投資家や有識者から「先が読みづらい」といわれることの多い最近の不動産マーケット。2019年以降の市場の動きについて、「不動産バブル崩壊」「東京オリンピック」「消費税増税」の3つのキーワードで整理しました。プラス材料、マイナス材料が混在する市場を整理します。

不動産マーケットを読む1. 「不動産バブル崩壊」

2019
(写真=Ravital/Shutterstock.com)

経済誌などでは以前から、「高値にある首都圏(または東京)のマンション価格が下がるのでは?」という憶測が目立っています。たとえば、2018年末に出たある経済誌では、首都圏の新築マンション契約率の好不調のボーダーラインといわれる70%ラインを割りこんでいるデータを示して警戒を呼びかけています。

しかし、実際には70%ラインを切っているのはずいぶん前(2016年)からなのです。その後も首都圏のマンションが好調だったことを考えると、「契約率が下がった=マンション価格下落」という見方は安易といえるでしょう。首都圏、とくに東京のマンション価格が維持されているのは、「東京オリンピック」「低金利」「東京エリアの安定した人口増」などの要因によるものといわれます。不動産バブル崩壊を警戒するよりもこれらの要因の動きを注視することが、2019年以降はますます重要になると考えられます。

不動産マーケットを読む2. 「東京オリンピック」

前項で挙げた、東京のマンション価格が維持されている要因のひとつがこの「東京オリンピック」でした。東京オリンピックは、マンション市場にプラスとマイナス、両方の影響を及ぼしていると考えられます。プラス面は、東京都内のあちこちで行われている大規模再開発です。これにより、都内には好調エリアが生まれています。加えて、オリンピックというビッグイベントがあるため、海外投資家の目が東京に向きやすいといえます。オリンピック後のインバウンド効果もプラス材料でしょう。

一方、見方を変えるとマイナス材料にもなる可能性があるのが、選手村で使われた宿泊施設をマンションとして販売することです。これにより供給が過剰になり、「分譲マンションが値下がりするのでは?」というシナリオがたびたび指摘されています。選手村がつくられるのは東京湾岸の晴海埠頭エリアです。大規模な開発は都市機能向上というポジティブな側面があると同時に、景観のよい立地に計5,650戸という膨大な数のマンションが生まれ、市場に放出されるのです。

このうち74%の物件が分譲マンションとして販売され、残りは賃貸として使われる予定です。直接的な賃貸目的の戸数はわずか2割程度のため、東京都内の賃貸市場に及ぼす影響は、極めて限定的だと考えられます。ただし、短期的にキャピタルゲイン(売却益)を狙う方にとっては、選手村の物件放出によって供給過多になれば、一定の影響がある可能性もあるでしょう。

不動産マーケットを読む3.「消費税増税」

2019年10月から消費税が10%になります。よく言われるのは、「増税があるから購買意欲が落ちる」「結果的に不動産市場にも影響が出る」という考え方です。とくに新築物件には消費税がかかるので影響が大きいという主張はよく聞きます。ただし、消費税増税時にはセットで減税策が示されるのが一般的です。それによって、影響が緩和されることが多いといえます。

2018年12月に示された「与党税制改正大綱」では、住宅ローンの減税の適用期間を消費税8%時の10~13年に延長することが決められました。ただし、対象者は消費税増税後から2020年の年末までに契約締結・入居する方だけに限られている点に配慮することが必要です。このように2019年以降の不動産マーケットにはプラス材料とマイナス材料が混在しています。

こういった局面では、悲観的かつ、楽観的にもなり過ぎず、現実をしっかり見て判断していくことが重要です。投資家としては、迷いが出やすい時期ですが、様子見期間が長すぎると機会損失になりかねません。この部分をどう考えるかが、将来のリターンの分かれ目になるでしょう。(提供:アセットONLINE


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