金融や保険などの業界や業種に関わらず、営業職の勝ちパターンに、普遍的な法則はあるのだろうか。リクルートマネジメントソリューションズで4年連続MVP、VPを受賞、マネジャーとしても2年連続で最優秀営業課賞を受賞、全社ナンバーワンの仕事を評価する「ナレッジグランプリ」において歴代最多受賞記録を持つ、的場正人氏に聞いた。(編集構成:ZUU online 編集部 菅野陽平)※本インタビューは2018年11月21日に実施されました

現在はエグゼクティブコンサルタントとして数多くの企業の営業強化に関わり、「売れる営業」を育成する中で法則化した、日々身につけて意識するべき「提供価値を磨くPDCAサイクル」の習慣を、土台編から応用編まで6つのステップに分け、余すところなく伝授している。最終回の第5回目は、6つの習慣の最後、第6の習慣を取り上げる。

リクルート的場様
(画像=ZUU online)
リクルート的場様
的場 正人(まとば・まさひと)
リクルートマネジメントソリューションズ エグゼクティブコンサルタント。1993年リクルート(当時)入社。求人広告の中小企業営業で最優秀新人賞を受賞。1996年よりリクルートマネジメントソリューションズに在籍し、1998〜2001年まで4年連続MVP,VPを受賞。2002年からマネジャーとなり2年連続で最優秀営業課賞を受賞。全社ナンバーワンの仕事を評価する「ナレッジグランプリ」において歴代最多受賞記録を持つ。2008年より営業強化コンサルタント。リクルート経営コンピタンス研究所を兼務し、リクルートグループにおけるトップ営業(TOPGUN)の研究を行っている。著書に『リクルートのトップ営業が後輩に伝えていること ―一人前の営業になる6つの習慣』『リクルートの営業コンサルが教える 自分で動く若手営業の育てかた』。航空機のパイロットの資格も保有している。※画像をクリックするとAmazonへ飛びます

第6の習慣 お客様視点の仮説を磨きあげる習慣

――さて、最後の習慣になります。第5回は、顧客の心をつかめるようになるための、課題を掘り下げるコミュニケーションの習慣でした。

第6の習慣はいわゆる、提案力とコミュニケーション力のかけ算がテーマです。営業をやっている方はよく言われると思いますし、若手向けの研修や現場でもよくアドバイスをしていることが「訪問前に、仮説を考えて」「シナリオを持って」いきましょうということです。

ちなみに、この仮説には2種類の仮説があります。それは、営業都合の仮説とお客様視点の仮説の2つです。これらの違いは何だと思いますか?

その問いを考える上で、分かりやすく説明できるエピソードがあります。家電量販店での2人の販売員の、同じ女性のお客様への応対の仕方を比べたものです。彼女は40代の女性で、スーツを着ています。掃除機を売っているコーナーに来ました。

●1人目の販売員の場合
「お客様、この掃除機、とても軽いんですよ。小さくてコンパクトなので、階段を持って上がるのも楽ちんです。小さいお子さんがいても、排気がきれいなので安心ですよ」。しかし、彼女はこの販売員の話に全く興味を示さず、売場を離れてしまいます。

●2人目の販売員の場合
彼女のスーツ姿を見て「お客様、お仕事で夜のご帰宅が遅いと掃除がしづらくて困りませんか?」と声をかけます。彼女はまさに、帰宅時間が夜遅くになるので、掃除機をかけたくても周囲住民への騒音を気にして、掃除ができずに困っていたんです。「そうなんですよ!」「それならこちらの掃除機なんて、いかがでしょうか? 音がとっても静かなんですよ」と、実際に音を聞かせてみながら「ほら、すごく静かでしょう? ちなみにお客様、この掃除機にはほかにも便利な機能があるんです。お客様、マスクをしていらっしゃいますけど、花粉は大丈夫ですか?」と聞いたら、彼女はまさに花粉症。ちょうど春先だったので、帰ってすぐにでも掃除機をかけて部屋の花粉を消し去りたかったんです。「この掃除機でしたら、フィルターの性能がものすごく高いので、お家の中の花粉ならほとんどが取り除けますよ」こんなやりとりから、彼女は結局この販売員から掃除機を買いました。

ここで、最初の問いに戻ります。最初の販売員が営業都合、2人目の販売員がお客様視点だとしたら、この2人の違いは何だと思いますか?