日本企業では一般的に日本人メインの構成になっているので、マネジメントにおいても日本文化を基準に考えられています。しかし、グローバル企業ではさまざまな人種、文化、習慣を持った従業員がいるため、日本企業のルールや常識は通用しません。複数の人種で構成される、グローバル企業でのマネジメントのポイントは何なのでしょう。

共通のビジョンを共有すること

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(写真=Syda Productions/Shutterstock.com)

企業の共通のビジョンを従業員が共有することは、マネジメントにおいても重要なポイントです。この企業のビジョンの共有は必須です。日本人の間でも考え方の違いは存在しますが、多くの異文化が集っているグローバル企業ではなおさらのことで、企業が持っている明確で共通のビジョンにより、それぞれの従業員の認識や価値観の違いをひとつにまとめていくことが可能となるのです。

共通のビジョンの共有ができている場合は、例えば従業員が業務上でなにかひとつの判断をしたとき、他の従業員も同じ判断ができるという共通の認識ができるわけです。「この企業で働いているからこういう判断をした。判断は間違っていない」という納得感が、複数の文化を持つ従業員の中で共通に感じられるのです。

そのため、グローバル企業には従業員個々人の心をつかむ魅力的で納得できるビジョンが存在しています。

パーソナリティなども可視化すること

グローバル企業のマネジメントのポイントで注目したいのが「可視化」というキーワードです。可視化とは「目に見えるようにする」という意味ですが、ビジネスでは「わかりやすくする」「理解しやすいようにする」という意味も含まれます。

同一文化の日本人同士なら可視化しなくても、言わなくても伝わることがありますが、グローバル企業ではわかるようにしていく取り組みがマネジメントに求められます。そのため、企業のビジョンを現地で可視化することや、現場に合わせて可視化する必要があるのです。

さらに可視化は企業のビジョンだけに限りません。マネジメントをする側である管理者は、自分のパーソナリティも可視化して、自己開示に努め現地人材と文化や習慣、認識を共有しておくといいでしょう。

共通の評価ポイントを設けること

グローバル企業のマネジメントで大切なポイントに人事システムがあげられます。そして、人事評価は共通の評価ポイントを設けることが重要です。共通の評価ポイントを可能にするためには、グローバル企業の本社と海外拠点で、共通の職務グレードを設定していることです。

従業員が共通の職務グレードの中に位置づけられると、自らの役割や位置づけを明確に認識でき、キャリアアッププランも具体的にイメージしやすいというメリットもあります。

また、グローバル企業のマネジメントには、グローバルに活躍できる優秀な人材を早期に発見して、教育訓練し、早期に昇格させ多様なキャリア形成をしていくことも必要です。これらも共通の評価ポイントを設けることで可能になります。

さらに、企業が共通の評価ポイントでスクリーニングを行えば、不意の人事異動や退職などで、直ちに後任者を選出しなければならない場合や、将来的に後継者候補を探す場合にも役立てることができます。

共通の評価ポイントの導入は、転職が当たり前で流動性の高いグローバルの人材市場に対して、企業のリスクマネジメントにも効果があります。

グローバル基準でのマネジメントが求められる

グローバル企業のマネジメントは、当然グローバル基準が求められます。グローバル企業のマネジメントのポイントは、「共通のビジョンの共有」「可視化」「共通の評価」の3つです。

グローバル基準では「結論と決断をはっきり示す」ことがリーダーに求められ、日本人の間だけで通用する「曖昧さ」は、グローバルでは信頼を失うことになりかねません。マネジメントの前提は、多種多様な文化を持った従業員との信頼の構築ですので、信頼を失わないことが非常に重要なのです。(提供:Global HR Online


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