個人型確定拠出年金(iDeCo(イデコ))に加入した後、加入者が自分自身で運用商品を選ばなかった場合、これまでは金融機関があらかじめ設定した商品で運用されていた。ところが、2018年5月から「指定運用方法」という新たなルールが設けられた。本稿では、指定運用方法について解説するとともに、指定運用方法で「投資信託」を採用している金融機関を紹介する。

iDeCo(イデコ)の指定運用方法とは?

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(写真=Light And Dark Studio/Shutterstock.com)

iDeCo(イデコ)では、加入者自身が運用商品の選択(指図)を行うことが大原則である。ただし、従来は、加入者が運用商品の指図をしないケースもあり、その場合は、金融機関があらかじめ定めていた「初期設定(デフォルト)商品」で運用を開始していた。この場合、定期預金などの元本確保型商品を初期設定にするのが一般的であった。

2018年5月から、上記の考え方を発展させた「指定運用方法」が新たに設けられた。指定運用方法を採用している金融機関でiDeCo(イデコ)に加入し、加入者が初回掛金入金後から3ヵ月以上の「特定期間」の間に運用商品を指図しない場合、当該加入者に対し運用指図を行うよう通知がされる。さらに、特定期間の終了から2週間以上の「猶予期間」を経てもなお加入者が運用指図を行わない場合には、指定運用方法で定めていた運用商品が購入されることになる。

ここで注意しなければならないのは、すべての金融機関が指定運用方法を導入しているわけでなないということである。iDeCo(イデコ)の運営主体である国民年金基金連合会によると、2018年10月時点で26の金融機関が指定運用方法を導入している。指定運用方法を導入していない金融機関では、加入者が運用商品を指図しない限り、掛金はずっと「未指図資産(現金相当の資産)」として管理されてしまうので注意しよう。

指定運用方法で選定される商品とは

iDeCo(イデコ)利用者としては、指定運用方法でどのような運用商品が採用されているのかも気になるところであろう。指定運用方法で採用される運用商品は、「長期的な観点から、物価その他の経済事情の変動により生ずる損失に備え、収益の確保を図るためのものとして厚生労働省令で定める基準に適合するものでなければならない」とされている。

このため、指定運用方法の選定商品として「定期預金」を採用している金融機関も多いが、現在の低金利下において定期預金や保険商品を購入しても、運用成績が物価の上昇に追いつくことは期待できない。そこで、一部の金融機関では、指定運用方法で「投資信託」を採用している。指定運用方法で投資信託を選定している金融機関は、物価上昇に負けない長期的スタンスを考慮したものといえよう。

指定運用方法で投資信託を採用している金融機関8選

iDeCo(イデコ)の運営主体である国民年金基金連合会によると、指定運用方法を採用している26の金融機関のうち、投資信託を指定運用方法として選定しているのは以下の8つの金融機関である(2018年10月24日現在の届出受理)。
採用している運用商品をタイプ別にみると、バランス型ファンドが4社、ターゲット・イヤー・ファンドが3社、アクティブファンドが1社となっている。

【指定運用方法で投資信託を採用している金融機関とそのファンド名】(運営管理機関登録番号順)
・肥後銀行:投資のソムリエ ターゲットイヤー2035・2045・2055
・SBI証券:SBIグローバル・バランス・ファンド
・りそな銀行:ターゲットイヤーファンド2030・2040・2050
・野村證券:マイターゲット2030・2035・2040・2045・2050・2055・2060(確定拠出年金向け)
・さわかみ投信:さわかみファンド
・楽天証券:楽天・インデックス・バランス(DC年金)
・マネックス証券:マネックス資産設計ファンド〈育成型〉
・KDDIアセットマネジメント:auスマート・プライム(成長)

最後に、iDeCo(イデコ)に加入する際は、自分で運用商品を指図してスタートするのが原則であり、加入者本人の意思で運用商品を選ぶならば、指定運用方法はあまり気にしなくてよい。ただし、iDeCo(イデコ)では、運用商品選びや運用結果の責任はすべて加入者自身が負うことも、あらためて認識しておこう。(提供:確定拠出年金スタートクラブ

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