現在、個人型確定拠出年金(iDeCo(イデコ))に加入できるのは59歳11か月までと定められている。このため、50代で加入すると60歳に到達するまでの数年しか掛金を拠出できない。また、60歳からすぐにお金を受け取ることもできない。所得税や住民税など税の軽減はあるものの、口座管理のための手数料もかかる。果たして、50代でiDeCo(イデコ)に加入する意味はあるのだろうか?

50代でiDeCo(イデコ)に加入するプラス面とマイナス面

woman
(写真=Zdenka Darula/Shutterstock.com)

50代でiDeCo(イデコ)の加入を考える場合、プラス面とマイナス面を客観的に比較する必要がある。もっとも大きなプラス面は、やはり所得控除による税負担の軽減である。一方で、マイナス面での注目ポイントは手数料である。50代で加入した場合、60歳ですぐにお金を受け取ることができないので、60歳以降も手数料がかかることに注意が必要である。

プラス面を増やしマイナス面を減らす努力をしよう

50代でiDeCo(イデコ)に加入し、メリットを大きくするためには、それなりの工夫が必要である。まず、プラス面を増やすためにできることは、掛金額をできるだけ多くし、できれば上限いっぱいまで拠出することだ。所得控除される金額が多くなれば、税負担の軽減額がより多くなるためである。

次にマイナス面を減らす工夫だが、口座管理のための手数料あるいは信託報酬をできるだけ安く、かつかかる期間を短くすることがポイントとなる。かかる期間を短くするためには、60歳を過ぎて受け取りが可能になった段階で、一時金で受け取ってしまえばよい。

例えば、55歳で加入した場合、受取開始年齢は63歳なので、最短で8年間の手数料負担が必要である。この間のコストをできるだけ安くするように工夫する。iDeCo(イデコ)では、自分で自由に金融機関を選ぶことができるので、運営管理機関手数料の安い、あるいはかからない金融機関を選ぶのが得策だ。

また、国民年金基金連合会に支払う手数料は毎月103円であるが、掛金を拠出する回数を減らせば、そのぶん手数料を節約できる。例えば、毎月掛金を拠出すれば年間1,236円かかるが、年2回であれば年間206円で済む。2018年に導入された掛金の「年単位化」により、このような手段もとれるようになった。

想定以上に大きいiDeCo(イデコ)の節税効果

iDeCo(イデコ)に拠出できる掛金の上限は、職業等によって異なる。例えば、勤務先に企業年金のない人であれば、年額27万6,000円(月額2万3,000円)が上限である。所得税率は、所得によって異なるが、仮に税率を所得税20%・住民税10%の計30%とすると、1年間の税の軽減額は8万2,800円となる(復興特別所得税は考慮していない)。55歳から60歳になるまでの5年間の加入だけでも、合計41万4,000円の所得税・住民税の軽減効果があることになる

・所得税率20%、住民税率10%の場合:27万6,000円×30%×5年=41万4,000円

一方で、運営管理機関手数料が無料の金融機関でiDeCo(イデコ)に加入した場合、60歳までの5年間で1万2,797円、63歳で一時金を受け取るとして、60歳から63歳までの3年間で2,736円かかる。つまりこのケースでは、8年間でかかる費用は1万5,533円に過ぎない。

【加入時】初期費用(1回のみ)
・2,777円(国民年金基金連合会)

【加入者期間】
・月額103円×12ヵ月×5年=6,180円(国民年金基金連合会)
・月額64円×12ヵ月×5年=3,840円(信託銀行)
・月額0円(運営管理機関の手数料が無料のケース)

【運用指図者期間】
・月額64円×12ヵ月×3年=2,304円(信託銀行)

【受給時】(一時金):432円
費用合計:1万5,533円

このように、iDeCo(イデコ)は50代から加入しても、税負担の軽減効果が大きいことがわかる。50代でもiDeCo(イデコ)に加入する意味は十分にあるといえよう。

なお、iDeCo(イデコ)の加入者期間(掛金拠出期間)については、近い将来、65歳まで延長される見込みである。厚生労働省では、2019年から議論を始め、2020年に関連法の改正を目指す模様だ。加入者期間が延長されることで、税負担の軽減効果が得られる期間がさらに増えることになるため、iDeCo(イデコ)加入者には朗報である。(提供:確定拠出年金スタートクラブ


【オススメ記事 確定拠出年金スタートクラブ】
資産運用をする前に整理しておきたい「固定支出」
個人事業主のための資産形成手段を徹底比較!
資産運用は、自分の資産を「3つ」に分けて考えよう
iDeCo(イデコ)に加入していたけど、転職や離職した場合どうなるの?
企業型DCの資産は、転職したらiDeCo(イデコ)に移換できるの?