を解説します。

従業員エンゲージメントとは

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(写真=fizkes/Shutterstock.com)

従業員エンゲージメントとは、社員の意欲・忠誠心という意味だけでなく、会社と社員との相乗効果をより意識した意味で用います。具体的には、企業・組織と個々の社員間の関わり合いや、組織に対する自発的な貢献意欲により、社員個人と会社とがお互いに貢献し向上できるような関係のことを指します。さまざまなバックグラウンドを持つ従業員が集まるグローバル企業には特に必要な要素と言えます。

エンゲージメントのよくある3つの誤解

エンゲージメントとよく誤解されやすい言葉に、「ロイヤルティ」「コミットメント」「モチベーション」の3つがあります。よく似た言葉ですが、現地スタッフのエンゲージメントを高めるためには、違いを理解しておく必要があります。

●誤解その1:ロイヤルティとの違い

ロイヤルティ(loyalty)は、ビジネスの世界では忠誠、忠義、忠実、誠実などの意味で使われています。従業員が自社に対しての帰属意識や愛社精神を指すため、企業・組織との関わり合いという点においてはエンゲージメントと似ています。

ロイヤルティには主従関係、上下関係があり、エンゲージメントには主従関係、上下関係はなく、企業と従業員は対等な関係を作るという違いがあります。似たような言葉にロイヤリティ(royalty)がありますが、こちらは特許権や商標、印税などの意味で使われています。

●誤解その2:コミットメントとの違い

コミットメントは、約束、誓約、公約、関わりなどの意味がある言葉です。従業員と企業・組織の関わり合いを表す点はエンゲージメントとよく似ていますが、従業員の仕事の取り組み方で違いが出てきます。

コミットメントは、約束、誓約、公約という言葉が示すように、与えられた仕事をするという取り組み方で、エンゲージメントは自発的に仕事をするという違いがあります。

●誤解その3:モチベーションとの違い

モチベーションは、従業員個々人の「動機付け」です。一方エンゲージメントは、企業・組織と従業員個々人の間の関わり合いを表します。たとえ現地スタッフのモチベーションが高くても、企業・組織とのエンゲージメントが低ければ、生産性が高まり成果につながるとは言えないわけです。

現地スタッフのエンゲージメントを高めるには?

エンゲージメントと似ている3つの言葉の違いがわかったと思いますが、現地スタッフとエンゲージメントを高めるには、すでに成功している企業の事例を参考にするといいでしょう。例えば「スターバックス」では、2つの取り組みでエンゲージメントを高めています。

1つ目は、「わかりやすく心に響くビジョン」を掲げることです。明確なビジョンによって、どんな国の現地スタッフでも自分の仕事の意味を理解することができ、意義を感じて仕事ができるのです。

2つ目は、「帰属意識が高まる行動指針」を掲げることです。スタッフの帰属意識は、良好なチームワークや自発的な貢献意欲につながります。

スターバックスの現地スタッフが、仕事の意味をよく理解し、企業・組織に帰属意識を持ち、ビジョンのために自発的に貢献しようとする状態は、エンゲージメントが高いと言えるのです。

従業員エンゲージメントはグローバル企業が成功する秘訣

スターバックスだけでなく、グローバルに成功したアップルやナイキなどの優良企業も、エンゲージメントを経営上重視しています。エンゲージメントが高い企業は、収益性や生産性が高く、従業員のパフォーマンスを高め、従業員の離職率は低く抑えられるでしょう。(提供:Global HR Online


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