日本企業がアジア圏でグローバル企業として成功するために必要不可欠なのは、現地スタッフの採用です。アジア圏では日本企業だけでなく、海外のさまざまな企業が進出しており、ホワイトカラーの優秀な人材においては激しい争奪戦になっています。その中でも日本企業は現地スタッフの採用に苦戦しているのですが、今回はその理由を説明していきます。

海外では即戦力採用が多く日本のスタイルにあっていない

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(写真=g-stockstudio/Shutterstock.com)

日本企業がそもそもアジア圏に進出したのは人件費を抑えるのが目的でした。日本の自動車メーカーや家電メーカーは、アジア圏に工場を立てて、安い人件費で大量な人材を採用して大きな成功を納めたのです。当時はスキルがない若い人材でも採用し、教育していくスタイルはアジア圏では目新しいものだったのです。しかしアジア諸国が経済発展を遂げた現在でも、日本企業の採用方法や採用基準は変わっていないため、日本企業は遅れをとってしまいました。

海外企業の採用は、仕事に対して人材を採用する「即戦力採用」がメインです。人件費が安かった時代は過ぎ去り、アジア圏の給与水準はどんどん上昇しています。日本企業の安い人件費で未経験者を採用するという、過去の考え方は現在では通用しません。

日本企業の給料水準はアジア諸国の発展に比例していない

アジア圏の人材が企業を選ぶ基準の大きな割合を占めるのが「給与水準」です。転職の理由も「給与アップ」が一番の理由です。そんな採用市場では、どのくらいの給与水準で他の企業は採用しているのかという情報を知ることが重要です。

日本企業の給与水準は高いという、過去の考え方は今のアジア圏では通用しません。事実、日本企業は給与だけでなく、福利厚生などの面でも海外企業より水準が低く、採用の初期段階で日本企業が選択肢から外されてしまうのです。

日本と同じやり方で選考まで長時間かかる

採用時に選考時間が長いことも、日本企業が現地スタッフの採用に失敗する理由です。アジア圏での採用は、一般的に面接は1回、選考の連絡は当日か翌日に来ます。

日本国内での採用のように、複数回面接をしたリ、選考結果の連絡が1週間もかかっていたのでは、アジア圏の人材は、他の企業に採用を決めてしまします。

海外企業の採用が早いのは、欲しいポジションに対しての即戦力採用をしているからです。つまり、欲しい人材のスキル基準が決まっているので、スキルを満たした人物が面接に来たら即採用を決められるのです。

日本企業の採用は、海外企業のように基準が明確ではなく、複数の人物と面談してよりいい人物はいないか選考するため、とても時間がかかってしまいます。それだから採用激戦区で優秀な人材を獲得するのに出遅れてしまうのです。アジア圏での採用はスピードが成功のカギです。

仕事よりも家族を大事にする人が多い

アジア圏での採用で考慮しておきたいのが、企業や国の社会保障に対しての考え方の違いです。日本人に特有なのは、「企業に就職すれば企業が自分を守ってくれる」ことや「リタイヤ後は国の社会保障がある」という漠然としたイメージです。アジア圏ではそういった考え方は持っていません。

また、アジア圏の人材は、仕事より家族を重要と考える人が多く、家族との時間を減らしてしまう長時間労働を課す場合には、それに値する給与や昇進スピードを採用時に提示しているかどうか考える必要があります。

現地の優秀なスタッフを採用するためには何が必要なのか?

グローバル企業が現地の優秀なスタッフを採用するためには、第一に現地の人材市場の給与水準を常にリサーチして把握しておくことが必要です。選考はスピーディーに行い、働き方の考え方は現地の文化を考慮して提示することが重要なのです。(提供:Global HR Online


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