モトリーフール米国本社、2018年11月13日投稿記事より

ブルーエプロン・ホールディングス(ティッカー:APRN)(以下「ブルーエプロン」)は、家庭向け食材キットの製造・販売を手掛ける企業です。

これまでは、定期購入制で食材キットを販売してきましたが、あまり順調ではなかったため、新たなビジネスモデルに挑戦しています。

同社は、ネット販売を手掛けるウォルマートの子会社Jet.com(以下「ジェット」)と提携し、食材キットのネット販売を始めたのです。

ジェットの主なユーザーは富裕層であり、食品キットというプレミアムなサービスとの親和性が高いと考えられています。

そのため、ジェットとの提携はブルーエプロンの業績を回復させるのではないかと期待されています。

ミールキット大手のブルーエプロンはJet.comと提携し、ビジネスモデルの転換を目指す
(画像=Getty Images)


オンデマンド・モデルへの切り替え

ジェットは「シティ・グローサリー」というサイトを運営し、ニューヨーク、ジャージーシティ、ホーボーケンで食料品の販売・配送サービスを行っています。

ブルーエプロンは、このサイト上に、専用ショップを開設しました。

そこでは、シティ・グローサリー専用の様々なメニューから2種類が掲載され、同日または翌日に配送可能となっています。

これは、ブルーエプロンがかつての定期購入制のモデルから、ユーザーが必要な時に必要な商品を届ける、オンデマンドのビジネスモデルに舵を切りつつあるということを示しています。

ブルーエプロンのブラッド・ディッカーソンCEOは、8月に行われたアナリストとのカンファレンスコールで、ビジネスモデルの切り替えについて説明しました。

同社は現在、ジェットとの提携を始めとしたオンデマンド・モデルを試験的に導入しており、近いうちに成果が上がることを見込んでいるとのことです。

先月、ブルーエプロンは食料品配送業者であるグラブハブ・アンド・シームレスと提携し、配達時間1時間以内という配送オプションを始めました。

家庭での食事の準備は通常、食事の直前になってからでないと始まらないものなので、簡単な食材キットをできるだけ早く届けようとすることは、理にかなっていると考えられます。

ジェットは9月、大都市圏のユーザーにターゲットを絞るため、シティ・グローサリーをリニューアルしました。

大都市圏でユーザーを獲得するために、ニューヨークの地元密着型のチーズショップやベーグルショップなどをサイトに誘致する予定です。

ニューヨークのユーザーだけでなく、ハドソン川の向こうのホーボーケンやジャージーシティのユーザーからの注文にも対応できるよう、ジェットはブロンクスに作業センターを建設しています。

最近、ジェットのサイト上のブルーエプロンのページを見てみたところ、食材キットはすべて売り切れでした。

しかし、それが需要が大きかったことによるものか、在庫が少なかったことによるものかは定かではありません。


食材キットの差別化が難しいという課題

ブルーエプロンは、何としても新しいビジネスモデルを軌道に乗せなくてはなりません。

同社の第2四半期の売上高は、25%減少し1.78億ドルとなりました。

顧客の4分の1が定期購入を解約したことにより、注文が30%も減ったためです。

このことは、定期購入制というビジネスモデルの欠陥を浮き彫りにしました。

顧客の入れ替わりが激しいため、新規顧客獲得のための費用が非常に高いのです。

ブルーエプロンの顧客維持率はわずか15%です。この数字は、業界大手のハローフレッシュの維持率が11%であることに比べると、悪い数字ではありません。

定期購入制のモデルでは、常に新しい顧客を引き付けるための膨大なマーケティング費用がかかります。

この費用を抑えてしまうと、同社の第2四半期がそうだったように、顧客数が大幅に減少してしまうのです。

オンデマンド・モデルでは、このマーケティング費用がかなり抑制されるはずです。

例えば、コストコのようなスーパーマーケット形態や、ジェットとの提携のようなオンライン形態で販売するのです。

しかし、ここでの課題点は、差別化した高価格の食材キットが販売しづらくなり、商品単価が下がってしまうことです。

コストコを例にとってみると、コストコの食材キットは、ブルーエプロンの定期購入よりも30%も安く販売されています。

また、ほとんどのスーパーマーケットで食材キットが売られているため、消費者は気軽に食材キットを購入することができます。

これにより、ブルーエプロンが高価格の食材キットを販売することはますます困難になっています。

ただ、富裕層をターゲットとするジェットのサイトでの販売価格には、ある程度の下限が期待できるでしょう。

しかし、ジェット自体も未だ発展途上にあります。

ジェットのサイトは今年初めに全面的に見直され、大都市圏のユーザーをターゲットとしてリニューアルしました。

その際、食料品の販売を新しい注目商品として掲げることになりました。

同社の代表によると、一般的な商品と食料品の両方を販売するのに成功したオンラインショッピングサイトはこれまでになく、ジェットが初の成功例になると考えています。

しかし、ジェットのサイトでの購入数は急激に減少しており、過去6ヶ月間で21%も減ったとする調査もあります。

このようにブルーエプロン、ジェット共に他者サービスとの差別化やユーザーの獲得という課題を抱えています。

一方で成長の兆しは見えているので、今後の投資妙味としては十分と言えるかもしれません。(提供: The Motley Fool Japan



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