・親から相続した土地に家を建てようとしたら市の建築許可が下りない
・妻が自宅を改装してカフェを始めようとしたら市からストップがかかった

どうして、こうしたことが起きるのでしょうか?答えは、都市計画法による用途地域規制などにあります。逆に都市計画法の規制緩和を利用すれば、敷地の有効利用も可能になります。

この記事では、都市計画法による市街化区域と用途地域の規制(建ぺい率等)を解説、購入や建築に当たっての注意点と、規制緩和などの上手な活用法を紹介します。

購入しても建て替えられない格安土地に要注意

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(写真=Lyu Hu/Shutterstock.com)

「比較的駅や病院にも近く利便性が悪くないのに格安の更地」こうした物件には、安いなりの理由を調べなければなりません。市街化調整区域に所在し、買った後に、店舗や住宅を建築できないケースもあります。

都市計画法では、土地を店舗・工場・住宅などの市街化区域と市街化を抑制すべき市街化調整区域に分けています。

市街化調整区域では建築できる建物が著しく制限されます。建築には開発許可が必要で、
審査に通るのは原則として地域住民向けのガソリンスタンドや食品スーパー(床面積・敷地面積に上限)などに限られます。

そんな更地を購入しても、家庭菜園ぐらいしか利用の途はありません。

市街化調整区域内でも住宅・店舗がすでに建っていれば、一般的には「既存宅地」として認められ改築も可能です。ただし、宅地として登記されていない、あるいは建築確認が取れていない物件は既存宅地とは認められません。

自治体によっては同じ規模の住宅を建てられなかったり、所有者が変わっていると許可が下りなかったりするケースもありますので要注意です。

そもそも市街化調整区域内の宅地は不動産取引で敬遠されるので、どうしても売却価格は低くなりがちです。

調整区域内の宅地を取り扱う場合は、こうした背景を踏まえた上で、細心の注意を怠らないようにしましょう。ただし土地勘がある、とくに区域内や行政に知人がおり事情に精通しているのなら、割安な調整区域内の土地は魅力的な物件かもしれません。

地域によってはカフェが開業できないことも

繁華街の喧騒からちょっと外れた路地裏の住宅街、そこにひっそりと佇む隠れ家カフェが人気です。

ただしカフェはれっきとした飲食業であり、開業するには保健所の営業許可が必要です。許可申請にあたっては、衛生管理者を置くことや、衛生要件に合致した設備などの要件が求められますが、エリアによってはそもそも開業できない可能性があります。

都市計画法は、秩序あるまちづくりのため、市街化区域内の土地利用を規制しており、その柱となるのが用途地域です。

都市計画法では、市街化区域を14の用途地域(第1種・第2種低層住居専用、第1種・第2種中高層住居専用、第1種・第2種住居、準住居、近隣商業、商業、工業、準工業、工業専用)に区分し、用途に応じた利用規制を定めています。

最も厳しい第1種低層住居専用地域では、店舗面積が50㎡以下、かつ建物面積全体の1/2未満でなければなりません。2種なら1/2未満の規制は外れますが、50㎡以下である点は変わりません(カフェなら150㎡)。

しかも50㎡には、トイレやキッチンも含まれるので、客室スペースはより手狭です。

では、商業地域ならどうでしょう。確かに規制は緩くなりますが、逆に雑多な店舗、さらには小規模の作業所まで立ち並び、一挙に雑然としてきます。

規制緩和を機に土地の有効利用を

今まで第1種低層住居専用地域には、コンビニの出店が認められてきませんでした。ところが高齢化が住宅街では、徒歩で通えるコンビニの需要が高まりつつあり、そうした背景を受けて2019年夏より規制が緩和されます。

こうした規制緩和の機を活かせば、土地の有効活用にもつながります。そのためには常にアンテナを高く、情報収集を怠らないようにしましょう。(提供:Wealth Window


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