数字をあげるための6つの習慣
金融や保険などの業界や業種に関わらず、営業職の勝ちパターンに、普遍的な法則はあるのだろうか。リクルートマネジメントソリューションズで4年連続MVP、VPを受賞、マネジャーとしても2年連続で最優秀営業課賞を受賞、全社ナンバーワンの仕事を評価する「ナレッジグランプリ」において歴代最多受賞記録を持つ、的場正人氏に聞いた。(編集構成:ZUU online 編集部 菅野陽平)※本インタビューは2018年11月21日に実施されました
現在はエグゼクティブコンサルタントとして数多くの企業の営業強化に関わり、「売れる営業」を育成する中で法則化した、日々身につけて意識するべき「提供価値を磨くPDCAサイクル」の習慣を、土台編から応用編まで6つのステップに分け、余すところなく伝授している。第4回目は6つの習慣のうち、第5の習慣を取り上げる。


第5の習慣 お客様の心をつかむコミュニケーションの習慣
――第1〜4の習慣は自分自身のマインドセットや行動、目標などについてのお話でした。ここからは毛色が変わり、顧客の心をつかめるようになるためのやり取りの習慣になってくるんですよね?
普段の営業向け研修において、第5の習慣のパートでは何を行っているかというと、まずはロールプレイングを実際に行っていただきます。2人ペアになって、冷蔵庫の販売を、販売員役とお客様役にわかれてやっていただきます。
お客様の心をつかむためには、まずお客様の気持ちを察する感度を高める必要があります。そのためには営業のひとりよがりではなく、お客様の表情や言動の変化をしっかりとみることが大切です。その上で、お客様の気持ちの変化に寄り添って、適切な対応をできるかどうかが大前提です。そして、もうひとつ重要なスキルがお客様のニーズを掘り下げるスキルです。
ニーズというのは「お困りごと」・「実現したいこと」の両面があります。そして、「潜在ニーズ」・「健在ニーズ」、「明確なケース」・「整理できていないケース」、いろいろあります。大抵の場合は、お客様がおっしゃるニーズは言葉足らずだったり、曖昧だったりします。つまり、お客様自身でもはっきりと認識していなかったり、整理できていなかったりするケース、もしくは断片的にしか話していただけないケースが大変多いです。冒頭の例(第1回)で言えば「どうせすぐ辞めるからなあ」です。
このような状況の際に、是非使っていただきたいのが、上・横・下の質問による掘り下げです。