モトリーフール米国本社、2018年12月5日投稿記事より

デルタ航空(ティッカー:DAL)が先日発表した第4四半期のガイダンスは投資家の懸念を誘い、株価は5%下落しました。

ガイダンスの内容は、第4四半期の有効座席当たりの売上高(以下「RPASM」)が、当初予測レンジの下限付近になるというものです。

株式市場では、最近の原油価格の下落によって米国航空業界で価格競争が起き、売上単価を圧迫するのではとの懸念が再燃しています。

しかし、原油価格の下落により燃料価格が下がると、デルタ航空をはじめ航空会社にとっては、大きなコスト削減につながります。

デルタ航空のRPASMが低下する兆しは見当たりませんし、仮に原油価格が現在の水準で推移すれば、緩やかながらもRPASMの拡大が見込まれます。

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(画像=Getty Images)


ガイダンスの変更

ガイダンスで、デルタ航空は11月が好調であったことを発表し、第4四半期の決算予想を修正しました。

同社は、RPASMが今四半期に3.5%上昇する見通しを発表しましたが、これは予想レンジの3〜5%の伸び率の下限近くです。

しかしながら、10月初旬以来の原油価格の急落により、一株当たり利益は同社予想の1.10〜1.30ドルのレンジの上限に近づくはずです。

これにより、第4四半期の税引前利益は拡大が見込まれます。


RPASMの堅調な伸び

アラスカ航空とスピリット航空は先週、第4四半期の売上単価予想を引き上げました。

第4四半期のRPASM成長率の予想を、アラスカ航空は1.5%〜3.5%から3%〜5%に、スピリット航空は6%から11%に、それぞれ引き上げました。

そんな中、市場のデルタ航空に対する否定的な反応は仕方のないものでしょう。

投資家はおそらく、デルタ航空を含め他の航空会社も第4四半期のRPASMは当初予想を上回るか、レンジの上限付近になることを期待していたからです。

しかし、デルタ航空のRPASMが3.5%増に留まっても、慌てることはありません。

この数値は、2018年1月~9月のRPASM成長率4.6%からわずかに減速したにすぎません。

また、2017年の第4四半期が4.4%増という強い数字であったことも、今年の第4四半期が相対的に弱い数字になった要因です。


原油価格の下落を見くびってはいけない

原油価格の下落を背景に、燃料価格は同社が10月11日にガイダンスを発表して以来1ガロン当たり約0.50ドル下落しました。

燃料価格が下がったおかげで、デルタ航空は売上単価を引き上げることなく、利益成長を達成することができます。

このことは、同社を分析する上で重要なポイントです。

もちろん、燃料価格が再び上昇する可能性も十分にあります。

しかし、デルタ航空をはじめ航空会社は過去数年間、運賃の引き上げや運賃以外からの売上の増加などで燃料価格の高騰に対応できるノウハウを身につけてきました。

一方で、燃料価格が最近の水準のままであれば、2019年にデルタ航空が負担する燃料費は平均して1ガロン当たり2ドル未満で済むことになります。

2018年の第3四半期までの実績は平均して1ガロンあたり2.14ドルで、これと比較してもかなり低い水準です。

デルタ航空が毎年40億ガロン以上の燃料を消費していることを考慮すると、2018年に比べて、来年の燃料コストは10億ドル以上削減できる可能性があります。

この削減額は、燃料費以外のコスト増をカバーしてあり余る金額になるでしょう。


2019年の見通しは良好

燃料価格が現在の水準のまま推移すれば、売上高が横ばいでも、デルタ航空の来年の税引前利益は1%以上拡大するでしょう。

そして、RPASMが伸び悩むような兆候も見当たりません。

スピリット航空とアラスカ航空の2社は、2019年にフライトの供給数をかなり抑制する見込みです。

ジェットブルー航空とサウスウエスト航空も、過去の水準と比較して緩やかな供給数の伸びにとどめることを計画しています。

航空運賃の価格形成に大きな影響を持つこれらの航空会社が、供給数を抑制する方向に舵を切ったことで、来年運賃の引き下げ競争が起こる可能性はかなり低くなりました。

デルタ航空の売上単価の伸びが減速する可能性も否定はできません。

しかし、今後燃料費がわずかにでも下落すれば、一株当たり利益成長率は10%を超える可能性もあります。

デルタ航空の予想PER(株価収益率、株価÷一株当たり利益)はわずか10倍程度で、注目に値する銘柄だと考えています。(提供: The Motley Fool Japan


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